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全国通訳案内士試験「地理」1冊に知識を集約して8割を取得

全国通訳案内士の1次試験を受験された皆さん、お疲れ様でした。
 
今回私は「地理」と「通訳案内の実務」の2科目を受験し、自己採点でそれぞれ79点、41点を取得したので、マークミスが無ければ一次試験に合格する見込みです。 

今回の記事では一次試験において難関科目の1つに挙げられる地理をどのように切り抜けたかを以下のトピックに分けて振り返っていきます。
(「通訳案内の実務」については余裕があれば、記事にします)


使用した書籍

使用した書籍は以下の3冊です。

①改訂版 全国通訳案内士試験「地理」合格!対策 河島泰斗 (著)  True Japan School (監修)
② '21~'22年版 ユーキャンの旅行業務取扱管理者<観光資源(国内・海外)> ポケット問題集&要点まとめ
③ 旅行業務取扱管理者試験 標準トレーニング問題集 1観光地理<国内・海外> 2024年対策

①の書籍(以下、教科書)をメインの1冊にして、インターネットや他の②、③の教材で得た知識を教科書に書き込む方法でした。私の性格上、たくさんの参考書に手を出すと中途半端になり、どっちつかずになってしまうことを理解していたため、基本的にはこの本に絞って知識をインプットしました。もちろん、この1冊では日本地理のすべての範囲を網羅しているわけではないので、過去問や問題集を使っているときに、教科書に掲載されていない初めて見る単語が出たり、気になったことを調べたりする場合には、この教科書の空白部分に書き込みをしていました。

教科書の9割くらいのページに書き込みがあります。

参考書を何冊も併用すると、持ち運びが大変ですし、なるべくこの1冊で対策できるようにした結果です。このように教科書にたくさん書き込みをしていますが、書き込みなしでこの1冊だけで合格点に届くかどうかは、ギリギリのラインだと思います。

この1冊だけで70点を取るためには、かなり細かい部分まで記憶する必要があるかもしれません。実際、今回の試験で解答に含まれていた選択肢の中で、教科書に掲載されていなかった単語としては、エスコンフィールドHOKKAIDO、創成川、七日町御殿堰、両毛、足利銘仙、宗祇水、水船、近畿日本鉄道、柏島、ジョン万次郎などがあり、私が確認した限りでは30問中10問にこれらの単語が含まれていました。

その点を考えると、1冊だけで対策するのはリスクが大きいのは否定できないので、他の参考書も併用した方が良いかもしれません。しかし私は知識のインプットは基本この教科書でしか行っておらず、他の参考書についてはわからないため、この1冊を基本にして、どのように合格点に届いたのかをお話ししたいと思います。

勉強方法

試験当日までに、教科書の全ページを少なくとも10周は読みました。ただし、その10周すべてが「読書と同じノリ」ではありません。10周といっても、単なる根性論ではありません。限られた時間で記憶を定着させるために考えた結果の方法です。

★1周目
教科書の文章を読みながら、見出しにある観光地の説明を読む際、略地図が掲載されているページに戻って、その観光地の位置を確認していました。さらに、観光地名の説明に記載されている知らない単語は都度調べ、その意味や定義を教科書に書き込んでいました。また、時には簡単なイラストを描いて、イメージが残るように努めました。イラスト例をお見せしますが、絵心が無いことはスルーしてください。

イラスト例:駕籠
イラスト例:御柱祭

小京都、総本山、カルデラ、千畳敷、外輪山、駕籠など、見たことはあっても、その定義を正確に理解できているか、言語化できるかという観点で読み進めると、意外と定義を言葉にできないものが多く見つかります。

1週目は時間をかけてでもこのように読み進めながら、100%の理解がないものに関しては都度調べて、基本は教科書に書き込むという方法を取りました。

★2週目以降
1週目と同じように見出しに掲載されている観光地と略地図の位置関係を確認しながら読み進めます。その際、1週目で調べていた単語の意味が分かった状態で(パッと思い出せなくても1週目で書き込んだ情報を確認できる状態で)読み進めるので、1週目よりも解像度高く読み進めることができます。

ここが重要です。1週目から2週目に入るときは、なるべく期間をあけないことです。
全都道府県を1週してから2週目に入るのではなく、新しく学習する都道府県の1週目を進めながら、1週目で履修済みの都道府県の2週目をするということです。

エビングハウスの忘却曲線というのがあるのですが、1日経ってしまえば70%以上のことを忘れてしまうと言われているそうです。なので、1週目で暗記したことは次の日に忘れてしまうものと開き直り、1周目は暗記することよりも「理解すること」を意識しました。

1周目を終えてから2周目以降をするときは期間をあけないで、とにかく定期的に目に入れて、その都道府県のことをインプットする作業を試験前日まで続けていました。2週目だろうが、8週目だろうがその時に言語化できない、場所がよく分からないなどの不安要素がある時は調べて都度書き込みしていくわけです。

どの都道府県をいつやったかを記録していたExcelファイルの抜粋です。
(途中から辞めてまいましたが)

3周目になってくると、ほぼすべての事柄を理解した状態で読み進めることになるので、学習も苦痛でなくなっていきます。これは英単語帳の単語を覚えるような感覚です。
しかしこれでは飽きてしまいます。わかっているものをひたすら読むのはただの作業で頭に何の負荷も無く、勉強をした気になりませんし退屈です。ここで問題集や過去問演習を導入していくのです。

問題演習(問題集)

問題集(使用した書籍の②③)を解く際に意識したのは、「各問題の間違いの選択肢についても説明できるか」です。
問題を解く時に、自分の回答の選択肢を選ぶだけなら簡単です。それだけではもったいないです。せっかく選択肢がたくさんあるのであれば、それらの知識が正しく頭に落とし込めているかも含めてチェックしてあげるべきです。

問題集の問題を解く際は多少時間がかかっても良いので、問題を解きながら不正解の選択肢が何に関連しているかをメモ程度に残しました。そして答え合わせをする時は、ただ丸付けをするだけではなく、不正解の選択肢についてメモしていたものも正しいかどうかまで確認しました。
もし間違いがあれば教科書を見返したりインターネットで調べたりして、教科書に掲載されていものがあれば、教科書に書き込んでいました。

問題演習(過去問)

過去問演習は週1回を目途に解いていました。
こちらは問題集とは違い、しっかりと時間を計って時間内に解いて見直しするなど、本番を意識してやりました。本番を想定しながら、どれくらいのペースで問題文を読めばよいのか、どれくらいの時間を見直しに要するのか、マークミスチェックに何分あれば良いかなどをシミュレーションしていました。 

私個人は、問題を一通り解くのに16~20分、回答に自信が無く保留にした問題の再検討で6~10分、マークミスチェックの指差し確認で4分でした。

 マークミスチェックは左手で問題用紙に印を書いた選択肢、右手で回答用紙にマークした選択肢番号が一致しているか、指差しで行うようにしていました。目視だとマークミスを数回したこともあったので、指差しの方が確実でした。 
試験問題を解くのに頭をフル稼働させた後に目視でマークミスチェックを行うとズレが生じる可能性があるので、指差し確認は結構オススメです。

当時Xに採点記録をと投稿していたもの。

もちろん過去問演習が終わったら、復習をします。
各問題を見直して、正解・不正解の選択肢関係なく、その観光地名・単語がどの都道府県・都市などの要素と結びつくか自分の認識とズレが無いかを確認して、教科書に記載がないものは教科書に書き込みをしていました。

勘の良い方はお気づきになったかもしれませんが、日頃から教科書に書き込んでいるので、日々教科書を読む時に自然と問題演習の復習も一緒にできるようになります。3週目以降は問題演習で書き込んだものも丸ごとインプットできるようになります。

地理は結局のところ暗記科目です。
各地域の偉人や観光地、○○のお土産は○○市だとか芋づる式に覚えたり、地図のつながりで覚えたりと、色んな覚え方があると思いますが、結局どこまでいっても暗記です。

この暗記しなければならないものを、どのように記憶に定着させるかは諸説あると思いますが、私はとにかく何度も目に入れることだと思います。
書き込みをするのは少々効率が悪いかもしれませんが、たくさんの事柄を暗記するのに何冊もの参考書を持ち歩くのは私には苦痛だったので、この1冊に色んなものを書き込んで、この本を完璧にするつもりで勉強してきました。

事実、過去問演習の履歴をご覧になると9年分のうち、6回は合格点に届いています。
(落ちた3回のうち、2015年はマスコミにタレコミされるレベルの悪問だらけの回、2023年も各予備校が苦言を呈すレベルの難関な回だったと言い訳しておきます。)

まとめ

勉強方法をまとめると、この3点です。
・分からないもの、知らなかった情報は教科書に都度書き込む
・エビングハウスの忘却曲線を参考に定期的に復習する
・問題演習を取り入れて、インプット量を増やす 

これで私は合格点に届かせることができました。

あくまでこれは私の勉強方法なので、これをすべて鵜呑みにする必要はありません。人には合う、合わない勉強方法があります。
私は何冊も参考書を使うのが好みではないですが、人によっては参考書を何冊か併用したほうがやりやすいという人もいます。 

今回の記事を読んでいただいて「こんな方法があるんだ」くらいに捉えていただければと思います。
学習者様一人一人のベストな方法を模索される際に、この記事がその判断材料の1つになれば幸いです。 

少々長くなりましたが、最後までお読みくださりありがとうございました。
 
あき

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