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「アーモンド」 ソン・ウォンピョン(矢島暁子 訳)
YouTubeを見ていて、ある著名人が紹介していた本。
いくつか紹介されたのですが、この本が妙に気になり購入しました。著者が外国の小説は、たぶんはじめて。
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この本は、言葉では言い尽くせない「とにかく読んでみて!」と言いたくなる本でした。もし私が、紹介されていたYouTubeを見ていなかったら、手に取ることもなかったかもしれません。
最後の”あとがき”まで、読んでほしいなと思いました。
「アーモンド」とはなんだろう?
この本は、こんな序章からはじまります。
僕には、アーモンドがある。
あなたにもある。
(省略)
〜 それが悲劇なのか喜劇なのかは、あなたにも僕にも、誰にも永遠にわからないことだから。
このプロローグからワクワクしました。そして、第一部の一行目。
私は、完全にこの本にロックオンされました。
幼い頃から無表情だった少年。
少年は、扁桃体(アーモンド)が小さいことが原因で、”感情”というものがわかりません。怒り、悲しみが、どういうものか理解できないのです。周りの人たちも「あの子は変な子だ」と噂します。
少年には、お母さんとおばあちゃんがいました。
お母さんは、少年が生きやすくなるように「喜怒哀楽」を自己流の方法で叩き込みます。少年も、言われた通りにやってみますが、正直よくわかりません。
おばあちゃんは、「かわいい怪物」だと、とても可愛がってくれました。
それなりに楽しい生活を送っていた少年に、衝撃的なできごとが起こります。最初は6歳の時、次に15歳の時に…。
”感情”がわからない少年は、いろんな人に出会い、別れを経験します。そして、奇跡が起きます。
この本を読んで感動したあとに、少し考えさせられた作品でした。個人的には、終盤の「僕はそんなふうに生きたくはなかった」という一文。グッときました( ˃ ˄ ˂̥̥ )
いい本に出会うと、読書欲が止まらなりますね。次は何を読もうか…。