【AI要約】令和7年度薬価改定、国民負担軽減とイノベーション推進の両立目指す
中央社会保険医療協議会 薬価専門部会(第232回)議事次第をNotebookLMで要約しました。
厚生労働省は、令和7年度の薬価改定について、その詳細を発表しました。今回の改定は、国民の医療費負担を軽減しつつ、革新的な医薬品の開発を促進することを目的としています。令和6年の薬価調査結果に基づき、平均乖離率を基準とした新たな改定対象範囲の設定や、医薬品の安定供給に向けた対策が盛り込まれています。
改定の背景
今回の薬価改定は、経済財政運営と改革の基本方針2024(骨太方針2024)に基づき、2025年度の薬価改定のあり方を検討する中で行われます。現役世代の保険料負担が増加している現状を踏まえ、過去の薬価改定の慣例に固執せず、必要な対応を行うことが求められています。
改定のポイント
改定対象範囲の明確化:
平均乖離率5.2%を基準とし、医薬品の種類に応じて改定対象範囲が設定されます。
新薬(新薬創出等加算対象品目)と後発医薬品は、平均乖離率の1.0倍(5.2%)を超える品目が対象です。
新薬(新薬創出等加算対象外品目)は、平均乖離率の0.75倍(3.9%)を超える品目が対象です。
長期収載品は、平均乖離率の0.5倍(2.6%)を超える品目が対象となります。
その他医薬品も平均乖離率の1.0倍(5.2%)を超える品目が対象です。
算定ルールの見直し:
基礎的医薬品:医療上の必要性が高く、安定供給が求められる医薬品については、最低薬価を引き上げた上で適用されます。
最低薬価:全ての医薬品について、薬価の下限値である最低薬価が引き上げられます。
不採算品再算定:安定供給が特に求められる医薬品に対して、製造コストなどを考慮し、臨時の再算定を行います。
新薬創出等加算:新薬のイノベーションを促進するため、追加承認品目等に対して加算を臨時的に実施しますが、累積額については今回の改定で控除されます。
後発品価格帯:後発医薬品の価格帯を集約し、安定供給を促進します。
外国平均価格調整:海外価格を参考に、一定の条件を満たす医薬品の薬価を調整します。
薬価改定時の加算:小児や希少疾病に関する効能が追加された医薬品に対して、薬価を加算します。
医薬品の安定供給確保:
安定確保医薬品:国民の生命を守るために必要な医薬品を安定供給するため、特に配慮が必要な医薬品を「安定確保医薬品」として選定し、供給体制の強化を図ります。
安定確保医薬品は、A、B、Cの3つのカテゴリーに分類され、カテゴリーAは特に優先度の高い医薬品です。
後発品の企業評価:後発医薬品の安定供給体制を評価するため、企業指標を導入します。
企業の評価結果を基に、A、B、Cの3つの区分に分類し、A区分企業の後発品には、価格帯集約の特例を適用します。
薬価制度改革の推進:
PDCAサイクルの重視:薬価制度の抜本改革に向けて、PDCAサイクルを重視し、制度の見直しを継続的に行います。
年4回の薬価見直し:新薬の市場拡大に迅速に対応するため、薬価見直しの頻度を増やします。
毎年の薬価調査:市場実勢価格を適時に薬価に反映させるため、毎年の薬価調査を実施します。
その他の重要事項:
平均乖離率:令和6年度の薬価調査では、平均乖離率が5.2%となっています。
後発医薬品のシェア:数量ベースで約85.0%、金額ベースで約62.1%と、後発医薬品の利用が進んでいます。
物価上昇と賃上げ:原材料費の高騰やインフレ、賃上げの動向も考慮し、薬価制度に反映させる必要があります。
ドラッグ・ラグ/ロス:革新的な新薬の迅速な導入と評価が重要です。
今後のスケジュール
令和6年度中に、全ての評価指標について評価方法を策定し、企業評価を実施します。
令和8年度の薬価改定以降、企業の評価結果(A、B、C区分)を公表する予定です。
専門家の見解
専門家からは、今回の薬価改定について、国民負担の軽減と医薬品イノベーションの推進を両立させるための重要な一歩であるとの評価がある一方、安定供給体制の強化や後発医薬品の少量多品目構造の解消など、さらなる課題への取り組みが必要であるとの意見も出ています。
まとめ
令和7年度の薬価改定は、国民皆保険制度の持続可能性と医療の質の向上を両立させるための重要な取り組みです。今回の改定により、国民の医療費負担が軽減され、より良い医療が提供されることが期待されます。今後の動向に注目が集まります。