私にとって、仕事とは何か?
私は、小学生の時から家出を繰り返していました。
幼い時は、親も気付いていたかどうかわからない程の小さな家出でしたが、地元が顔見知りだらけの田舎という事もあり、どうしても親元に返される。
好きな服も、好きなおやつも、好きな運動も、何一つ出来ない実家です。
運が悪ければ、下着姿で犬小屋で寝る事もありました。
どうしても実家が耐えられなかった私は、上手く家出を成功させる術を考えます。
住み込みの仕事も何回かやりましたが、一週間もしないうちに親元に返されました。
ある日、親を怒らせて、下着姿で家を追い出された私は、地元のヤンキーに追いかけ回されるという経験をして、「このままではいけない」と思うのです。
このままだと、強姦されるのも時間の問題だ。
それなら、いっそのこと風俗嬢になろう。
で、面接を受けてみたら、まさかの不採用。
面接をしてくれた店長に食って掛かりました。
彼はこう言いました。
「風俗嬢は体しか売るものがない奴らを救う場所なんだ。まだ、お前は他に何かしら売れるものがあるんじゃないか?死ぬ気でやってみろ。それでもダメなら採用してやる」と。
幼かった私は、その言葉を真に受けました。
今では、年齢も定かじゃない家出少女を引き受けるリスクを考えて、体の良い断り方をしたのではないかと思っています。
とはいえ、その後の私の考え方は大分変わりました。
とにかく、後ろ暗くない事を何でも死ぬ気でやってみる。
私は、誤解を恐れずに言えば、職業には貴賤があると思っています。
水商売は万人には受け入れられない。
接客の後で号泣する女の子もたくさん見てきました。
こんな将来は嫌だなって思いました。
だから、家出を成功させる為に大学受験をし、親の合意を取って一人暮らしをしました。
それから、何年消息不明になってたでしょうか。
それでも、着たい服を選び、好きなモノを食べて、好きな時間に眠る日々を摑めたのです。
仕事は、そのためにどうしても必要なものでした。
だから、私にとって仕事は自分でいられる為の手段であり、私が羨ましかった普通の家庭の人達より仕事に対してのモチベーションが高いと思います。
あの時の風俗店の店長、ありがとうございました!
おかげで、「私の売れるもの」見つけましたよ。
何だか暗い話なんですけど、これが私の本質だなぁって思うから、文章にしてみました。