2/14(火)社説
原子力規制庁の職員が、推進側の経済産業省資源エネルギー庁の担当者と約30回にわたり電話でのやり取りを繰り返していたことが発覚した。今回の面談では、規制庁がエネ庁から原発運転期間に関する法改正についての情報提供を受け、規定撤廃を前提に内部で検討したと見られる。
規制庁側は、「エネ庁とはすり合わせしていない」と強調するが、面談の記録が無いため実証できない。規制委は推進側との面談について記録するよう内規を変えた。
規制庁は、福島第1原発事故後に、規制と推進を分け独立性を高めるために新設された委員会である。活動原則に「独立した意思決定」や、「透明で開かれた組織」を掲げるにも関わらず今回の件は「馴れ合い」と受け取られかねない。
規制庁は発足から10年が経過し、「推進側と一線を画す」という初心が忘れかけられていると懸念する声もある。特に昨年以降はトップ3を経産省出身者が占める体制となっている。岸田政権は原発の再稼働や運転延長、新増設などの前のめりな動きが目立つ。規制当局にはこれまで以上に安全最優先の姿勢が求められるだろう。
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