映画「ステップ」は今こそ観るべき
ふとテレビをつけたら、甲子園球場で行われる高校野球交流試合が行われていた。選抜に選ばれていた高校が1試合だけする大会で、甲子園を目指していた球児にとってはうれいし大会かもしれない。
といっても日本の高校野球の醍醐味の一つは大観衆や応援歌の中でのプレーなのでそれがないのが少し寂しい。甲子園に行けなくても応援歌で名前を呼ばれたことがある身としては、欠かせないものなのだ。
ここ数日はまさに痛いくらいの暑さ。この環境でオリンピックが行われていたらどうだっただろうかと考えてしまう。
夕方くらいになれば涼しくなるだろうと思い、レイトショーを観に行くことにした。
山田孝之さん主演「ステップ」
母親を早くに亡くした、シングルファザーとその家族の話。
生きていくこと自体がドラマ。
女の子の子供を保育園に届けて仕事に行き、フレックス勤務で早めに退社して子供を迎えにいく。
今の自分には想像できないくらいそれは過酷そうで。一日生き抜くことが戦いだった。自然と観ながら、労いの言葉をかけてあげたいとか、晩酌のお酒を注いであげたいとか、そんなことを考えていた。
義理の家族にも支えられ、一日を生きていく。
子供が小学生の時に訪れる、再婚の話も、簡単に家族になれるものでもない、子供にしかわからない気持ち。
どれも自分が育ってきた環境ではないのに、なぜこんなに共鳴するのだろう。
幼い子供の母親のいない生活とはどんな気持ちなのか。想像しても難しい。大人になってからとはまるで違う感情があるんだろう。
タイトル通り step by step だった。
主題歌の秦基博「在る」もこの映画を観ようと思った理由。先に曲を知っていて、この映画でどんな意味を持つのか知りたかった。結果、想像していたよりももっと言葉が血肉や愛情を帯びていた。
音楽も音だけじゃない、楽しみというか要素というか、いろんな角度から味わい深いものを作り出していた。
今だからこそ観るべきと言っても過言ではないと思う。なにかと煮詰まってしまうときだから時間作って観に行ってみてください。どんな環境の人でも自分の生活を振り返れる時間になると思います。