15/44 夢をかなえるゾウ4ガネーシャと死神
「あなたはいつ死ぬか知ってますか?」
この質問に答えられる人は、なかなかいないと思う。私自身も分からないし、答えられる人に会ったことはない。
しかし、死は生きるもの全てに平等に訪れる。
以前大きな病気をした際に、自分の死を意識した。病気の診断を受けた翌日に、同い年の親友が突然心臓発作で亡くなったこともあり、死というものを初めて強烈に考えた。
しかし、無事に健康を取り戻すと、まるで自分の命は永遠にあるかのように漫然と生きていることに自分に対して呆れる。
私が住むカリフォルニア州では、夏の終わりからこの時期にかけて山火事が自然発生をする。しかし、今年の山火事は例年よりも規模が大きく、明らかに空気の汚染や燃えている匂いを感じる。日中でも暗い空のもとで生活をすると、誰でも何かしらの危機を察知する。近隣でも避難をする人が出てきたために、自然の偉大さと自分の命と人生に直面した。
その時に読んだ本を今回は紹介したい。
『夢をかなえるゾウ4 ガネーシャと死神』水野敬也著
『夢をかなえるゾウ』シリーズは、ドラマ化されたこともあり、ファンは多いのではないかと思う。実際にシリーズとして4巻目まで出版されるのだから、今の時代なかなか見られないヒットだと思う。
人間味溢れ、神様らしくない神様のガネーシャが、人間に対して夢をかなえる人生を送るためにスパルタ教育をする。ガネーシャと人間のめちゃくちゃなやりとりが個人的に大好きで、結局1巻目から全て買い、何度も読み返している。ふざけていると思われるかもしれないが、人生観やビジネスに関する姿勢はガネーシャから学んだことは多い。だから忘れた頃に繰り返し読んで笑って、時にしみじみと考えて学んでいる。また、ガネーシャの姿勢、優しさ、そして正直さは魅力ある人間として見習いたい。
今回のガネーシャは、”自分の人生を後悔しないで生きる!”ことをテーマにしている。これは著者が書いていることではなく、私が感じたことだ。
自分の死が近づいた時に、人間はいくつも後悔をすることがある。
グーグルで検索すると、医師、宗教家、作家、心理学者だけでなく多岐にわたる分野の方々が ”死に直面した人の人生の後悔” について研究していることが分かる。
・仕事だけの人生だった。
・家族を大切にできなかった。
・恋愛や結婚、その他の人間関係を避けてきた。
・やりたいことを先延ばしにした。
もちろん、人の数だけやり残した数はあるのだが、大体の人が
”一度きりの人生なのに、自分の人生を生きずに他人の目や期待をベースに選択を続け、自分の本音を選択せずに生きた。”ことを後悔しているという点が見られる。
ちなみに、これは日本だけではなく、どこの世界でも後悔する内容は共通しているように思える。決してステレオタイプは日本やその他アジアだけの話ではない。
私は日本の会社の社長をしながら、アメリカで生活し、シングルマザーとして子供も育てているために、随分と自分の好きに生きているように見える。
「はい、生きています。」
しかし、今死を宣告された場合は、自分の人生への多くの後悔でいっぱいになる。
『夢をかなえるゾウ4』では、Bucket List のようなものを作成する。死ぬまでにやりたいことリストだ。それをガネーシャと人間は強引に、時に爽快に実現に向かう。
この本を読みながら、 私もリストを作成しつつアマゾンで本格的なBucket List専用のノートも買ってみた。
誰もが一刻一刻と死に向かって時間を過ごしている。しかし、このことに対して恐ることはない。
ただ、いつか分からないから、やりたいことを先延ばしするのではなく、今から取り掛かることを、そして、やり方は幾つでもあることをガネーシャは教えてくれる。
何をやりたいか分からない人も実際に多いと思う。私も結局自分の人生で何がしたいの?と考えることが毎日のようにあるからだ。
大きなことを成し遂げることを考えたりリスト化するのではなく、
行きたかったレストランに行ってみる。
疎遠になっているけれども、気になる人に連絡をしてみる。
着たい服を着る。など、今日できるようなことでも、それは立派なリストになる。
ガネーシャと人間の対話は、あなたの人生をより鮮やかにするヒントで溢れていると思う。
大爆笑したくなる場面、涙が溢れる場面もあるため、電車の中やカフェでなく、家の中で読むことをお勧めしたい。