睾丸腫瘍手術前日
睾丸腫瘍が発覚してから、手術日までものすごく早く日程が決まっていった。
発覚した日以降も、全く痛みはない。
正直、医師に説明を受けても、
入院、手術の日が決まっても実感がわかない。
確かに左側の丸いものは大きくなっているが、
触っても何も痛くはない。
だから全然実感がわかない。
入院までインターネットで睾丸腫瘍についてたくさん調べた。
良いこと、悪いことたくさん書いてあり、
こーゆー時、悪いことばっかりが目に止まってしまう。
見なければよかったと本当に後悔した。
まずびっくりしたのは、
睾丸腫瘍には年齢が若い方になる事が多く、
確率は10万人に1人ぐらいの確率ということ。
10万人に1人....宝くじであたったこともないのに、
1/100000をひいてしまうのか..と思った。
更に、診断時に転移をしてしまっている患者さんも少なくないということ。
転移の部位と進行度によって予後が難しいということ。
そういった良くないことばっか目にとまってしまう。
今の医療ならばほぼ治る病気とも書いてあった。
ひとまず安心したが、転移している状況にもよって、
治療法が変わると書いてあり、
睾丸からリンパに転移をしてしまうと、抗がん剤が必要になると記載があった。
抗がん剤.....ドラマとかで髪が抜けてしまったり、吐いていてとてもつらそうなイメージがある。
とにかく、どんな治療法になるのか、
手術で睾丸を取り除いて、それを検査してから決まるようだ。
不安が襲いかかってくる。
一人暮らしで上京していたのだが、
両親が病院まできてくれた。
こういう時、そばにいてくれる人がいるのは本当にありがたい。
仕事が忙しくなかなか実家に帰ることができず、
久しぶりに両親の顔を見た。
たまにLINEとかで連絡はとっていたが、
顔を合わせるのは久しぶりだった。
安堵と不安で複雑な気分になり、
泣きそうになった。
心配をかけまいと気丈にふるまっているつもりだったが、
不安になっているのをバレていたらしい。
「大丈夫だから...」と、
声をかけてくれた。
その時、緊張の糸が取れたかのように、
涙が溢れてしまった。
涙を流すなんて、いつぶりだろう。
もう何年も涙なんて流してなかった。
手術後、どうなってしまうのか、
不安はたくさんあったが、
とりあえず明日の手術を不安を胸に。眠りについた。