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二人のアカボシ/キンモクセイ

毎週末、高速を飛ばして会いに行く。

彼の住む町は、鉄鋼の町で、
イメージは灰色の空。

夕方出発して、どんどん空が暗くなって、
たくさんのトンネルを抜けて、何本も橋を渡って、
彼の住む町の灯りが見える。

4時間近いドライブは、なんだかすごく長くて、
それでもこれから彼と過ごす時間を思うと、ドキドキが止まらない
何を話そうか
何をして過ごそうか

最後のトンネルを抜けると、すぐインターチェンジが見えて、
ぐるっとカーブを描いて、一般道につながる。
あと10分、あと5分。

でも彼に会えた瞬間に、別れのカウントダウンが始まる。

楽しい時間はあっという間で、本当に短くて
また会えない日々が始まる。


この曲を聴くと、今でも、
真っ黒な空の中に灰色の重い雲、
高速から見える工場のまぶしいライトが目に浮かぶ。

彼に対する気持ちは変わらないのに、
あの頃の自分が懐かしくて戻りたいのは、なぜなんだろう。

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