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初心者PMが陥る7つの落とし穴と教訓

何事も初めての挑戦というのは怖いものです。個人的なことであれば失敗しても笑って流せるけど、仕事で人や会社が関わることになると変わります。よほど度胸のある人でなければ、初めて行う仕事はドキドキするはずです。そして、そんな時は教科書を探したり、誰かの経験を聞いて参考にしたいと思うはずです。

この記事は、分野に関わらずPMとして初めてプロジェクトを任された人に向けて執筆しました。特に周囲に頼りにできる人がいなくて暗中模索しているかた、これからそうなる見込みのある人を想定読者としているので、何か一つでも参考になる情報が欲しいと思われる方は、ぜひお読みください。



はじめに

「初めてのプロジェクト、何から始めればいいかわからない…」
「計画通りに進まなくて、毎日問題ばかり…」
「周りに相談できる人もいなくて、一人で抱え込んでいる…」

もしあなたが今、初めてPM(プロジェクトマネージャー)を任され、このような不安や悩みを抱えているなら、この記事はまさにあなたのために書かれました。

初めてのPMは、誰にとっても大きな挑戦です。教科書や研修では学べない、現場でしか経験できない苦労や落とし穴が数多く存在します。私もかつて、初めてのPMで大きな失敗を経験しました。計画は頓挫し、問題は山積し、精神的にも追い詰められ、最終的にはプロジェクトから離れるという苦い結末を迎えました。しかし、その経験は私にとってかけがえのない教訓となりました。数々の失敗を通して、PMとして絶対に避けるべき7つのアンチパターンを明確にすることができたのです。

この記事では、私の赤裸々な失敗談を詳細に語るとともに、そこから得られた7つのアンチパターンと具体的な改善策を体系的に解説しています。この記事を読むことで、あなたは以下のベネフィットを得られます。

  • よくある落とし穴を事前に知り、プロジェクトをスムーズに進められるようになる: 私が実際に経験した失敗事例を通して、よくある落とし穴を事前に知ることができます。これにより、同じ過ちを犯すリスクを大幅に減らし、プロジェクトをスムーズに進めることができるようになります。

  • 明日からすぐに使える具体的な方法で、自信を持ってプロジェクトに取り組めるようになる: 各アンチパターンに対して、具体的な改善策とアクションプランを提示しています。明日からすぐに実践できる具体的な方法を知ることで、自信を持ってプロジェクトに取り組むことができるようになります。

  • 同じ経験をした人の話を知り、一人で抱え込むつらさを軽減できる: 周囲に相談できずに一人で悩みを抱え込んでいるPMは少なくありません。この記事を読むことで、同じような経験をした人がいることを知り、孤独感を和らげ、精神的な負担を軽減することができます。

  • 教科書では学べない、現場で役立つ実践的な知識が身につく: 教科書的な知識だけでなく、実際の経験に基づいた生きた知識を得ることができます。これにより、より実践的な視点からプロジェクトマネジメントに取り組むことができるようになります。

具体的には、以下の内容を提供します。

  • 詳細な失敗談: プロジェクトの初期、中期、後期、そして終末期に至るまでの私の経験を、当時の心情とともに詳細に描写します。

  • 7つのアンチパターン: 私の失敗経験から導き出された、PMが陥りやすい7つのアンチパターンを解説します。

  • 具体的な改善策とアクションプラン: 各アンチパターンに対して、具体的な改善策と、明日からすぐに実践できるアクションプランを提示します。

  • 3つの重要なアドバイス: 初めてPMに挑戦するあなたへの、経験に基づいた3つのアドバイスをお伝えします。

初めてのPMは不安でいっぱいだと思います。しかし、過去の失敗から学び、事前に準備することで、成功の可能性を高めることができます。この記事が、あなたのPMとしての第一歩を力強く後押しすることを心から願っています。

この貴重な経験と教訓を、ぜひあなたのプロジェクトに役立ててください。

自己紹介

この章では、私がPMを任されるまでの経緯と、当時の私の状況についてご紹介します。未熟な私がどのような状況でプロジェクトに挑み、どのような課題に直面したのかを知っていただくことで、後の経験談をより深く理解していただけると思います。

私は、新卒としてエンジニアとしてとある会社に就職して、ソフトウェアを開発する日々を送っていました。しかし、2年ほどたち、物足りなさを感じ始めてきた私は転職を考えるようになります。そんな中で見つけた会社が2社目でした。そこは、まだ設立して歴が浅く、会社を成長させていこうという勢いのある会社でした。

その会社ではハードウェア製品とそれを使うためのアプリを開発して販売している会社で、私はWebアプリエンジニアとしてその会社に転職しました。入社して半年は、Mac片手におしゃれなオフィスで働く日々で充実していました。会社でもそれなりに評価してもらえるようになってきた頃でした、私の人生を左右する分岐点を迎えたのは。それが、新しいプロジェクトのPMへのお誘いでした。そこから、私の初めての(そして黒歴史となる)PM経験が始まりました。

プロジェクトの背景

この章では、私が担当したプロジェクトの概要、目的、そして当時の課題について説明します。プロジェクトの全体像を把握していただくことで、私がその後経験した苦労や失敗の原因をより深く理解していただけるでしょう。

前に説明した通り、2社目の会社はハードウェア製品を販売してそれとセットとなるアプリを開発してお客さんに使ってもらうというサービスを提供していました。法人向けにも販売しており、私が最初に入ったチームは、法人向けのアプリを開発するチームでした。

その時、すでに商品ラインナップとして4種類くらいの製品をリリースしていましたが、1世代目の商品はどれも完成度が低くて、多くの改善点がある状況でした。例えば、その製品はBluetoothを使ってスマホと通信する機能があるのですが、その通信性能が低くて1mくらいまで近づかないと接続できないなど、使い勝手が悪い状況でした。

それを打破するべく、第1世代の製品の改善点を反映した第2世代の製品を作ろうということで私が担当するプロジェクトが立ち上がりました。私はそのプロジェクトに最初から関わっていたわけではなく、企画が固まり、設計・製造が始まるタイミングで参画しました。

そのプロジェクトは、10ヶ月の開発期間で、製品出荷ができる状態を目指す計画でした。最初は、ハードウェアチームの2〜3人で進めて、徐々に営業や物流、デザイナーなどが入ってきて、ピーク時には少なくとも10人が関わっていました。設計・製造を外注していたのでそれを含めると20人くらいになっていたと思います。

私のプロジェクト経験談(初期・中期・後期・終末期)

この章では、私がPMに任命されてからプロジェクトを離れるまでの半年間を、私の心情の変化に沿って4つのフェーズに分け、それぞれの時期に経験したこと、考えたこと、そして犯した失敗について詳しく語ります。各フェーズで得られた教訓も提示しますので、ご自身のプロジェクトに照らし合わせながらお読みいただければ幸いです。

  • 初期:潜む課題に気が付かずにのんびり過ごしていた時期

  • 中期:それまで眠っていた問題が表に出てきて忙しくなってきた時期

  • 後期:毎日問題が多発して、対応の苦慮した時期

  • 終末期:会社に行くのが嫌になった時期

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