ロミオとジュリエット(1968)の所感
あぁ!ロミオ...ロミオ!
どうしてあなたはこんな古い映画見ようと思ったの?
だってシャニマスでロミオとジュリエットを下敷きにしたイベントをしていたから...
◆どうしてあなたはロミオなの?というかロミオって誰なの?
ただ悲劇の恋愛をモチーフにしただけならそう気にはならないのだが。
問題はこのシナリオのオチが有識者の解説を聞くまで分からなかったのだ...
twitterで調べたところどうやらロミオとジュリエットに絡めたものらしい。
というかシャニマスのジュリエットって滅茶苦茶迫ってくるな...
よく考えれば画像の有名なフレーズと、最後は墓場で添い遂げるという話だけで話の中身を私は全く知らない。
そこで原作に比較的忠実とされる1968年の映画を手に取ることにした。
世界史でしか知らなかったお話、この機会に見ておこう。そして忘れぬよう思ったことを書き殴りたい。
ロミオとジュリエットって、何だろうな。
(話のオチを知っているだろうといえ、途中途中の知らない部分をネタバレするので注意して欲しい。)
◆思ってたより前向きな恋愛?
一歩違えば激甘ラブコメなのでは...?
この卑しい手の無礼な振る舞いが
あなたを驚かせたのならそのおわびにーー
この唇が
頬を赤らめた巡礼が
手の無礼をーー
優しいキスで消しましょう
情熱的な台詞、絵画のように美しい一瞬の数々。見ているこちらにまで熱が伝わってくる。
耽美的な雰囲気はそこまで無い。常に情熱が弾け飛ぶ感じ。両家のいがみ合いとか乗り越えそうな気すらする。というかジュリエットの乳母も神父も結婚話にノリノリだし。
これもしかしてラブコメなの...?
悲劇の象徴のようなセリフだが、実際聞いてみると前に進む意志が強く見える。パワー系ヒロインかもしれない。ジュリエット。
シャニマスで迫ってきたのも納得する。
◆思ってたより明るい?
からかわれるジュリエットの乳母。
ロミオはジョークでフォローするが結構笑っている。
難を逃れて乳母の一言。
が、からかわれる乳母にその加勢(従者)は大爆笑していたというオチ。
ロミオも笑っている。コントかよ!!!!!!!
これ本当に悲劇か?
◆悲劇じゃない?
後半、友人のマキューシオが殺される辺りから雰囲気が変わってくる。
ロミオは禁令を理由にマキューシオとティボルトの決闘を止めさせようとする。しかし友人の死に逆上したロミオはティボルトに決闘を挑む。
この決闘でティボルトを殺してしまい、ロミオは街を追放される。
ジュリエットは親族の死とロミオの追放に心を痛める。
結ばれないことの悲しみからか、パリス伯爵との婚姻を破棄すると嘆く。
この決闘、後のことを考えると完全にロミオの過ちじゃない...?
なんとか止めようとしてた時と発言が矛盾するし...
ジュリエットはすっごい剣幕で泣き叫んで、婚約しないとのたまう。
いやそこは婚約を形だけ受けとけよ...そりゃあ親から勘当を言い渡されてもおかしくないよ...悪だくみは後だよ...
家柄というどうにもできない理由で結ばれないものかと思っていたが、お互い自業自得な面もあるんだなぁ。
後半になっても私の知るロミオとジュリエットは現れない。
しかも発言は矛盾する、最適な行動は取らない。滅茶苦茶なのでは?
でも感情のまま突っ走る一点では矛盾がない。
あまりに熱い恋物語。最適でないが全力の二人が美しい。
これもしかして悲劇じゃない?
◆みんなの知る悲劇
最後は共同墓地で再会するも、ジュリエットが死んだと誤解したロミオが毒で自殺し、その後目を覚ましたジュリエットが後を追う。
君を見つめるのもこれが最後
この腕が君を抱くのもこれが最後
そして唇が
最後の息をーー
このキスで閉じ 時のない国に共に生きよう
さあ 愛の盃を
これを飲んで死んでしまったのね
なぜ 私のを残しておかないの
「どうして死んでしまったの」とは、「どうして先に行ったの」とは、お互い言わない。最後まで一緒になろうとするこの台詞。
これはきっと悲劇ではない。二人の若者が、情熱のまま生きる物語なのだ。
結末こそ悲劇だが、そこに向かう二人の情熱がこれを美しいと言わせるのだろう。
◆おまけ:ここが良かったよロミオとジュリエット(1968)
・何といっても情熱全振りロミオとジュリエット。熱い台詞回しの数々。
・映像に詳しくないのでどうって言えた口ではないが。
絵画のようなシーンがほんっとうに沢山ある。
隙あらば美しいシーンが。
前編後編みっちりこれでもかと。
これの絵だけでも見てよかったと思う。
◆おまけ:ここは注意かもロミオとジュリエット(1968)
・情熱全部りのため話に釈然としない部分はあると思う。
長所でもあるけど...
・比喩表現はちょっと分かりにくい。
なんかこう下ネタらしいけどどうにも分からないというか。
書籍だと脚注があるらしいのでそっちを見たいかもと思った。
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