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Ep.04 小松 香奈子さんとフリートークvol.③

ブラウブリッツ秋田スポーツネットワーク

ゲストの小松 香奈子さんとチームの紹介は以下のリンクをご覧ください。

育成世代における勝ち負けについて

競技スポーツであれば、勝敗は付くものだということは大前提なのですが、育成世代のスポーツにおいて、その勝敗に拘ることで、プレイヤーの人生に良くも悪くも大きな影響を与えてしまうということも抑えておきたいところです。勝つことで、チームや活躍したプレイヤーにスポットライトが当てられるという状態になります。それは、その時だけであって、その先を照らすものではありません。プレイヤーが次の世代へのステップアップのために、自ら進んで注目を集めるというのは、なかなか難しいです。だからこそ、大人の力が必要になるわけですが、そのスポットライトの当たり方が、分相応であるかはプレイヤーを含め、周りの大人たちが判断してあげなければならないと考えています。それだけに、勝つことへの拘りは、大人の執着が強くなる側面も多く、危険な要素だと。この先に体罰の話題にも移りますが、危険な思考に陥りやすいのです。そもそも、勝敗は大前提なので、議論における議題や素材としては非常にレベルが低いとも思っています。いまだにプレイヤーたちに向けて「勝ちたくないのか!?」なんて発している指導者の方は、いらっしゃいませんよね?(笑)

期待することについて

人に期待をすることは、悪いことではありません。ただ、その期待は、過剰に他者に向けられる者であってはならないと考えています。期待した結果が得られなかった時も、決してガッカリすることはないと思います。また、そのガッカリを表に出してしまうと、相手にダメージを与える可能性もありますので注意が必要です。スポーツの現場では、指導者が自分の思い描く理想や良い状態、その結果は、相手に求めるものではありません。指導者の役割、立ち位置は、教えるという単純なことではなく、まず第一にプレイヤーが安心安全にプレーできて、様々なことにチャレンジできる環境を整えることだと考えています。そして、それを見守るのが指導者の立ち位置であると。プレーするのは、プレイヤー本人なので、私たち指導者が期待をすることで、支配にも変貌してしまうと思っています。育成世代のプレイヤーを取り巻く環境に、過剰な期待とガッカリが無くなってくれることを、私たちは心から望んでいます。

スポーツ界に蔓延る体罰について

そもそも体罰は、法律で禁止されているので犯罪です。
明治12年に制定された教育令の第46条で、明確に禁止されています。

これにより、こらしめ(懲戒)のために身体的な苦痛を与えるのは、法律で禁止されていることが明確です。もちろん、暴言や言動で追い詰めるような精神的な苦痛も同様です。
歴史を辿ると、1970年頃に教師の行き過ぎた行為が社会問題になりました。懲戒によって、教化(教え導き良い方向に向かわせること)する意があったとはいえ、この体罰という言葉が使われ始めたことで、何を体罰とするかという定義が非常に曖昧になってしまった、そんな側面もあると考えています。
しごき=厳しく鍛錬すること
いじめ=自分より弱い立場にある者を、肉体的・精神的に苦しめること
これまでに、これらを混同しているケースも多々あります。
私たちの生きる世界は、個性や個人差を尊重するようになりました。世界はこのように変容して行きましたが、まだ旧態依然のまま、取り残されている方もいるかもしれません。
このエピソードが配信された日に、日本バレーボール協会では、体罰撤廃アクションがリリースされました。

スポーツの現場における体罰と事故について、分かりやすく書かれた記事があるので共有しておきます。

厳しい指導を耐えたことが成功体験になっている矛盾点

正直、私の中にもこのような感覚がありました。ですが、耐え抜いたことで本人が正しく在るべき成功に辿り着くとは別の話なんです。何が成功かは、それぞれですが、少なからず厳しく指導していただいたから今があるという思考は、自分自身が次の世代に同じことを強要してしまう、そんな危険性があると考えています。今そうじゃなくても、いつの間にか、あなたの言動に現れるかもしれないのです。
ことを成すことや、継続すること、ステップアップすることについて、動機やキッカケは、人それぞれなので、それこそあらゆる手段やタイミングを一緒に待つことが最善ではないでしょうか。
厳しい指導に耐え抜いたことが成功体験となっていると、あなたが同じような経験をさせてしまう。これでは、負の連鎖は断ち切れませんよね。

最近になって読み返したダルビッシュ有選手のインタビュー記事を共有します。彼はアメリカに居るから言えるのではなく、自身の経験と体験から、本当に本心で変えていくことに言及していると感じています。だから、響くし注目されるんでしょうね。

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