あなたの保険屋さん、実は法律違反? 知られざるFPの業務の裏側
先日、友人との会話で耳を疑うような話を聞いてしまいました。
「うちの保険屋さんって本当に便利なんだよね。保険の相談はもちろん、確定申告書も書いてくれるし、すごく助かってるんだ」
えっ、ちょっと待って。保険屋さんが確定申告書を書いている?これって大丈夫なの?
実は、この何気ない会話の中に、法律違反が潜んでいるんです。
でも、こういったケースって、案外珍しくないかもしれません。今回は、みなさんの身近にいるファイナンシャルプランナー(FP)や保険屋さんの業務の裏側、そして知っておくべき注意点をご紹介します。
保険屋さんの親切、実は法律違反?
多くの方にとって、保険の営業担当者やFPは、頼れる金融のアドバイザー。でも、彼らの親切な対応の中に、実は法律違反が潜んでいることがあるんです。
例えば、先ほどの確定申告書。これ、実は税理士法という法律で、税理士にしか認められていない業務なんです。つまり、いくら親切心からでも、FPや保険屋さんがこれらの業務を行うのは違法行為。びっくりですよね。
FPって何でもできる魔法使い?いえいえ、そんなことはありません
FPは確かに幅広い金融知識を持っていますが、全ての金融関連サービスを提供できるわけではありません。実は、FPの業務にはかなり厳しい制限があるんです。
例えば:
税金の相談 - 一般的な説明はOKでも、具体的な節税アドバイスはNG
法律相談 - 「こんな法律がありますよ」程度ならOKでも、具体的な法的アドバイスはNG
不動産登記 - 「登記が必要です」とは言えても、実際の手続きはNG
年金手続き - 制度の説明はOKでも、申請書の作成や提出はNG
不動産評価 - 一般的な市場動向の説明はOKでも、具体的な価格評価はNG
じゃあ、FPって何ができるの?
ここで「FPって何もできないじゃん!」と思った方、ちょっと待ってください。FPにはFPにしかできない、とても重要な役割があるんです。
FPの真髄は、あなたの人生の目標に合わせて、総合的なファイナンシャルプランを提案すること。保険、投資、不動産、年金…さまざまな要素を組み合わせて、あなたにぴったりの財務計画を立てるのが、FPの本当の仕事なんです。
知らなかったでは済まされない!FPの業務制限
ではここからは、FPが法律上できないことを、もう少し具体的に見ていきましょう。
税理士法: 確定申告書の作成、具体的な節税アドバイスはNG
弁護士法: 個別の法律問題へのアドバイス、法的文書の作成はNG
司法書士法: 不動産や会社の登記手続きの代行、登記申請書類の作成はNG
社会保険労務士法: 年金や社会保険の申請書作成、手続きの代行はNG
金融商品取引法: 具体的な株や投資信託の推奨、顧客の資産運用はNG(登録がない場合)
保険業法: 具体的な保険商品の推奨や契約手続き(保険募集人の登録がない場合)
土地家屋調査士法: 不動産の表示に関する登記手続きの代理はNG
不動産の鑑定評価に関する法律: 不動産の具体的な価格評価はNG
じゃあ、どうすればいいの?
FPや保険屋さんを頼りにしているあなた、がっかりする必要はありません。大切なのは、FPの役割を正しく理解すること。そして、必要に応じて専門家のサポートを受けること。
例えば、FPと相談しながら総合的な財務計画を立て、具体的な手続きは各分野の専門家(税理士、弁護士、司法書士、土地家屋調査士、不動産鑑定士など)に依頼する。そんな風に上手に専門家を使い分けることが、実は一番賢い方法なんです。
最後に
さて、ここまで読んで「じゃあ、いちいち専門家に連絡取るの?それって大変じゃない?」と思った方もいるでしょう。確かに、税理士や弁護士、不動産鑑定士など、各分野の専門家に個別に相談するのは、時間もお金もかかりますよね。そもそも、そんな専門家の知り合いなんていないし…。
それに、専門家ごとに違う答えが返ってきたりして、かえって混乱しちゃうこともあるかもしれません。
そう考えると、やっぱりFPの存在って大きいんです。FPは各分野の基本的な知識を持っているだけでなく、それぞれの専門家とのつながりも持っています。つまり、FPは私たちと専門家を繋ぐ、重要な架け橋なんです。
FPに相談することで、自分の全体的な財務状況を把握しつつ、必要に応じて適切な専門家を紹介してもらえる。そんな「ワンストップサービス」的な存在として、FPは非常に心強い味方になってくれるはずです。
ですから、「一家に一FP」なんて言葉があってもいいくらい。みなさんも、信頼できるFPを見つけて、上手に付き合っていってはいかがでしょうか。きっと、あなたの人生設計に合わせた、最適なファイナンシャルプランを立てる手助けをしてくれるはずです。