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「週末演劇ひろば」を開催する中での課題設定と狙いについて

週末演劇ひろばを実施していくにあたり問題意識をはっきるさせるために言語化しておく。

【はじめに】

俳優として様々な現場に赴き、また、俳優WSを各地にて実施する中で、以下のことが問題としてあるのではと思っている。

それは、俳優「自己肯定感の低さ」である。

俳優は、
「演出家/プロデューサー/制作者、に選んでもらえない」と出演の機会がない、という状況下に自らを置きすぎることで、

「自らの意思/美学/責任に基づき意思決定をする」

という機会が少なくなってしまい、そのことが本質的な俳優の成長を阻害しているのではないか。

【目的】


そう問いを仮設し、「週末演劇ひろば」に参加したものが、

「自らの美学や価値観といった領域を守りつつ、演出や他者のそれと照らし合わせた上で合意形成を重ねていける」
「俳優自身が今現在の自分のパフォーマンスについて、ある程度明確な『できている/できていない』の判断基準を持てるように」

ように時間を作ることを目的とする。

【ねらい】


前述したのような感覚/判断/価値基準は、
① 目的とする現象の明確化され、共通体験/言語を設計された稽古場
② 俳優が舞台上に存在し、観客(あるいは演出家)を前にした空気感の中での判断数を増やす
以上のような場を増やすくことで、磨かれていくと仮定し、以下の仕組みを用意した。

・稽古場での、土台となる共通言語、尺度の共有。
・俳優自身が、クリエーションを重ねていく中で、精度の高まった実感得ること。また、それを積み重ねること。
・俳優、演出相互の納得感伴った上での、方向性の提示。

さらに、発表の時間について
「観客から、時間と金銭」を受け取ったという〈責任〉を負った状態を作り出し、その上で舞台に立ち、仮定された稽古場での狙いを本番として実践/検証する。

【対象者】


それらの仕組みを以下を対象者として行う。
「久しぶりに舞台に立ちたいが、人的つながり不足/ブランクへの不安、などを抱えている人材」
「外部出演の機会を増やし、舞台出演の機会や人と人の出会いを増やしたい若手」

へ向けて行う。

【仕組み】


下記のような仕組みで上演を
A:共通言語と共通尺度をしっかりと共有できるワークの時間設定
B:観客前で、有料上演の機会
C:チームを分け、同時練習可能な稽古場を用意し、稽古の同時進行を可能にする
D:作品を見合う場を用意する


【おわりに】

仮説ばかりなものではあるが、以上のような目的設定をした上で、

「週末演劇ひろば」を試み、俳優自身が自身の中でパフォーマンスについての「尺度」や「言葉」をもち、
さらに、自らの感性に自信を持ち、技術を選び取ることができるようになれるつくり手をより多く送り出して行こうと考えている。


2023年2月11日
小濱昭博



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