苦しみをこじらせない意外な方法とは? 〜無(最高の状態)〜
「なんでこんなことにも気づかなかったんだろう?自分ってダメなやつだな.」
そんなふうに,苦しんでしまうことはありませんか?
前回までの投稿で,私たちは脳内の物語に従って生きていて,悪い物語「悪法」を手本にしちゃうと,悩みを悪化させてしまうってことをシェアしました.
今日は,その悪法への対処方法について書いていきたいと思います.
今回も参考文献はこちらです.
苦しみの正体
「自分は人よりも劣っている.」
「ものごとを完璧にこなさなくちゃだめだ.」
こんなふうに思っていたら,普通に考えて,辛いですし,
こんな悪法,治したいと思いますよね.
しかし,本書ではこのような悪法に対して,治すという手法を取らずに,避けて当たらないようにする方法が提案されています.
なぜ,治すことが推奨されていないのかというと,苦しみは抵抗することで大きくなるからです.
例えば,石に躓いて転んで怪我をしてしまったときを考えてみましょう.
転ぶとまず,痛みがやってきます.
これはさけられないですよね.
しかし直後に,私たちは痛みに抵抗して
「転んでしまった.誰かに見られていないだろうか?恥ずかしい.」
という恥の感情を持ちます.
この恥を認められずに,
「なんでこんなところに石があるんだ?掃除担当の人は何をしているんだ?」
とおもってしまうと,怒りの感情が湧いてきて,周囲の人にもあたってしまいます.
そしてあとになって,
「自分はなんであんなことにイライラしていたんだろう?」
と,苦しんでしまいます.
こんなふうに,私たちは痛みに対して抵抗することでどんどん苦しみが大きくなっていきます.
つまり,
苦しみ=痛み×抵抗
だったんです.
じゃあ,私たちが痛みに対して取れる行動はどれだけ抵抗しないか,つまり痛みに対して諦める(降伏する)ことです.
痛みを諦めるイメージ(メタファー)
とはいえ,痛みに降伏するってイメージしにくいですよね.
痛みに対して降伏するという感覚を理解するために,本書ではメタファーというテクニックが紹介されていました.
メタファーとは,たとえ話を使って,抵抗が痛みを増大させる仕組みをイメージで掴むというものです.
私たちの脳は論理よりもイメージのほうが理解しやすいという特徴を利用したテクニックです.
本書ではいくつかメタファーの例があったのですが,ここでは僕にしっくりきた牧草地のメタファーについて紹介します.
牧草地のメタファーの手順は次のとおりです.
言うことの聞かない牛を牧草地で飼っているところをイメージ
牛を狭いフェンスで閉じ込めるところをイメージ
→牛は自由を求めて暴れだして,被害が大きくなる牧草地を広げて上げるところをイメージ
→自由に動き回っても問題が起きないようになる
このメタファーでは,痛みに降伏することを暴れ牛の牧草地のサイズを大きくすることに例えています.
降伏のスキルを高める降伏ワークシート
本書ではさらに,降伏のスキルを高めるために降伏ワークシートというテクニックも紹介されています.
かんたんに言うと,嫌なことがあったときの自分の抵抗行動を理解して,良い行動に変えていこうというものです.
例えば,思い通りに勉強が進まなくてイライラしてしまうことを問題として考えてみます.
いらいらしてしまうと,コンビニに行ってお菓子を買って,家に帰ってアニメを見ながら食べるという抵抗行動をおかしていたとします.
この抵抗をすると,一時的には気分が良くなるかもしれないですが,健康にも悪いですし,時間を無駄に過ごしているという罪悪感も生みますよね.
そこで,抵抗行動を良い行動に変えていくことを考えます.
外で散歩をするなんていうのは,どうでしょうか?
散歩をすることで健康的になりますし,自然はリラックス効果もあります.
ここで重要なのが,勉強が思い通りに進まないということには対処しないことです.
気分が上がらなかったり,勉強の内容がいつもより難しかったりしたら,思い通りに進まないことはあります.
「そこはしかたないよねー.」と諦めて,その後のイライラするという抵抗を良い行動にしていく方がよっぽど建設的です.
最後に
痛みは諦めて,抵抗行動を良い行動にしていくことが悩みをこじらせないための答えだったようです.
僕はいままで逆のことをしてきました.
「どうやったら,痛みがなくなるかな」と,ずっと考えてきて,それが自分を苦しめていたようです.
痛みは諦めて,その後の抵抗行動を良い行動に変えていこう!
これからは良い行動をもっと学んだみたいと思いました.