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3/26(日)社説

 米国の中央銀行であるFRBは、昨春以降9回連続となる利上げを決めた。物価高騰を抑える姿勢を改めて示した形であるが、金融市場の安定にも配慮し上げ幅は0.25%に止めた。記者会見でパウエル議長は「米国の銀行システムは強靭だ」と健全性をアピールした。
 その背景には金融機関の相次ぐ破綻があった。中堅のシリコンバレー銀行など2行が破綻し、多額の預金が流出したのである。急ピッチの利上げに伴い債券価格は下落している。破綻した銀行だけでなく、米国債などを保有する多くの金融機関で負担となっている。
 欧州では世界的な金融機関の一つであるクレディ・スイスが経営危機に陥り、UBSによる買収が決まった。スイス政府が保証を付与するなど異例の救済となった。クレディ・スイスが発行した一部債券を無価値化したことの影響が懸念されている。リスク回避の動きが広がり、他の金融機関でも投資家から資金を集めることが難しくなる可能性がある。
 しかし、利上げを停止すれば、物価高騰と景気悪化が同時に進行するスタグフレーションのリスクが高まる。経済や金融機関の経営に与える影響を見極めることが重要である。政府や日銀も、外国債券を保有する地銀などへの影響を注視する必要がある。

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