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【研修会メモ】令和6年度学校薬剤師学術フォーラム

令和6年10月6日(日)、日本薬剤師会主催の学校薬剤師研修会が開催されました。テーマは「災害時における学校薬剤師の役割と災害医療の基礎知識」。災害時に学校が避難所となる際の公衆衛生管理や、避難者の健康管理、医薬品供給など、多岐にわたる重要な知識が共有されました。

特に、災害時の医療対応原則「CSCATTT(Command & Control, Safety, Communication, Assessment, Triage, Treatment, Transport)」についての解説は、学校薬剤師として災害時にどのように動くべきかを具体的に示すもので、非常に実践的な内容でした。また、離島や僻地での学校薬剤師活動における課題にも触れられ、地域ごとの特性に応じた対策についても考察が行われました。


1.学校薬剤師が知っておくべき災害医療の基礎知識

学校薬剤師が災害時に有効に機能するために必要な心構えは、以下の2点である。

  • 事前に災害時の役割を具体的に決め、体制整備、準備、訓練などをしておくこと。

  • 普段から避難所となる可能性のある場所に関わり、関係者と顔の見える関係を構築しておくこと。

災害医療の基礎知識として、災害時対応原則「CSCATTT」や日本の災害医療の4本柱(災害拠点病院、DMAT、広域医療搬送計画、EMIS)について説明する。

さらに、学校薬剤師の活動に関する考察として、以下の点が挙げられる。

  • 避難所は、地域団体・避難者、施設職員、行政など、多くのステークホルダーが存在し、それぞれが異なる立場や役割を持っていることを理解しておく必要がある。

  • 発災時の学校薬剤師の役割を明確にするためには、地域レベルでの避難所運営マニュアル作成や避難所運営委員会への参加、日本薬剤師会や日本病院薬剤師会内での検討、学校保健安全法における位置づけの明確化などが必要となる。

  • 学校薬剤師は、地域住民であるという特性を生かし、発災前から顔の見える関係を構築することで、発災時には避難所運営の中心的役割を担い、発災後も長期的に住民や児童の健康に携わることができる。

これらのことから、学校薬剤師は、災害医療に関する基礎知識を習得し、地域との連携を深めることで、災害時に地域住民の健康を守る重要な役割を担うことができると考えられる。

1-1.災害時における学校薬剤師の重要性

  • 災害医療の基礎知識の重要性: 学校薬剤師は、災害時に有効に機能するために、災害医療の基礎知識を習得し、災害時対応原則であるCSCATTT(Command & Control, Safety, Communication, Assessment, Triage, Treatment, Transport)を理解しておくことが重要である。

  • 避難所における役割: 学校薬剤師は、学校が避難所となった場合に、施設の衛生状態を確保するための公衆衛生活動に積極的に参加し、指導的役割を果たすことが期待されている。

  • 平時からの備え: 具体的には、発災前から学校再開までの時間経過に伴い、学校環境衛生の維持管理の指導・助言、健康相談、保健指導などを行うことが挙げられる。また、平時から避難所運営に関わる関係者と顔の見える関係を構築しておくことが重要である。

  • 地域住民への貢献: 学校薬剤師は、地域住民であるという特性を生かし、長期的に住民や児童の健康に携わることができる。これにより、地域住民の信頼を得ることができ、災害時にもスムーズな連携を取ることが期待できる。

  • 関係機関との連携: 災害時には、学校薬剤師は、地域団体、避難者、学校施設管理者、市町村、薬務課担当者、災害薬事コーディネーター、地元薬剤師会、災害支援薬剤師、医薬品卸業者など、多くの関係機関と連携する必要があり、円滑な連携が重要となる。

これらのことから、災害時において、学校薬剤師は、児童生徒の安全確保だけでなく、避難所における公衆衛生活動の中心的役割を担う重要な存在と言える。

1-2.災害医療の基礎知識(CSCATTT)と日本の災害医療体制(DMAT、災害拠点病院など)について

CSCATTT は災害医療における体系的なアプローチの原則であり、「Command(指揮)」「Control(統制)」「Safety(安全)」「Assessment(評価)」「Triage(トリアージ)」「Treatment(治療)」「Transport(搬送)」の7つの要素から成り立っている。

一方、CSCAPPPは、CSCATTTの考え方を薬剤師の業務に適用したものであり、「Command(指揮)」「Control(統制)」「Safety(安全)」「Assessment(評価)」「Pharmaceutical Preparation(医薬品の準備)」「Pharmaceutical Supply(医薬品の供給)」「Pharmaceutical Information(医薬品情報の提供)」の7つの要素からなる。

災害時の薬剤師の役割として、以下の内容が記載されている。

  • 公衆衛生活動への参加: 学校薬剤師は、担当校が避難所となった際に、施設の衛生状態を確保するための公衆衛生活動に積極的に参加し、指導的役割を果たすことが望ましいとされている。

  • 災害時の薬剤師業務: 災害時の薬剤師業務は、発災前から学校再開までの時間経過に伴い変化し、それぞれの段階で求められる役割が異なる。

これらの役割を果たすためには、CSCAPPPの考え方に基づき、以下の活動を行うことが考えられる。

  • 指揮・統制 (Command & Control): 避難所の責任者や他の医療従事者と連携し、情報共有や指示系統を明確にする。

  • 安全確保 (Safety): 避難所における医薬品の保管や使用に関する安全対策を行うとともに、自身や他の人の安全を確保する。

  • 状況評価 (Assessment): 避難者の健康状態や医薬品のニーズを把握し、必要な医薬品の種類や量を判断する。

  • 医薬品の準備 (Pharmaceutical Preparation): 避難所での使用を想定し、必要な医薬品をあらかじめ準備しておく。

  • 医薬品の供給 (Pharmaceutical Supply): 避難者に必要な医薬品を適切な方法で供給する。

  • 医薬品情報の提供 (Pharmaceutical Information): 医薬品の使用方法や保管方法など、必要な情報を避難者に提供する。

これらの活動を通して、学校薬剤師はCSCAPPPの各要素を効果的に実践することで、災害時における避難者の健康を守る重要な役割を果たすことができると考えられる。

災害医療においては、これらの要素を順序立てて進めていくことが重要であり、必ずCSCA→TTTの順序で対応する。これは、安全確保と状況評価を行わずにトリアージや治療を進めてしまうと、医療従事者自身の安全が脅かされたり、誤った判断をしてしまう可能性があるため。

1-3.日本の災害医療体制

日本の災害医療体制は、以下の4つの柱を中心に構成される。

  1. 災害拠点病院: 災害時に、被災地域において、傷病者の受け入れ、医療救護活動の拠点となる病院。阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、24時間緊急対応、多数の傷病者の受け入れ、DMATの保有、BCPの整備、耐震構造、自家発電機の設置、食料・医薬品の備蓄など、様々な要件を満たすことが求められる。

  2. 災害派遣医療チーム(DMAT): 災害急性期に、被災地に派遣され、医療を提供する専門的なトレーニングを受けた医療チーム。1チーム5名前後で構成され、約48時間活動する。被災地において、トリアージ、治療、搬送などを行い、救命率の向上と後遺症の軽減を目指す。

  3. 広域医療搬送: 広域災害が発生した場合、被災地内の医療機関だけでは対応が困難になるため、被災地外に傷病者を搬送する広域医療搬送が行われる。DMATは、広域医療搬送の必要性を判断し、搬送計画の策定、搬送手段の確保などを行う。

  4. 緊急医療情報システム(EMIS): 災害時の医療情報をリアルタイムに共有するためのシステム。被災状況、医療機関の状況、DMATの活動状況などの情報共有を行い、円滑な医療救護活動の支援を目的としている。

1-4. 学校薬剤師と災害医療

学校薬剤師は、災害時に、CSCATTTの原則に基づき行動することが重要である。避難所における公衆衛生、医薬品供給管理、地域住民への健康相談など、重要な役割を担うことが期待されている。平時から、災害医療に関する知識や技能を習得し、関係機関との連携体制を構築しておくことが重要である。

1-5. 避難所における学校薬剤師の役割

学校薬剤師は、災害発生時に学校が避難所となった場合、その専門知識を生かして、避難所の衛生状態を確保するための公衆衛生活動において、指導的な役割を担うことが期待されている。

具体的には、以下のような活動が考えられる。

避難所の衛生管理

  • 避難所の環境衛生検査(換気、採光、照明、水質など)を実施し、感染症の発生・蔓延を防止する。

  • トイレの衛生管理、ゴミ処理の指導を行い、衛生環境の維持に努める。

  • 避難者に対して、手洗い、うがい、咳エチケットなどの感染症予防対策の指導を行う。

健康相談・健康管理

  • 避難者の健康状態の把握、健康相談、服薬指導などを行う。

  • 持病のある避難者に対して、必要な場合は、医師への受診を勧める。

  • 避難生活によるストレスや不安に対処するためのメンタルヘルス対策の支援を行う。

医薬品に関する業務

  • 避難所における医薬品の備蓄状況の確認、必要があれば、医薬品供給の要請を行う。

  • 避難者に対して、医薬品の適正使用に関する指導を行う。

  • 医療機関が被災した場合には、医師の指示のもと、医薬品の供給や調剤を行う場合がある。(薬剤師法第1条の3但し書き第1号)

関係機関との連携

  • 避難所運営者、地元薬剤師会、災害支援薬剤師、行政機関などと連携し、必要な情報共有や支援活動を行う。 特に、災害薬事コーディネーターとは密接に連携し、医薬品の供給体制の確保に努める。

避難所における活動上の留意点

  • 平時からの関係構築: 発災前に、避難所の運営に関わる地域団体や住民と顔の見える関係を構築しておくことが重要である。日頃から、地域住民とコミュニケーションをとり、信頼関係を築いておくことが、災害時の円滑な活動につながる。

  • 関係機関との調整: 避難所では、様々な立場の人々が共同生活を送ることになるため、意見の対立やトラブルが発生する可能性がある。学校薬剤師は、関係機関と連携し、調整役として、問題解決に尽力する必要がある。

学校薬剤師は、これらの活動を通して、避難者の健康と安全を守る重要な役割を担う。

1-6. 関係機関との連携の重要性

災害時において、学校薬剤師は多くの関係機関と連携して活動することが求められる。特に、避難所においては、多様な立場の人々が関わるため、円滑な連携が重要となる。

連携する主な関係機関

  • 学校関係者: 校長先生をはじめとする学校職員、児童生徒、保護者など。

  • 避難者: 避難所の利用者。

  • 地域団体・住民: 地域住民で組織される自治会や自主防災組織など。

  • 行政機関: 市町村の防災担当部署や保健所など。

  • 災害医療関係者: DMATや災害支援薬剤師など。

  • 地元薬剤師会: 災害時における薬剤師の活動支援や情報共有を行う。

  • 医薬品卸業者: 医薬品の供給不足が発生した場合に連携する。

連携の重要性

  • 情報共有: 正確な情報に基づいた迅速な対応を行うためには、関係機関間での情報共有が不可欠である。

  • 役割分担: 限られた資源の中で効率的に活動するためには、それぞれの機関の役割分担を明確にする必要がある。

  • 協調体制: 多様な機関が連携し、協調して活動することで、より効果的な支援活動が可能となる。

  1. 連携を強化するための取り組み

  • 顔の見える関係づくり: 日頃から、地域住民や関係機関と積極的に交流し、信頼関係を築いておくことが重要である。

  • 合同訓練: 災害発生時を想定した合同訓練に参加することで、連携体制の確認や課題の抽出を行うことができる。

  • 情報共有体制の整備: 平時から、情報共有の方法や連絡体制を確認しておくことが重要である。

学校薬剤師は、これらの関係機関と連携し、専門知識を生かして活動することで、避難者の健康と安全を守ることに貢献することができる。

1-7. 災害発生時における学校薬剤師の積極的な公衆衛生活動への参加

学校薬剤師は、災害発生時に学校が避難所となった場合、その専門知識を活かして、公衆衛生活動に積極的に参加し、避難者の健康と安全を守る役割を担うことが期待されている。具体的には、以下のような活動が考えられる。

  • 避難所の環境衛生検査の実施と指導: 普段から学校環境衛生の維持管理に関する指導・助言を行っている経験を活かし、避難所においても、換気、採光、照明、水質などの環境衛生検査を行い、感染症の発生・蔓延を防止するための指導を行う。特に、トイレの衛生管理やゴミ処理の指導は、避難所の衛生環境維持に不可欠である。

  • 感染症予防対策の指導: 避難生活では、集団生活による感染症のリスクが高まる。避難者に対し、手洗い、うがい、咳エチケットなどの基本的な感染症予防対策の重要性を丁寧に指導する必要がある。また、新型コロナウイルス感染症などの新興感染症への備えとして、コロナ禍で培った健康習慣の実践を促すことも重要である。

  • 避難者の健康状態の把握と健康相談: 避難生活の長期化に伴い、避難者の健康状態が悪化するケースも少なくない。避難者の健康状態を把握し、持病の有無、服薬状況、健康上の不安や悩みなどを丁寧に聞き取り、適切な健康相談やアドバイスを行う必要がある。必要に応じて、医師の診察を勧めるなど、健康管理の面からも避難者をサポートする。

  • 医薬品に関する業務: 避難所における医薬品の備蓄状況を把握し、不足している場合は、行政機関や災害薬事コーディネーターと連携して、必要な医薬品の供給要請を行う。また、避難者に対して、医薬品の適正使用に関する指導を行い、副作用や保管方法などを丁寧に説明する。医療機関が被災し、医薬品が入手困難な状況下では、医師の指示のもと、医薬品の供給や調剤を行うことも考えられる。

  • 関係機関との連携: 避難所では、学校関係者、避難者、地域団体、行政機関、医療関係者など、多くの関係機関が関わっている。円滑な活動を行うためには、これらの関係機関と積極的に連携し、情報共有や役割分担を明確にすることが重要である。特に、災害薬事コーディネーターとは、医薬品供給体制の確保において緊密に連携する必要がある。

これらの活動を通して、学校薬剤師は、避難所の衛生環境の確保、感染症の予防、避難者の健康管理、医薬品の適正使用など、多岐にわたる公衆衛生活動に貢献することができる。

1-8.積極的な活動参加のために

  • 平時からの備え: 災害発生時、円滑かつ効果的に活動するためには、平時からの備えが重要である。地域の避難所運営マニュアルを事前に確認し、避難所運営委員会に積極的に参加するなど、地域住民や関係機関と顔の見える関係を築いておくことが大切である。

  • 災害医療に関する知識・技能の習得: 災害医療に関する研修会や訓練に積極的に参加し、CSCATTTなどの基本原則やトリアージ、応急処置などの知識・技能を習得しておくことが重要である。また、災害時の医薬品供給体制や法的な対応についても、事前に理解を深めておく必要がある。

  • 情報収集: 災害発生後は、状況が刻々と変化するため、正確な情報収集が重要。テレビやラジオ、インターネット、行政機関からの情報などをこまめにチェックし、最新の情報を入手するように努めよう。

1-9.学校薬剤師が避難所に携わるための準備と訓練

学校薬剤師が避難所に携わる際に必要な準備と訓練は以下の点が挙げられる。

1. 平時からの準備

  • 顔の見える関係構築: 避難所となる可能性のある学校の地域住民や関係機関と、日頃から積極的に交流し、信頼関係を築いておくことが重要である。

  • 関係機関との連携: 避難所運営に関わる様々な機関(地域団体・住民、学校関係者、行政機関、医療関係者など)との連携体制を事前に構築しておくことが重要である。

  • 避難所の実態把握: 避難所となる学校の施設設備、備蓄状況、避難経路などを事前に確認し、問題点があれば改善を働きかけることが重要である。

  • 情報収集: 災害に関する最新情報、避難所の運営方法、公衆衛生に関する知識などを、日頃から収集しておくことが重要である。

2. 災害発生時のための訓練

  • 避難所運営訓練への参加: 避難所の設営・運営、避難者の誘導、健康管理、衛生管理、食料・物資の配布などの実践的な訓練に参加し、経験を積むことが重要である。

  • 災害医療に関する訓練への参加: トリアージ、応急処置、感染症対策、心のケアなどの訓練に参加し、災害医療に関する知識・技能を習得しておくことが重要である。

  • 医薬品供給訓練への参加: 災害薬事コーディネーターと連携した、医薬品の備蓄状況の確認、医薬品供給要請の手順、医薬品の適正使用に関する指導方法などを学ぶ訓練に参加することが重要である。

  • 関係機関との連携訓練への参加: 行政機関、医療機関、地域団体などと連携した総合的な防災訓練に参加し、情報伝達、役割分担、連携の仕方などを確認することが重要である。

3. 専門知識・技能の向上

  • 公衆衛生に関する知識の習得: 感染症予防、環境衛生、衛生管理、健康教育などの知識を深め、避難所という特殊な環境下において、適切な指導・助言が行えるよう備えておくことが重要である。

  • 災害医療に関する知識の習得: CSCATTTなどの災害医療の基本原則、トリアージ、応急処置、外傷の処置、熱中症対策、心のケアなどの知識を習得しておくことが重要である。

  • 医薬品に関する知識の習得: 災害時の医薬品供給体制、医薬品の適正使用、医薬品の保管方法、医薬品不足時の対応など、医薬品に関する専門知識を身につけておくことが重要である。

4. その他

  • 学校薬剤師の役割の明確化: 災害対策基本法や学校保健安全法などの関連法規を理解し、学校薬剤師として、どのような立場から、どのような活動ができるのかを明確にしておくことが重要である。

  • 心身の健康管理: 災害時には、長時間、精神的な緊張を強いられる状況が続く。普段から、十分な休養と睡眠をとり、心身の健康管理に努め、災害時に備えておくことが重要である。

これらの準備と訓練を通して、学校薬剤師は、災害発生時に、避難所において、住民の健康と安全を守るという重要な役割を効果的に果たすことができる。

1-10.避難所における学校薬剤師の役割

学校薬剤師は、災害発生時に避難所となった学校において、環境衛生の維持、避難者の健康管理、医薬品に関する業務など、専門知識を活かした多岐にわたる役割を担うことが求められる。

1. 環境衛生の維持

  • 学校環境衛生の専門知識を活かし、避難所の環境衛生検査を実施し、感染症の発生・蔓延を防止する。具体的には、教室環境、飲料水、トイレ、ゴミ処理場などの衛生状態をチェックし、問題があれば改善策を提案する。

  • 避難所運営関係者や避難者に対して、手洗い、うがい、咳エチケットなどの感染症予防対策の重要性を丁寧に指導する。

2. 避難者の健康管理

  • 避難者の健康状態を把握し、持病、服薬状況、健康上の不安や悩みなどを丁寧に聞き取り、適切な健康相談やアドバイスを行う。必要に応じて、医師の診察を勧めるなど、健康管理の面から避難者をサポートする。

  • 避難生活の長期化に伴い、メンタルヘルスの悪化が懸念される場合は、心のケアも行う。

3. 医薬品に関する業務

  • 避難所における医薬品の備蓄状況を把握し、不足している場合は、行政機関や災害薬事コーディネーターと連携して、必要な医薬品の供給要請を行う。

  • 避難者に対して、医薬品の適正使用に関する指導を行い、副作用や保管方法などを丁寧に説明する。

  • 医療機関が被災し、医薬品が入手困難な状況下では、医師の指示のもと、医薬品の供給や調剤を行うことも考えられる。

4. 関係機関との連携

  • 避難所では、学校関係者、避難者、地域団体、行政機関、医療関係者など、多くの関係機関が関わっている。円滑な活動を行うためには、これらの関係機関と積極的に連携し、情報共有や役割分担を明確にすることが重要である。特に、災害薬事コーディネーターとは、医薬品供給体制の確保において緊密に連携する必要がある。

5. その他

  • 学校薬剤師は、地域住民であるというアドバンテージを活かし、避難者の不安や悩みに寄り添いながら、きめ細やかな対応を行うことが期待される。

  • 避難所では、教育の場と生活の場の両立、物資の不足、プライバシーの確保など、様々な課題が生じる。これらの課題に対して、関係機関と協力し、柔軟かつ臨機応変な対応をとることが求められる。

これらの役割を効果的に果たすためには、平時からの準備と訓練が不可欠である。具体的には、避難所運営訓練への参加、災害医療に関する知識・技能の習得、関係機関との連携体制の構築などが重要となる。

3. 離島・僻地での学校薬剤師活動について

離島・僻地における学校薬剤師活動には、多くの課題が存在する。

  • 人材確保・待遇: 離島・僻地では学校薬剤師の確保が困難であり、報酬も十分ではないという現状が報告されている。地域によっては薬剤師自体が不足しているため、学校薬剤師の確保が難しいという意見や、船の欠航による検査延期時の補償が難しい状況であるため、待遇面の改善が必要であるという意見が挙げられている。

  • 交通: 離島・僻地では、交通手段が限られており、学校薬剤師が複数の島を巡回する場合には、時間的・経済的な負担が大きいことが示唆されている。天候不良などにより船が欠航した場合、日程調整に数か月かかる場合もあることが報告されている。

  • 執務: 離島・僻地では、学校薬剤師の執務に対する自治体の理解が不十分な場合があり、十分な活動ができない状況が示唆されている。学校薬剤師が1人で担当する学校数が多く、対応できる時間が限られていることや、学校保健委員会が夜間開催となるため出席できないなど、時間的な制約が大きいことが挙げられている。

  • 学校設備: 離島・僻地では、学校設備の老朽化や不足が課題として挙げられており、学校薬剤師からの指導助言を行っても、予算の関係上、改善につながらないケースが多いことが示唆されている。トイレ設備、給排水設備、プール設備に問題がある学校が多いという結果が出ている。

  • 災害時: 離島・僻地では、災害時の避難場所としての学校の老朽化や設備の不足、災害時の対応マニュアルがないなど、災害発生時の備えが十分ではない可能性が示唆されている。また、不要薬品などの廃棄物処理についても、予算化がされないなどの問題が報告されている。

  • 学校給食: 離島・僻地では、天候不良などにより給食の配送が滞ることがあり、その際には食数削減や弁当持参となるなど、児童生徒の栄養面に影響が及ぶ可能性があることが示唆されている。また、学校給食衛生管理への学校薬剤師の関わりが十分ではないという現状が報告されており、外部検査機関の検査結果の確認ができないことや、相談がないことなどが理由として挙げられている。

  • 保健教育: 離島・僻地では、学校保健委員会の開催がされない、あるいはコロナの影響で中断したまま再開されていないなど、学校保健委員会への参加が難しい状況があることが示唆されている。

  • 支援の必要性: 離島・僻地では、国や自治体からの財政支援が十分ではないという現状が報告されており、学校設備の整備や学校薬剤師への報酬、交通費補助などを充実させる必要があることが示唆されている。また、学校薬剤師の確保という観点からも、離島手当などの待遇改善が求められている。

  • 今後の取り組み: 離島・僻地における学校および学校薬剤師の活動支援には、国レベルでのさらなる調査や、地域の実情に合わせたきめ細かい対策が必要であると結論付けられている。

これらのことから、離島・僻地における学校薬剤師活動は、多くの困難に直面している一方で、児童生徒の健康を守る上で非常に重要な役割を担っていることがわかる。

3-1. 九山学薬ブロックにおける学校薬剤師の活動における課題

ソースおよびこれまでの会話履歴に基づいて、九山学薬ブロックにおける学校薬剤師の活動において、以下のような課題が確認された。

  • 学校薬剤師の確保と待遇: 九州・山口ブロックにおける離島・僻地では、学校薬剤師の確保が難しい状況であることが報告されている。これは、地域に薬剤師自体が少ないことに加え、学校薬剤師の報酬が低く、船の欠航による検査延期時の補償が難しいなど、待遇面での課題が大きいことが原因として挙げられている。

  • 交通手段の確保: 離島・僻地では、交通手段が限られているため、学校薬剤師が複数の島を巡回しなければならない場合、時間的・経済的な負担が大きくなる。特に、船移動が中心となる離島では、悪天候による欠航が頻繁に発生し、日程調整に数か月を要することもあるため、円滑な活動の妨げになっている。

  • 執務に対する理解不足: 離島・僻地では、学校薬剤師の執務内容に対する自治体や学校の理解が不十分な場合があり、十分な活動時間を確保できない、必要な検査機器を整備してもらえないなどの問題が発生している。

  • 学校設備の老朽化・不足: 離島・僻地では、学校設備の老朽化や不足が深刻化しており、トイレ設備、給排水設備、プール設備などに問題を抱える学校が多いという現状が報告されている。学校薬剤師が改善を求めても、予算不足を理由に、なかなか対応してもらえないケースが多い。

  • 災害時の備え: 離島・僻地では、災害発生時に学校が避難所として使用される場合が多い。しかし、老朽化が進み、設備が整っていない学校も多く、避難場所としての機能が十分に果たせない可能性がある。また、災害時の対応マニュアルが整備されていない、不要薬品などの廃棄物処理の予算が確保されていないなど、災害への備えが不足しているという現状も明らかになっている。

  • 学校給食: 離島・僻地では、天候不良の影響を受けやすく、給食の配送が困難になるケースが少なくない。その際には、食数を減らしたり、弁当持参に切り替えたりする対応が取られるが、十分な栄養を確保できない可能性も懸念されている。また、外部の検査機関による検査結果の確認や、学校薬剤師への相談体制が整っていないなど、衛生管理体制の不備も指摘されている。

  • 保健教育の実施体制: 離島・僻地では、学校保健委員会が開催されない、あるいは新型コロナウイルス感染症の影響で中断したまま再開されていないなど、十分な活動が行えていないケースが見受けられる。また、薬物乱用防止教育や、医薬品に関する教育などの必要性を感じながらも、学校からの依頼が少なく、十分に活動できていないという現状も報告されている。

これらの課題を解決するために、九山学薬ブロックでは、国や自治体に対して、財政支援の拡充や、学校薬剤師の待遇改善、離島手当の支給などを求めている。

4. 今後の学校薬剤師部会活動の取り組み内容について

今後の学校薬剤師部会活動において、下記7つの項目が重要な取り組みとして挙げられている。

  • 学校環境衛生検査の目的確認と実践

  • コロナ類型変更後の対応と新興感染症への備え

  • 大規模災害時の公衆衛生活動支援

  • 大麻乱用・オーバードーズへの対応

  • サプリメント・経口補水液・熱中症対策

  • 学校で使用できる医療用医薬品への助言

  • 学校保健計画の策定

これらの項目について、詳しく説明する。

4-1. 学校環境衛生検査の目的確認と実践

学校環境衛生検査は、児童生徒が健康で安全に学校生活を送れるよう、学校環境における様々なリスク要因を把握し、改善することを目的としている。

具体的な検査項目は、下記のようなものが挙げられる。

  • 教室等の環境: 換気、保温、採光、照明、騒音など

  • 飲料水等の水質及び施設・設備: 水質検査、給水設備の衛生管理など

  • 学校の清潔、ネズミ、衛生害虫等及び教室等の備品: トイレの衛生状態、害虫駆除、備品の消毒など

  • 水泳プール: 水質検査、プールの衛生管理など

これらの検査結果に基づき、問題点があれば改善策を検討し、学校側に指導・助言を行うことが重要となる。

4-2. コロナ類型変更後の対応と新興感染症への備え

新型コロナウイルス感染症の類型変更後も、学校においては、感染状況に応じた臨機応変な対応が求められる。

具体的には、下記のような取り組みが考えられる。

  • 丁寧な情報発信: 最新の感染状況や感染対策に関する情報を、児童生徒や保護者に対して分かりやすく発信する。

  • 感染症対策の継続: マスクの着用、手洗い、消毒、換気など、基本的な感染症対策を継続する。

  • コロナで培った健康習慣の実践: 毎日の検温、健康観察、適切な睡眠、バランスの取れた食事など、コロナ禍で身につけた健康習慣を継続することで、感染症への抵抗力を高める。

また、新型コロナウイルス感染症だけでなく、今後新たな感染症が発生する可能性もある。そのため、学校薬剤師は、常に最新の情報を収集し、新興感染症に対する知識を深めておくことが重要である。

4-3. 大規模災害時の公衆衛生活動支援

大規模災害発生時、学校は地域住民の避難所となることが想定される。その際、学校薬剤師は、避難所の衛生状態を確保するための公衆衛生活動に積極的に参加し、指導的な役割を果たすことが求められる。

具体的な活動内容は、下記のようなものが挙げられる。

  • 避難所の衛生管理: トイレの衛生管理、ゴミ処理、水質検査などを行い、感染症の発生を予防する。

  • 健康相談: 避難者の健康状態の確認、持病の管理、メンタルヘルスサポートなどを行う。

  • 医薬品に関する情報提供: 医薬品の適切な使用、保管方法などに関する情報を提供する。

また、災害時には、地域住民だけでなく、児童生徒や教職員の安全確保も重要となる。そのため、学校薬剤師は、災害発生時における学校の役割や、自身の役割について、事前に学校関係者と共通認識を持つことが重要である。

4-4. 大麻乱用・オーバードーズへの対応

近年、若年層における大麻乱用が深刻化しており、学校薬剤師もこの問題に積極的に取り組む必要がある。

具体的には、下記のような活動が考えられる。

  • 大麻に関する正しい知識の普及: 児童生徒に対して、大麻の有害性や、使用による心身への影響について、科学的根拠に基づいた正しい情報を提供する。

  • 薬物乱用防止教育: 薬物乱用の危険性、断り方、相談窓口などを、児童生徒に分かりやすく伝える。

  • 保護者への啓発: 大麻に関する正しい知識を保護者に提供し、家庭における薬物乱用防止の重要性を啓発する。

また、オーバードーズは、薬物の過剰摂取によって引き起こされる危険な状態で、命に関わることもある。学校薬剤師は、オーバードーズの危険性や、予防策についても、児童生徒や保護者に周知する必要がある。

4-5. サプリメント・経口補水液・熱中症対策

資料からは、サプリメントや経口補水液、熱中症対策に特化した情報は読み取れなかった。 しかし、これらの項目は、児童生徒の健康管理において非常に重要である。

  • サプリメント: 成長期の児童生徒にとって、栄養バランスの取れた食事が重要であるが、偏食や少食などの理由で、十分な栄養を摂取できない場合がある。そのような場合は、サプリメントの利用も検討されるが、その際には、学校薬剤師が適切なアドバイスを行うことが求められる。

  • 経口補水液: 運動時や夏季の暑さなどで、汗を大量にかくことで、体内の水分や電解質が失われ、脱水症状を引き起こすことがある。経口補水液は、脱水症状の予防や改善に効果的であるが、適切な使用方法や、摂取量などを、児童生徒や保護者に伝えることが重要である。

  • 熱中症対策: 近年、地球温暖化の影響もあり、夏季の気温が上昇傾向にあり、熱中症のリスクが高まっている。学校薬剤師は、熱中症の予防策や、症状が出た場合の対処法などについて、児童生徒や教職員に周知する必要がある。

4-6. 学校で使用できる医療用医薬品への助言

学校では、怪我や急病に対応するために、いくつかの医薬品を備蓄している場合がある。学校薬剤師は、学校保健安全法に基づき、これらの医薬品の適正な管理や使用方法について、学校側に助言を行う必要がある。

具体的には、下記のような点について、助言を行う。

  • 医薬品の保管方法: 医薬品の品質を保持するため、適切な温度や湿度で保管されているかを確認する。

  • 使用期限の確認: 使用期限切れの医薬品がないかを確認し、期限が切れた場合は速やかに廃棄するよう指導する。

  • 医薬品の種類と量の確認: 学校の規模や、児童生徒の健康状態などを考慮し、必要かつ十分な種類の医薬品が、適切な量で備蓄されているかを確認する。

  • 使用方法の確認: 医薬品の使用方法について、教職員に正しい知識を共有する。

4-7. 学校保健計画の策定

学校保健計画は、学校保健安全法に基づき、児童生徒の健康の保持増進を図るため、学校において策定される計画である。学校薬剤師は、学校保健計画の策定にも積極的に関与し、専門的な立場から助言を行うことが求められる。

具体的には、下記のような事項について、助言を行う。

  • 健康診断の実施: 健康診断の実施時期や項目、結果の分析方法などについて助言する。

  • 健康教育の実施: 健康教育の実施時期や内容、対象学年などについて助言する。

  • 保健指導の実施: 保健指導の必要性や内容、対象となる児童生徒などについて助言する。

  • 環境衛生の維持及び改善: 学校環境衛生の現状と課題を把握し、改善策について助言する。

これらの活動を通して、学校薬剤師は、児童生徒の健康を守るために、重要な役割を担っている。

5. 災害と学校薬剤師及び学校薬剤師の偏在について

災害時の学校薬剤師の役割:大規模災害時において、学校は地域住民の避難所としての役割を担うことが想定されている。その際、学校薬剤師は、避難所の衛生状態を確保するための公衆衛生活動に積極的に参加し、指導的な役割を果たすことが求められている。

具体的な活動内容としては、下記のようなものが挙げられている。

  • 避難所の衛生管理(トイレの衛生管理、ゴミ処理、水質検査などを行い、感染症の発生を予防する)

  • 健康相談(避難者の健康状態の確認、持病の管理、メンタルヘルスサポートなどを行う)

  • 医薬品に関する情報提供(医薬品の適切な使用、保管方法などに関する情報を提供する)

学校薬剤師は地域住民であるという強み

学校薬剤師は、地域住民の一員として、日頃から地域住民との信頼関係を築いていることが期待される。この信頼関係は、災害時において、円滑な避難所運営や、地域住民へのきめ細やかな対応を行う上で、大きな強みとなると考えられる。

避難所では、様々な立場の人々が共同生活を送るため、意見の対立やトラブルが発生しやすい状況である。教育の場としての学校と、生活の場としての避難所という、異なる立場からの利害調整の難しさについても言及されている。

災害時における課題:「災害時に学校薬剤師が何をすべきか?」という問いに対し、「発災前から、平時から「顔の見える関係」を構築できる(信頼関係(ラポール)構築、「お前、誰?」回避)」ことが重要であると述べている。また、「避難所含め、学校施設利用に関する協議に参加できる」ことの重要性も指摘されている。

さらに、「発災時」には、「避難所運営、学校再開の主体となり得る」こと、「発災後」には、「長期的に住民、児童の健康に携われる」「社会貢献活動→地元住民の信頼が増す」ことが期待されると述べられている。

これらのことから、災害時における学校薬剤師の役割は、多岐にわたり、平時からの準備と関係機関との連携が重要であることがわかる。

学校薬剤師の偏在について

学校薬剤師が全国的に均等に配置されているわけではない。特に、離島や僻地などでは、学校薬剤師の確保が困難な場合もある。 「学校薬剤師の偏在」は、災害時における公衆衛生体制の構築に影響を与える可能性があり、地域の実情に応じた対策が必要となる。

6. 考察

繰り返しになるが今回の研修で重要なポイントは以下の2点。また避難所においては、指導するのはNG!。「お前、誰?(何様?)」となる。支援・協働するということを意識する。

  • 事前に災害時の役割を具体的に決め、体制整備、準備、訓練などをしておくこと。

  • 普段から避難所となる可能性のある場所に関わり、関係者と顔の見える関係を構築しておくこと。

6-1. なぜ学校薬剤師が災害時に必要とされるのか?

学校薬剤師は、災害時に特に重要な役割を果たす。学校が避難所として利用される場合、彼らの専門知識が公衆衛生管理や薬の管理において不可欠となる。

  1. 公衆衛生と衛生管理
    学校が避難所になる場合、密集した避難者の間で感染症が発生しないように、衛生環境を維持することが非常に重要である。学校薬剤師は、避難所内の水質、空気の換気、照明、トイレの衛生、ゴミ処理などを管理し、感染症の蔓延を防ぐ役割を担う。

  2. 薬の管理と健康支援
    避難所では、多くの避難者が持病を抱えている可能性があり、薬の適切な管理と供給が求められる。学校薬剤師は、必要な医薬品の確保や、薬の適切な使用方法について指導し、薬の不足が起きた際には供給を調整する。

  3. 健康相談とメンタルヘルスサポート
    避難者の健康状態を把握し、体調不良や持病の管理について相談に応じる。また、災害時のストレスや不安からくる精神的な健康問題にも対応し、必要に応じて適切な支援を行う。

  4. 感染症予防
    避難所は集団生活の場であるため、感染症が広がりやすい環境である。学校薬剤師は、避難者に対して手洗いや消毒、マスクの着用など、感染症対策についての指導を行い、感染の予防に努める。

  5. 災害時の調整役
    学校薬剤師は、地域の行政機関や医療機関、薬剤師会、災害対応チーム(DMAT)などとの連携を通じて、避難所内での医療体制を整えるための調整役を果たす。

6-2. 学校薬剤師が効果的に対応するための準備と行動

  1. 事前の関係構築とネットワーク作り
    平時から地域の自治体、医療機関、学校関係者と連携を強化し、災害時に円滑な対応ができるように準備することが必要である。また、避難所運営マニュアルの作成や、避難所での役割分担について関係者と共通の認識を持っておくことが重要である。

  2. 災害医療と公衆衛生に関する知識の習得
    学校薬剤師は、災害医療に関する研修を受け、災害対応の基本原則(CSCATTT:指揮・安全・情報伝達・状況評価・トリアージ・治療・搬送)や、日本の災害医療体制(DMAT、災害拠点病院など)についての知識を身につける必要がある。また、定期的に防災訓練に参加し、実際の災害時の対応力を養うことが求められる。

  3. 医薬品や物資の備蓄 学校薬剤師は、避難所として利用される可能性のある学校に医薬品や必要な物資が十分に備蓄されているかを確認し、不足があれば事前に補充することが重要である。また、災害時にどのように薬を管理・供給するかの体制を整えておくことが求められる。

  4. 避難所での衛生指導と健康教育
    避難所では、避難者に対して公衆衛生や感染症予防についての指導を行う。例えば、手洗いやマスクの使用、咳エチケットなどの基本的な感染予防策を実践するよう指導し、避難者の健康を守ることが重要である。

  5. 災害後の健康モニタリング
    災害後も、避難者の健康状態を継続的にモニタリングし、特に持病のある人や薬を服用している人の健康管理をサポートする。長期的に避難者の健康を守るための体制を整えることが重要である。

これらの行動と準備を通して、学校薬剤師は、災害時に地域住民や避難者の健康と安全を守る上で、不可欠な存在となる。平時からの準備や訓練をしっかりと行い、災害時に効果的に対応できるよう備えておくことが大切である。


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キユシト
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