あなたを守るのは、担当者ではなく、契約している保険商品である
1. はじめに
保険に加入する理由は人それぞれですが、意外と多いのが「付き合い」や「担当者が好きだから」といった理由です。知人や友人が保険の営業を始めたから加入したり、親切で熱心な営業担当者に好感を持って契約したりするケースも少なくありません。
しかし、こうした理由での加入には大きな問題があります。なぜなら、保険の本質は「あなたを守ること」にあり、人間関係や好感度とは本来無関係だからです。商品選びを間違えれば、長期にわたって高額な保険料を支払い続けることになりかねません。さらに悪いことに、本当に必要な時に保障が受けられないリスクもあるのです。
2. 担当者の役割と限界
多くの人は、保険の営業担当者と密接な関係を築いていると感じているかもしれません。しかし、重要な事実を覚えておく必要があります:担当者は単なる媒介者に過ぎず、実際の契約はあなたと保険会社の間で結ばれるのです。
確かに、優秀な担当者は保険金請求の際に大きな助けになることがあります。複雑な手続きをサポートしてくれたり、スムーズな請求のためのアドバイスをくれたりすることもあるでしょう。
しかし、ここで考えなければならない重要な点があります。保険業界は離職率が非常に高い業界として知られています。つまり、あなたが契約した時の担当者が、数年後、あるいは数十年後にまだその職に就いている可能性は極、残念ながら高いとは言えないのです。そのため、担当者個人に依存することは、長期的にはリスクが高いと言わざるを得ません。
3. 保険商品選びの重要性
保険代理店を開業し、複数の保険会社の商品を扱えるようになって、私は衝撃的な事実に気づきました。保険商品間の差は、想像以上に大きいのです。保障内容はもちろん、保険料にも雲泥の差があります。
適切な商品を選ぶか選ばないかで、生涯で何百万円、場合によっては何千万円もの差が生じる可能性があります。さらに深刻なのは、不適切な商品を選んでしまったために、本来なら受け取れるはずだった保険金や給付金が受け取れないケースが珍しくないという事実です。
理想的には、契約者自身が保険商品の内容を完全に理解することですが、それが難しいのも事実です。そこで重要になるのが、複数の保険会社の商品を扱える代理店と、豊富な知識を持ち、信頼できる担当者の存在です。それも保険に入るときこそ重要だと考えます。上述したように、長く続けてくれることが最大の価値ではありますが、なかなか難しいのが事実だからです。
現に、私たちの会社では採用において、この点を特に重視しています。単に保険を売る能力だけでなく、"いい人であるか"を採用の最重要基準としています。なぜなら、嘘や偽りのない、顧客本位(for you)の精神を持った人間こそが、真に顧客の利益を考えた提案ができると信じているからです。
4. 賢い保険加入のためのステップ
では、具体的にどのように保険に加入すべきでしょうか。以下の二点を実践するといいでしょう。
複数の保険商品を比較検討する: 一社の商品だけでなく、様々な会社の商品を比較することで、自分のニーズに最も合った保険を見つけることができます。
契約内容を十分に理解する: わからない点があれば、担当者に徹底的に質問しましょう。理解できないまま契約するのは避けるべきです。
5. まとめ
保険は、あなたや大切な人を守るための重要な手段です。しかし、その保護は担当者ではなく、契約している保険商品そのものが提供するものです。人間関係や好感度で保険を選ぶのではなく、自分のニーズに合った最適な商品を選ぶことが極めて重要です。
複数の商品を比較し、内容をしっかり理解した上で契約することで、将来の不測の事態に備えることができます。そして、その過程で信頼できる専門家のアドバイスを受けることも、賢明な選択といえるでしょう。
あなたの未来を守るのは、結局のところ、あなた自身の賢明な選択です。
だれから、どこから保険に入るかを適切に選び、最終的には、ご自身でしっかりと理解して入ることこそ、賢明な選択だと思います。