
#9「匂い」が失敗を引き寄せる
こんにちは。
49歳男性、起業して30年の経営者です。自分の失敗談、体験や考えなどを綴っています。
・・・・・・・・・・・
ビジネスをしていると、誰もが失敗を経験します。最初から最後までずっと順調です・・・なんて人を聞いたことがありません。36期連続増収増益を続けているニトリでさえ、創業時には大変な苦労の連続だったそうです。
失敗をすると、失敗や驕りから学び、謙虚に愚直に、来る仕事はなんでもありがたいと引き受けるようになります。
特定の、俺は私は〇〇をやるんだ!ではない(あるいはそんな事を言ってられなくなった)経営者にとって、とても大切なマインドだと思います。
一方で、何でもやります、やらせてください、と言っていると、不思議なんですが、これはもしかして凄いことになるかも?!と心躍るような、とても大きな仕事の話が舞い込んできたりします。
下記すべて僕が経験した話ですが、
「全国のコンビニの〇〇を入れ替える」
「急速充電を全国に〇万カ所設置する」
「全国の喫煙所◯万カ所のエアコンを入れ替えする」
など、、、など。一箇所でも仕事になるのに、数百数千数万と、次から次へと仕事があるかのような話、です。
ところが、これ。元請けの下に何社絡んでいるのかわからないくらいの仕事だったりするのです。
僕も羽田空港の滑走路の拡張工事の話が舞い込んで、大金をつぎ込み、おもっきり騙されて、鬱になるほど落ち込んだことがありました。一番上は某大手のゼネコンです。後で知った話ですが、その下に15社以上絡んでいたそうです。
この話は長くなりますので後日したいと思います。
さて、この次から次へと仕事があるような、とても大きな仕事・・・実はそのほとんどが「旨味」のほとんどを抜かれてしまって、大変な苦労をさせられる羽目になってしまうパターンです。
それはそうです、ほとんどがヤクザのピンハネのような構造になっていて、元請けはわかっているものの、誰がその下に入っているのかもはや全く分からない、、、、なんてこともしょっちゅうあるのです。
話は単純。こんな構図です。
元請けは大手。準大手に振る。準大手は何社かの協力会社に振るけれど、管理が相当面倒くさい、、、そこで協力会社の幹部は「(さらに下請けの)〇〇会社にちょっと何社か集めるように言ってみてよ」と。
そこからどんどん手が離れていって、我々「わけのわからない」「仕事欲しがり会社」に回ってくるのです。
一社当たり数万円、一人あたり数千円が徐々に抜かれていくので、我々に回ってくる頃には、
え?この金額で??
となるわけですが、
「いやいや、これが数千、数万カ所あるのよ?」
という決めゼリフで、少々きつくても、
「これで俺も浮上できる」
と夢物語に取り憑かれたように請けたりするのです^^;
「元請けは〇〇だから、安心してよ」
大抵誘い文句に使われます。
この手の話。どれも同じパターンです。
準大手から協力会社に振られた時点で、それぞれの協力会社が何社かすべてそんな調子で振っていくものだから、あっという間に数十社が絡む事業へと変貌していきます。
東日本大震災の復興工事では、東電は除染作業に一人日給30万円を支払ったといいます。
ただ、実際に作業していたのは・・・同じ構図でどんどん中間搾取されていき・・・
結果、どこから連れてきたかもわからない人たちが多くいました。
日雇い労働者やホームレスを連れて行ったなんて話もあります。
最後の・・・末端の・・・彼らの日給は8000円だったそうです。一体何社がそこに絡んでいたのかは、今となっては闇^^;
東北の繁華街では随分と羽振りのよかった人たちがいた話を聞くと、闇は結構深いのかもしれません・・・。
北海道の某政府肝いり事業の建設工事も同じように、人集めの同じ構図の話を耳にします。
昔から火事場にヤクザは付き物ですが、大きな話ほど請けてはいけません。自分のやれる範囲以上の仕事は請けてはいけないのです。
ただ、ギャンブルにのめり込んだ中毒者(本人に自覚なし)にとってみれば、
「この仕事で負けを全部取り戻せる」
とやめられず泥沼にはまっていくようなもので、
「これさえあれば、軌道に乗せられる」
必死の経営者ほどそう思ってしまうものなのです。
ここから先は僕の勝手な分析です。
頑張って、必死でなんでもやります!!と言っている経営者ほど、「独特の匂い」を放っており、その匂いを嗅ぎつけて甘い話が、あるいは大きな話が舞い込んできます。
最近では大阪万博の話。
日当〇〇。材料支給で、、、、
まるで一言一句同じ誘い言葉が、何と場所も大阪、名古屋、東京と全く別々の業者から数社舞い込みました。
・・・僕もまだまだ「匂い」を放っているのでしょうね(笑)
匂いが失敗を引き寄せる
でも実際には、、、、
必死さが自らの「鼻」を詰まらせて、怪しい匂いを嗅ぎ分けられなくなっているのだと思います。
俯瞰という名の鼻は常にかんでおかねばなりません。
自らも戒めとして・・・😭