【防犯カメラ】Wi-Fi、有線LAN、クラウド、NVR…それぞれのメリットと留意事項
防犯カメラ・監視カメラの需要が年々増加し、私の会社にもたくさんのお問い合わせを頂いております。
以前は数十万以上かかっていた防犯カメラ(録画)一式の費用も下がり、大変導入しやすくなりました。
これまで主流だったアナログ防犯カメラを現在もご利用されているお客様も多いですが、最近は新規設置や交換の際はLANを利用した電源不要のPoE対応防犯カメラが導入費用も安く主流となっています。
加えてここ数年は、簡単設置可能と謳われているWi-Fiカメラや、録画機器設置不要のクラウド録画など、多種多様なカメラやシステムが存在します。
誰でも簡単に設置できる
設定不要ですぐ使える
激安カメラ
…ちょっとお待ちください!
簡単そうで安い物をネットで購入してみたら、「カメラを購入したり契約したけど、どうしていいかわからない」「別途機器や複雑な設定が必要だった」「思った以上に費用がかかってしまった」「海外製の激安カメラをネットで購入したが設定がうまくできず動作しない」など問い合わせを頂くケースが非常に増えています。
お客様ご自身で契約・購入したサービスや物について後からの工事や設定は、当社に限らずどこの業者でも通常料金より高い費用がかかります。
導入前に一度、カメラや録画方式のメリットや必要機器を考慮し検討して欲しいです。
大きく分けて、ネットワークカメラはPoE対応IPカメラとWi-Fiカメラの二種類あります。
録画システムはクラウド録画とNVR(現地設置)の二種類です。
それぞれ長所があるので使用目的や予算によってベストな選択が異なってきますが、あくまで私の私見でそれぞれのメリットと注意点をまとめてみました。
ネットワークカメラの種類
PoE対応IPカメラ
有線LANケーブルで接続するネットワークカメラです。
✅メリット
通信が安定(=録画も安定)
PoEなので電源工事不要(カメラ近くに電源不要)
障害時の切り分けが容易
ほぼご希望の位置に設置可能
✅別途必要・留意事項
PoE HUB※カメラへの電源供給用
LAN工事※カメラ~PoE HUB間
Wi-Fiカメラ
Wi-Fi(無線LAN)で接続するネットワークカメラです。
✅メリット
設置が簡単(置くだけ)
カメラのLAN工事が不要
✅別途必要・留意事項
電源コンセント(カメラ設置場所に電源が必要な為、天井や壁など高い位置に設置する場合は別途電気工事が必要です)
通信が不安定(=録画も不安定)
障害時の切り分けが有線LANに比べ複雑(無線LANやルーターの知識が必須)
PCやスマホなど他のWi-Fi端末のインターネット速度に影響が出やすい
録画方法の種類
NVR(レコーダー録画)
店舗や事務所にレコーダー機器を設置(オンプレミス)する方式です。
✅メリット
インターネット障害時も録画が持続
機器購入の為、長く使えば使うほどコストパフォーマンスが良くなり割安となる
スケジュール録画設定する事で、何らかの理由で録画が一時的にできない状態となっても障害復旧時に自動的に録画が再開されます
LAN内での録画の為インターネット回線に負荷がかからない、PCなど他の端末のインターネット速度への影響が少ない
✅別途必要・留意事項
機器購入の為、クラウドに比べ初期費用がかかる
機器故障の場合は機器交換が必要
クラウド録画
クラウド(インターネット上のサーバー)に録画する方式です。
✅メリット
初期費用が割安
機器はクラウド側にあるので現地では機器故障の心配が無い・故障時も機器交換不要
好きな時にやめれる(※利用サービスや業者によって最低利用期間や解約金がかかる場合があります)
✅別途必要・留意事項
インターネット障害時は録画されない
月額料金が固定なので、長く使えば使うほどコストパフォーマンスが悪くなり割高になる
クラウド側で障害(機器や通信環境)発生時は録画されない(※クラウド側復旧までは何もできずただ待っているしかありません)
常にインターネットを介して録画している為インターネット回線に負荷がかかる、PCなど他の端末のインターネット利用に影響が出る
常にインターネットを介して録画している為ルーターに常時負荷がかかり、特に一般家庭用ルーター(おおよそ3万円以内)を使っている際は頻繁にフリーズしたりインターネットが利用できなくなる現象が発生しやすい
まとめ
録画の重要度が高い業務利用の場合は、有線LANによるPoE対応IPカメラがオススメ
録画の重要度が低い(録画されていなくてもさほど問題がない)一般家庭で利用の場合は、Wi-FiカメラでOK
利用想定が一年未満、長くても一年半未満の場合はクラウド録画がコストパフォーマンス良
利用想定が一年半以上の場合はレコーダー機器設置(オンプレミス)がコストパフォーマンス良
カメラ設置場所にインターネットを利用する業務利用端末(PCなど)が3台以上ある場合はレコーダー機器設置(オンプレミス)が良好
カメラ設置場所にインターネットを利用する業務利用端末(PCなど)が2台以下の場合はクラウド録画で可
※インターネットを利用する業務利用端末はPCの他にスマートフォンやタブレット、POSレジやクレジットカード決済端末を含みます
結論
オフィスや店舗などの業務利用で、他の端末もインターネットへ接続している場合は有線LAN接続のPoE対応IPカメラ+NVR(録画レコーダー機器)設置がオススメです!
個人宅や個人利用の場合はコンセントに電源を差し込むだけのWi-Fiカメラが費用的に良いと思います。