「第26回 スポーツビジネス4大収益源」
東芝ブレイブルーパス東京のプロデューサーに就任して、最初に行ったことは4大収益源の実態把握とそれぞれにおけるビジョン策定についてでした。
巷でよく言われるスポーツビジネス4大収益源は「チケット収入」「スポンサー収入」「グッズや飲料等の収入」「放映権収入」と言われています。
ラグビー界がトップリーグからリーグワンに進化していく過程で最も大きな変革は各チームに興行権が与えられたことです。
これによって、「チケット収入」が収入源として成立することになりました。
また、ジャージへのスポンサーロゴ掲出等も大幅に可能になり、「スポンサー収入」も収入源として、より成立することになりました。
「グッズ」は今までも収入源になりえていましたが、興行権を持つことにより各チームのブランディング向上が大いに求められることになり、より重要性が増しました。
グッズに関しては、売ることにより得られる利益はもちろんですが、売れ残るリスクもあります。
しかし、売買の実益以外にもファンの方々のチームに対するエンゲージメント向上、プロモーションや広告効果等々、さまざまなプラスの要素があります。
スタジアムでの飲食の収入に関して、ラグビーチームは自前のスタジアムを持つチーム(指定管理含む)は現状では数チームの状態で、収益源としてはまだまだ厳しい状況です。
(スタジアムの課題に関しては、別の機会にしたいと思います。)
「放映権料」に関してもリーグの認知度や人気、爆発的人気力を誇る単独チームがまだまだ少ない等々、こちらも現状の収益源としてはなかなか厳しい状況です。
このようにラグビー界は収益構造という点で課題山積です。
しかし、私は諦めることは一切ないと感じています。
他競技のプロスポーツにおいては「移籍金収入」「ライセンス収入」などの収益源も増加しており、「スポーツビジネスの4大収益源」という言葉もそろそろアップデートされていくのではと感じています。
スタジアム収入も放映権料収入も昨日までの置かれている環境をベースに考えれば困難ですが、視点を変えれば大いに可能性を作ることはできます。
現状、自前のスタジアムはありませんが、専用練習場はあります。
東芝ブレイブルーパス東京では昨年11月にリーグワンのチームでは初めて専用練習場でのプレシーズンマッチを有料開催し、来場いただいた方からは高評価をいただきました。
放映権料収入はある意味、国内も国外も伸びしろだらけです。
地上波テレビオンリーだった時代と違い、今の時代は視聴者は本当に良い動画コンテンツにはお金を払います。
次のシーズンはオールブラックスのスター選手がたくさんリーグワンでプレーします。
アジアにもラグビーに興味を持っている方々は決して少なくありません。
あとはどのような戦略を立てて実践していくかです。(ここが最も難しいところですが、、、)
移籍金収入等もリーグワン創設にともない積極的に活動しているアカデミー含め、新たな取り組みと連動することでさまざまに広がる可能性があります。
何十年も先に「あの球団(チーム)ってラグビーをはじめとして、いろんなことやっている会社だけど、最初はラグビーのことだけやっていた会社らしいよ!」
なんて驚かれる未来を想像し、そこから逆算して物事を考えることで現状を変えていけることもあるのではと思っています。