【47】日本人が読むべき疾走感のある自伝『SHOE DOG 靴にすべてを。』フィル・ナイト
世界的スポーツ用品メーカーのナイキ創業者による自伝的物語
SHOE DOGとは、「靴のことしか考えていないバカ野郎」というイメージ
これ程しっくりくるタイトルはなかなかお目にかかれません
オレゴン大学で陸上中距離選手として活躍していたフィル・ナイトは、日本のランニングシューズを米国に持ち込むというビジネスアディアをMBA時代に思いつきます
それを実行するため、単身で日本のオニツカ(現アシックス)に乗り込み、まだ存在しない会社をでっち上げ、米国での販売代理店となる契約を結ぶことでビジネスがスタートします
協力関係を築いていたオニツカとのすれ違いから訴訟を抱えたと思うと、新しいビジネスパートナーとして日商岩井(現双日)が現れます
スタンフォード大学MBAを出たエリートが、プーマやアディダスというライバルを倒す綺麗なサクセスストーリーではありません
嘘や犯罪、裁判など自伝では普通避けるようなことが満載で、ハラハラしながら500頁超を一気読みでした
あらゆる場面で日本が関わっていることも興味深いです
ちなみに、アシックスの現CEOは、日商岩井に入社し、NIKE JAPAN立ち上げを担当したのち、アシックスに入社したというSHOE DOGと同じくらい物語になりそうな経歴のようです