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【37週】時を超えたピンクのペンギンと、いつ産まれてもいい臨月のブルー

だメンタルだわ、と、たのしく義理の両親とビデオ通話した後に涙が止まらなくなってしまって慌てながら思う。2歳半の娘も夫もいるのに泣いてしまった。母の病状(発話がない、意識レベルが低い、抗がん剤に進める体力がまだない)を伝えて、産後のヘルプ体制について質問されて答えながらじわじわと不安が押し寄せ、義母がぽろりと私が出動するなら…と言っていて「え、お願いできたんですか…?」とぐらりと揺れる。東京の伯母や妹に頼れるなら心強いねという言葉と共に、もやもやとしたものが喉に詰まってくる、こんにちは不安。ナントカナル、ナントカスルの暗示が解けかけて慌てる。

とりあえず産まれたら報告して、産後1週間くらいしたらベビーに会いに来てくれるらしい。家、汚かったら、そしてそれどころではなかったらごめんなさい、と、思う。(掃除しなくては)
義理の両親のことはとても好きだし、絨毛膜下血腫で絶対安静のとき義母には1ヶ月お世話になったりしてあたまが上がらないのだが、その1ヶ月でやはり年齢的にも疲れてしまったとのことで産後は早めの段階で手伝いに来てもらう件はお断りされていて(ちゃんとはっきり言ってくれるところがありがたい)だから、なんだか、心配かけたくなくて大丈夫と気丈に振る舞おうという私がいた。

あれ、私誰にも弱音吐けないのでは?

ぐぅ。

そして産まれそう、産まれたよ、って報告をする時、母の電話は繋がるのだろうか。生まれたこと、伝わるだろうか。娘の時に母が持ってきてくれた私が生まれた時から丁寧に保管されていた31年物のセレモニードレスやお宮参りのときの着物って実家に一回帰った時に一緒に置いてきたんだっけ(里帰りするか、助けに来てもらうかだろうと胡座をかいていた)どこにあるんだろう。母には聞けない(答えられない)迷宮入りである。
ああ、陣痛バック作ってないや。計画麻酔分娩だから1〜2日前には入院の日取りわかるしとたかを括っていたけれど、うっかりGW中にきちゃったらそのまま自然分娩になるもんな、準備何にもしてないな。

寝室準備、ベビーベッドやバウンサーは「入院中にやっとくよ」という夫の言葉を信じてまだ何もしてないけれど、布団とかカバーとか洗濯しといた方がいいよなあ。あ、UNIQLOで数枚新調した肌着たちは水通ししなくっちゃいけない。哺乳瓶あったっけ。(このレベルで大丈夫なのだろうか)そうか、産後、家、人くるのか、片付けなきゃ。

身体が重くてなかなか動かない。
ただでさえ家事(特に掃除)スキル低い私、えいやっと頑張る気力がでない。いろんな言い訳をしつつ、昨日までの数日で駆け込みゴールデンカムイ完走しました眠たい。


明日は唯一の頼みの綱である東京の伯母に誘われて家族でBBQにいく。1時間半ほどかかるところでちょっぴり遠い、というのが、不安になるくらいには身体が重くてお股が痛くてHPが低い(そして準備ができていない)といろんな事がよぎりつつ、行ったら絶対に楽しいのだ、知ってる。臨月だし、動いてなんぼだろう。明日だけはうっかり陣痛きませんように…と願う。

1時間半の移動できるなら、新幹線で母の病院にお見舞いに行くこともできただろうか。コロナや妊婦であることを理由に「ここでいったら負け」という謎の我慢大会、私はこっちで無事に産むんだ、という謎の、圧をかけていたけれど、行っちゃってもよかったのかな。そもそも会えるかわからないけれど。(妊婦は放射線治療した人と接触だめと言われた)

6月ごろ、会えるのだろうか。
母に、はやく息子を抱かせてあげたい。
産後1ヶ月たったら、何がなんでも行く。


そう思いつつ、不安が迫り上げてくる。
ぐぇ。



寝かしつけ、今日はママがいいのと言い張る2歳半の娘。きっと泣いてた私を心配してるんだというのが伝わる。寝る前にぽつぽつと話す。「ちあき、こわかったの」と言うのでどうして?と問うと「パパと約束したの」という。理由はうまく言葉にならない様子で、でも「ママにあえて、よかった」というので、ぎゅうっと抱きしめる。ママも、ママもだよ。あなたに会えてよかった。不安にさせてごめんね。ママね、ママのお母さんのことが心配なの。あなたのために元気でいたい。
産後のマタニティブルーの深淵に怯えているが、それが如何程か、夫にうまく伝えられないでいる。産後1ヶ月、とりあえず、生き延びなくては。いろんな人の手を借りて、生きねば。

「会えてよかった」ときっとなる、新しい命がお腹の中でぐいんっと私を蹴っ飛ばす。わかったよ、元気出すよ、ママがんばるよ。一緒に頑張ろう。はやくあいたいな。


母が、元気だった頃(絶対安静で手伝いに来てくれていた時期)娘に水族館でピンクのペンギンのぬいぐるみを買ってきた。あまいなあ、私だったらピンク選ばないなと思って最初めんくらったが、今では娘のお気に入りのぬいぐるみとなっている。

今朝、娘が私の幼少期のアルバムを開いてきて(時々みている)私もピンクのペンギンのぬいぐるみを持っていた、ということが発覚して驚く。

ピンクのペンギン。
お母さん、元気になりますように。

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