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クリスマス発表会
「あー、うちの子やっぱり一番可愛いわぁ♡仕事滅茶苦茶ハードだったけど、衣装も頑張った甲斐があったよね!」
今日は、一人娘のまどか(3)の通う保育園のクリスマスのお遊戯発表会に夫の一真(34)と参加している。
コロナ禍が終了したとはいえ、まだ祖父母などは参加が出来ず、保護者参加は2人までとなっている。
夫は隣で、『絶対ちゃんと撮ってきてよ!』と昨晩も念押しの電話があった義父母に、正月休みに帰省した際に、観せる為のビデオ撮影をしている。
夫婦で同じ大手文具メーカーに勤務していて、私は商品企画部、夫は営業なので、育休も欲しかったが、産休が明けてすぐ今の保育園になんとか入園出来た。
1、2歳の時は、ステージで歩き回ったり、先生と一緒になんとなく踊っているような感じだったけど、3歳にもなると、ある程度ちゃんと踊れているから、人間の成長て素晴らしいなとしみじみ思う。
担任の結ちゃん先生(26)、ご指導ありがとうございました!!
流行りのアイドルアニメの主題歌にのせて踊るまどかは、親バカフィルターを外しても、本当に可愛い。
これは義父母も喜ぶだろうと、満足げに微笑みながら、娘に手を振った。
3歳からは2つ演目があるので、次は━━━と、きらきら星だ。
手に星の飾りをはめて、表裏を交互に見せながら、
「きらきらひかるーおそらのほしよー」
と、歌い出した。
【発表会の衣装のお願い】のおたよりと一緒にあった、白い布地と黄色いフェルトを星形にした数枚を、繁忙期の仕事から帰宅して、家事をこなし、まどかを寝かしつけてから、夜な夜な作ったワンピースに、フェルトの星と、キラキラが好きな娘の為に、星形のスパンコールもいくつか縫い付けた。
「うん、やっぱり寝不足と頭痛いの我慢して頑張った甲斐があったよね、キラキラして可愛いよ、まどか♡」
ニコニコと微笑みながら歌い、ダンスを踊るまどかは、さながら星の妖精だ。
曲が終わって、みんな揃ってペコッとおじぎをして、3歳の部は終了した。
観覧席は入れ換え制なので、廊下に出て、しばし待っていると、一緒に帰れるはずだよなと待っていると、結ちゃん先生と服を着替えたまどかが手を繋いでやってきた。
「パパ~!まどかどうだった?じょうずにできてた?」
夫に向かって走ってきたまどかを、優しく抱き上げて、
「そうだな、ママも上手だったよって褒めてくれると思うよ。」
んん?
私、隣にいますけど?
「ママ、おほしさまになったんだよね、まとかのワンピースのこのおほしさまのなかにいるかな?」
え、なに言ってるの?だからママ、ここにいるじゃん!!
「夜空のお星さまだからなあ、この中にはいないかもなあ。」
「でも、ゆいちゃんせんせいがまとかのママになってくれるって、パバホント?」
夫が回りを慌てて見回して、バツの悪そうな顔をした。
「シー、まだ他のお友達には話しちゃダメだよ、先生とまどかちゃんとの2人のヒミツだからね♪」
口の前に人差し指を立てて、いつもの優しい笑顔を浮かべてまとかに囁く結ちゃん先生。
え……
えええ??!
わ、私……し、死んだの?!
結ちゃん先生が新しいママとか、ええ?!
えええええ?!
、