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砂場の創造主

誰にでもその人にしかできないことがある。
スポーツができる人、勉強ができる人、楽器ができる人。だが私は更にその上をいく!何故なら私はこの街の創造主、つまりすべての母である。

私はなんだってできる。道具ひとつで誰もみたことがないような美しい絵を描く。地形を動かして山を作ることもできる。この腕を一振りすればその山にトンネルを通すこともできる。

となりはどうだ。みたことがない特殊な道具を使っているにもかかわらず、小さなこぶのような山に、謎の水溜り、生命のいぶきを感じない人型の塊。何故あのような愚行ができるのか、あれだけ道具を使っておいてその程度とは。この神聖な地を荒らさないで欲しいと憤った。この肌触り、想像を掻き立てる空間、それらは私の全てだ。

無性に腹が立ち、未熟な地形を作り出した道具を奪った。私はなんだってできる。この場の母は私で絶対なのだ。

突然頭に衝撃が走る。私はこの痛みを知っている。才能のあるものには苦悩がつきものらしい。
いつもの台詞が脳内なら届くのだ。
「人のものとっちゃだめって、何回も言ったでしょ!」
母には誰も勝てないのだ。

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