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Akito_Kasahara
2021年6月15日 22:25
勉強も運動も苦手だった。運動会の徒競走では一番最後だし、テストでは毎回お母さんに怒られるかひやひやすることばかりだった。学校の帰り道、目の前にはクラスに人気者の男の子がいた。彼は運動も勉強もできる僕とは正反対の人。夕方の日差しが強い日、彼の後ろには細く、長く、それでいて大きく見える影が伸びていた。僕はなんともなしに彼の影を踏んだ。すると、彼はそのまま歩いているのに、影だけは僕に踏まれた