「それいけ!アンパンマン 勇気の花がひらくとき」の感想
アンパンマンの映画、すごく面白いらしいですね。
なんでしたらガチ勢もいるらしいですね。
というか30作ですよ。好評って程度でこんな本数出せますか。
それで興味持って見たら意外と面白かった訳ですよ。
話はいつも通りで、アンパンマンが悪事を働くバイキンマンを退治する。でも感情とか、それに直結した行動がTV版より濃く描かれ、あれ?凄くない?って思わせて来るんです。
ネタバレ含む感想ですが、へー凄いのねって伝われば幸いです。
◆人物評
描写が濃いからでしょうか、この映画のアンパンマン、本当にカッコ良いんです。雨が降っても、パンが不完全でも、それでも人助けに向かう勇ましい姿をヒーローと言わず何と言いましょう。言葉の端々から溢れ出る優しさも魅力的です。惚れます。
対してこの映画のバイキンマン、本当に酷い奴です。人を騙して巨大な飛行船を作らせ、その飛行船で街を破壊し、パン工場を爆破炎上させ、その燃え盛るパン工場にきらら姫(※本作主人公)を投げ込むような奴です。でもいつになく悪役らしいバイキンマン、それも魅力的だよね...
で、この映画の主役のきらら姫ですが、中々にワガママで嫌な奴です。姫ってより悪役令嬢かもしれません。気取っていて偉そうだったり、アンパンマンを独占しようとワガママを言って周囲を困らせるご様子が伺えます。気持ちは分かるけれど、そりゃあスタースティックも輝かないよねぇ。(※1)
※1 スタースティック:勇気ある主人を選ぶと言われる杖。
きらら姫を認めなかったため、逆上され宇宙に投げ捨てられた。
◆見どころ1、濃い感情の描写
きらら姫がアンパンマンに「私のこと好き?」と聞き、それに「好きだよ」と答える場面があります。恋愛感情で「好き」か尋ねるきらら姫に、アンパンマンは純粋な好意、博愛の意味で「好き」と答えるのです。
それまでアンパンマンにだけ、独占欲もある好意を向けていたきらら姫ですが、きらきら星の姫たるには「博愛」も必要だったのでないかと思います。考えすぎかもしれませんが、姫になるための心持ちを示したシーンだったのかもしれないですね。なにぶん2人が対照的なので自分にはそう見えました。
すれ違いをアンパンマンで描写することにも驚きましたが、この後失恋に気付く場面も中々濃いです。他にも赤面するアンパンマンや、アンパンマンを励ます人々など見どころ多数。
◆見どころ2、一手間加えたアクション
アクションがカッコ良いんです。所々滑らかだったり、倒すアクションに一手間挟んでいたりとツボを抑えた良さです。いや、もちろんジャイアントロボとかプロメアみたいなのを期待してはいけませんし、一手間加わったのは何もアクションの動きだけではないのですが。
普段なら「ミサイルが飛んできて」⇨「撃ち落とす」みたいなところを、「ミサイルが色々な方向から飛んできて」⇨「余裕しゃくしゃくで撃ち落とす」となるイメージです。
アンパンチについては言わずもがな。ここだけで良いから見てくれと言いたい程です。
◆見どころ3、きらら姫の成長
みんなが好きで、みんなに施すアンパンマンと、
アンパンマン1人が好きで、周囲を困らせるきらら姫はとても対照的。
ただそれから自身の行動を反省して、アンパンマンから勇気を教わった姿には、成長とか苦境に立ち向かう勇気に色々なことを感じ入りいます。
アンパンマンを救うのも、人々に謝辞を述べるのも、こなしたのでなく自分の意思でそうしたというのが...本当に...ワガママな娘から姫になったのだなぁって...
◆感想
ヒロイックさ際立つアンパンマンと、きらら姫の成長が見どころ。
映画版のアンパンマンっていつもこんなイケメンなんでしょうか。
子供向けということで尺の長いTV版というイメージをしていましたが、1つの話を特別に作り込んでいると感じられました。偏見はよくない。
あとは男性と女性、大人と子供で感想が違うかもしれません。
なので子供の意見や、奥様、殿方の感想を聞いてみるのもまた楽しいかもしれないですね。というか、聞いてみたいものです。
ガチ勢の存在も納得できる、面白い映画でした。
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