選ぶ/選ばれる 本屋イトマイ@ときわ台
昨秋まで15年間に渡って住んでいた府中市では、在住末期に「マルジナリア書店」というたいへんすばらしい書店が近所にできたのだが、残念ながら開店から1年も経ずに私が引っ越すことになってしまった。新たな住所の近くで、住む前から私が目をつけていたのは、このときわ台の「本屋イトマイ」である。
実は昨年末に1度訪れているのだが、その時は姪甥に集英社版『学習まんが 日本の歴史』を送るための書類を出しただけだったので、自分のためにゆっくり訪れるのはこれが初めてである。1630頃という中途半端な時間帯にも関わらず、狭い店内にはそこそこの人の入りで、人気のほどがうかがえた。
栗原康『アナキスト本をよむ』(新評論)を購入し、併設の喫茶へ。ブレンド(中煎り)とプリン(クリームのせ)をたのむ。
おしゃれカフェですなあ。
私は秘かにプリン好きなのだが、ここのプリンは大満足の逸品だった。
まずは硬い。それは「手応え十分」といった感じの硬さであって、疑問を感じさせるようなものではない。むしろ納得の硬さである。これは作り手によって選ばれた硬さだと、食べる者にはっきり伝わる硬さだ。
お!っと思ったのは、酸味を感じる点である。しかしこの酸味はどこからくるのか?カラメルは、定型的な表現を使えば「大人のビターさ」である。後で調べたら、レモンの酸味を効かせているそうな。ううむ、見事だ。
思った通りの良店だな。選書も好い。これは定期的に通わねばなるまい。
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