僕らの写真展の挑戦 2023
はじめに
“僕らの写真展”は、SNSを飛び出してオフラインで写真の楽しさを追求するフォトサークルです。
2021年8月に活動をスタートし、博物館や美術館、ショッピングセンターなどで写真展やフォトウォークを開催してきました。
この記事では、2023年1月から8月までの僕たちの活動をまとめました。
この挑戦に至るまで
実は僕たちは今、勝山オレンジクリニックという病院での写真展企画の準備を進めています。
開催時期は2023年11月1日〜11月30日です。
これがかなり変化球な写真展なんです。
開催までの途中経過を、ぜひお伝えさせてください。
2022年12月 僕たちは福井市美術館で大規模な写真展を開催しました。
総勢32名によるダイナミックな合同展示は見応えがあり、ありがたいことにテレビや新聞にも取り上げていただきました。
※詳細は以下の記事参照
その一方で、大規模な展示については一つのゴールを迎えたように感じました。
これ以上の規模にするには予算、備品、スポンサーなど別のベクトルの準備が必要になり、この部分にはあまり面白さを感じなかったのが正直なところです。
決して熱が冷めたわけではなく、
むしろ「写真の力をつかってもっと別の活動をしてみたい!」
という漠然とした思いが湧き出てきました。
そんなときに、勝山地域おこし協力隊の滝谷氏から勝山の街とのコラボレーションのお誘いがあり、写真展会場についていろいろな候補をいただきました。
ギャラリー、ブティック、公共施設、病院の使っていない病室・・・
どれも魅力的ですが、なかでも一番ビビッときたのが”病院”でした。
”僕たちの写真の力”で、会場や街に貢献できることがあるかもしれない。
その先に写真展の新しい楽しさが待っているのではないかと思い、病院での写真展を2023年の一大プロジェクトとしました。
もちろん前例があることではないので手探りで苦しいこともあるかもしれないけれど、何度も写真展を経験している僕たちのチームだからこそ、この攻めた企画に挑戦したいと思いました。
まずは作戦を練る
街とのつながりも楽しみたいこの写真展。
まずは私自身を含めて写真展メンバーに“勝山の街を知ってもらうこと”、勝山の街にも“僕らの写真展を知ってもらうこと”が必要だと考えました。
そこで、6月と8月に勝山でフォトウォークと写真合宿を行うことにしました。
どちらも滝谷氏と作戦を練って、参加者に勝山の魅力を感じてもらい、勝山の方が地元の良さを再発見してくれるようなフォトウォークを目指しました。(詳細は後述)
さらに、
会場準備も並行して進める必要があります。
予算があるわけではないので、そこはマンパワーでカバー。
フォトウォーク後に写真展メンバーみんなで会場準備を行うこととしました。
このように、通常の写真展とは明らかに違う、街と写真のストーリーのある企画。
ワクワクと不安が入り混じる状況で、プロジェクトが始動したのです。
活動報告
勝山オレンジクリニックでの写真展開催を11月1日〜11月30日と設定しました。
そこに向けての、準備や活動について報告させてください。
◯写真展のテーマ設定(2023.4~6)
写真展の7ヶ月前の2023年4月から準備が始動しました。
まずは展示のテーマを決めていきます。
合同展示の場合は、テーマの解釈や展示への思いをメンバー間でしっかり共有しておくことも大切です。
今回は病院での展示となるので、患者さんや家族の方へのメッセージ性についても議論しました。
その結果、以下の4つのテーマに決定しました。
・つながり
・対比
・原動力
・癒し
ここからはテーマごとに5〜7人のグループに分かれて、テーマの解釈を深めながら作品制作を進めていきます。
テーマを決めてから撮るという行為は、感覚的に撮る写真とは違った楽しさがあります。
うまくいかないことの方が多いのですが、自分の頭の中にあるゴールをイメージしながら撮る感覚。
そこに偶然性も加わって作品が成立した時の喜びは格別なものです。
◯フォトウォークin勝山(2023.6.18)
このフォトウォークはルートにこだわりました。
事前に地元の方から聞き取り調査を行い、思い入れのあるスポットを線で結んでルートを決定しました。
ガイドブックには載っていない、ディープな街歩きです。
本町商店街、後町、神明神社を30名で(2グループに分けて)撮り歩きました。
ガイドさんからの解説付きで、勝山の暮らしにも触れながら。
とくに後町の路地は、レトロながらも綺麗に整備されていて素晴らしい場所でした。
ちなみにこの場所は、8月に行う写真合宿の舞台にもなっています!
撮れた写真は地域密着のショッピングセンターである”サンプラザ勝山”でスクリーンをつかって共有します。
同じ場所を歩いていても撮影の視点はさまざま。
これがフォトウォークの醍醐味です。
今回は地元の方も参加されていて、共有タイムは大いに盛り上がりました。
◯会場準備 (2023.6.18)
フォトウォークの後、写真展メンバーはそのまま写真展会場の勝山オレンジクリニックへ。
病室にベッドやロッカーがそのまま残っている状況だったので、みんなで運び出してスペースを確保するのがこの日の目標です。
ベッドは少し分解して運んで、ロッカーも運んで、、
どうにか4部屋のスペースを確保しました!
原さん自前の器具でベッドを分解できたこと、
ゆうたさんの技術で部屋を細かく測量できたことが非常に助かりました!
◯写真合宿(2023.8.5–6)
6月のフォトウォークのルートにもなっていた後町通りにある古民家の民泊施設、”おちゃのま民泊みっけ”で写真展メンバー16名による合宿を行いました。
目的は、勝山の街に触れること、メンバーで写真展について深めること、そして夏を満喫すること!!
テーマを決めて宿周辺を撮り歩いたり、写真について語り合ったり、地酒を飲んだり・・
時間があっという間に感じる、濃密な1日を過ごしました。
まさに大人の修学旅行という感じ。
翌朝はとても早かったのですが、朝日を部屋から見られました。
◯フォトウォークin平泉寺(2023.8.6)
勝山でのフォトウォーク第二弾です。
前回のまちなかでのフォトウォークとは変化をつけて、山の中にある平泉寺で開催しました。
開始時刻はなんと朝の7時!
合宿参加組15名に加えて、当日参加が19名、さらにマスコミ関係、ガイドの方を入れると40名以上での開催となりました。
今回で15回目のフォトウォークだったのですが、過去最高人数を記録しました。
(早朝の山奥なのに!)
気持ち良い朝の光の中、新しいつながりもたくさん生まれました。
そして、撮影のあとは麓にある”そば処まつや”で朝食をいただきます。
すぐそばの田んぼでとれたお米を、こだわりの精米方法で仕上げたおにぎりは絶品でした。最高の朝活でしたね。
◯会場準備(2023.8.6)
前回6月の準備でメンバーのゆうたさんが測量をしてくれた結果、壁面だけでは展示スペースが若干狭いことが明らかになり、展示パネルを製作することにしました。
材料は前日に運んでおきました。
そして、猛暑のなか8台の展示パネルを完成させました。(みんなすごい・・!)
過酷な環境にもかかわらず、取材を続けていただいたFBCの松田アナウンサーもスペシャルサンクスです。
今後の企画準備について
会場準備
スペースの確保、展示パネルの作成までは終わったので、次は壁面のリノベーションです。
これは滝谷氏を中心に話が進んでいるのですが、僕らの写真展メンバーもお手伝いに行く予定です。9月10日に壁をグレーに塗り上げていきます。
ここが無事に終われば、次は壁面への展示方法を決定していきます。
壁面への貼り付け、ネジ留め、ピクチャーレールや天井からの吊り下げなど会場にあった展示方法を検討していきます。
地元の方と楽しめる参加企画
まだ漠然とイメージしているだけなのですが、
地元の方も写真を持ち込んでもらって、地域の思い出を写真で掘り起こすような企画を考えています。写真の力で過去と繋がれるようなイメージです。
ただ、写真を持ってきていただいた場合の管理や返却方法など、まだまだクリアしないといけない問題があります。
運営メンバーを中心に作戦を練っていく必要がありそうです。
病院スタッフの方と一緒に楽しむ企画
会場を快く貸していただいた、勝山オレンジクリニックの皆さんにも何か恩返しがしたくて、スタッフの皆さんのことを写真で収めることにしました。
もちろん写真展期間中は展示します。
9月9日に運営メンバーで取材に行く予定です。
最後に2023年上半期の全活動を時系列で
2023年2月 エルパ写真展 & 異ジャンルアーティスト交流会 in Foodies Hub
2023年4月 フォトウォーク in 花換まつり
2023年5月 テレビ番組の背景で僕らの写真展の作品を使用
2023年6月 フォトウォーク in 勝山
(会場準備第一弾 スペース確保)
2023年8月 フォトウォーク in 平泉寺
(会場準備第二弾 展示パネル作成)
エルパベイビー写真展
おわりに
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
このように、昨年までとはまた違った形で写真展企画を楽しんでいます。
スーパー大人の文化祭です。
11月の写真展はどのような形になるのか、ぜひ応援してください!
最後になりますが、
勝山オレンジクリニックの池口院長
この度は快く会場をお貸しいただき、誠にありがとうございます。
この素敵な繋がりを作ってくれた地域おこし隊の滝谷氏にもこの場を借りてお礼申し上げます。
開催まであと2ヶ月半、一緒に駆け抜けましょう!!