思い出のとなり Tombo@井の頭公園
吉祥寺南町の名店「Tombo」初訪問。吉祥寺駅南口から井の頭通りを南東方向に15分ほど歩く。1800開店で、1750頃に到着したのだが、日曜夜で前に4人ほどの行列。
私のすぐ後にお若い夫婦と6,7歳ほどの女児が並んだ。彼ら親子は、井の頭通りで私の直前を歩いていたのだが、途中にある鮨屋「ふじ本」(私もだいぶ前に「食べログ」でブックマークしてあったが)を彼らが覗き込んでいる間に私が追い抜いたのだった。まさか彼らの目的地もこことは。英才教育じゃないか。
子どもの頃から贅沢させるのはちょっと……、みたいな見解もあるかもしれぬ。なんのなんの。骨董屋は後継者に「本物」だけを見せて育てるという。そうすることで「偽物」に対する分別が身につくのだとか。貧乏は大人になってからいくらでもできるからね。
コロナ禍の座席数制限のため、最初に店内に入れたのは私までだった。私一人席を譲っても彼ら親子3人が入れるわけではないので、そのまま入店。
券売機の左上にある「味玉醤油の旨味ソバ」のボタンをまず押す。そして、秘かにメンマ好きの私は「メンマごはん」にも心惹かれたが、「オススメ」と書かれた「ブタめし」のボタンを押した。
長めの割り箸が俺好みである。ここが良店なのは前もって知っている。センスに疑いの余地は微塵もない。
この店に来ようと思ったのは、実はその昔、この近くにあったラーメン屋に思い出があるからだ。
2003年3月、この店のすぐ近くに当時あった「かぎや」というラーメン屋で、私は教え子にあった。つい前月まで教えていた男である。「かぎや」は当時そこそこ知られた店で、私はその時偶然その店にいた。お互いに驚いた。そして彼は次のように言った。自分はこの近所に住んでいる。今日は夕食の準備がないので、このお金で何か食べてくるようにと母親に言われ、たまたま入ったのだと。そしてまた次のように言った。ついてはセンセイ、このラーメンを奢ってくださいと。
彼とは先日、十数年ぶりに吉祥寺のコメダで再会した。私の荻窪への出勤前の30分ほどのことだ。その時私は、自分が払うとは一切言わなかった。口に出さないだけでなく、自分の財布に手をかけたり、その素振りすら1ミクロンもみせなかった。
当たり前だ、このコメダスペシャルを差引いてなお、オレにはオマエに対して280円ほどの債権があるのだからな。
などという思い出に浸っていたら、いつの間にか目の前のドンブリは空になっていた。まあ良い。この店には「食べログ」換算で既に156件のクチコミがある。オレが屋上屋を架す必要はないだろう。
また来ますね。
https://www.google.com/amp/s/s.tabelog.com/tokyo/A1320/A132001/13212388/top_amp/
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