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Akito_Kasahara
2021年5月16日 22:06
暗鬱な空、彩りがない空気。この街は僕が生まれた時からそうだった。車の排気ガスか、工場の汚染物質か、この街の空は元からそうだったのか、僕にはわからなかった。学校の帰り道、右頬に何かがかすかに触れた。雨だ。今日は天気予報では雨が降るとは言っていなかった。ふと右ほほを触ると、指が緑色になっていた。空を見上げた。すると空から色とりどりの雨が降っていた。雨は透明なものしか見たことがない。しか