ごじゅーおんとスイッチコントロール
この記事では、iPadアプリ『ごじゅーおん』をiPadのアクセシビリティ機能『スイッチコントロール』と組み合わせて使用した時の特徴をご紹介します。
スイッチコントロールとは
iPadのようなタブレット端末は指でのタッチ操作が主流ですね。
スイッチコントロールは、文字通り、iPadをスイッチで操作するための機能です。
アクセシビリティ機能の一つとして、iOS/iPadOSに標準で搭載されています。
『設定』アプリの中に「アクセシビリティ」という項目があり、そこでこの機能をオンにしたり、様々な調整を行ったりすることができます。
iOS/iPadOSのスイッチコントロールは機能が豊富で、それだけでいくつもの紹介記事が書けそうなほどのボリュームがあります。
この記事ではスイッチコントロールの紹介については必要最低限とさせていただき、
ごじゅーおんをスイッチコントロールで操作したらどうなるか
という部分に焦点化して紹介させていただきます。
動画も掲載しますので、スイッチコントロールをご存知ない方は、映像を中心に「こんなこともできるんだ」と思っていただければと思います。
ごじゅーおんをスイッチで操作する
スイッチコントロールでの操作にはいくつものパターンがあり様々な分類ができますが、ここでは見た目にも分かりやすく代表的な分類として、2つのモードをご紹介します。
項目モード
グライドカーソル(ポイントモードという呼び方もあります)
項目モードでの操作
項目モードは、スイッチ操作で四角い「枠」を動かしていき、操作するモードです。
グライドカーソルでの操作
グライドカーソル(ポイントモード)は画面の端から縦線と横線が順に動いてきて、タイミングの良いところで決定操作を行うものです。
ごじゅーおん特有の機能
項目モードとの相性を考え抜いた設計
上で紹介した二つのモードのうち、グライドカーソルはどのようなアプリにも対応しやすい操作方法です。
ごじゅーおんのように意図的にスイッチコントロールに対応したアプリでなくても、かなり柔軟に操作することができます。
ですが、カーソルの動きに合わせタイミングよくスイッチを操作するのは、クレーンゲームさながら、なかなか難しいものです。
スイッチ初心者が取り組みやすいのは項目モードではないでしょうか。
画面全体を操作できる可能性があるグライドカーソルに比べ、操作できる場所が限定されている項目モードの方が、安心して操作にトライできます。
項目モードの欠点(難しさ)は、アプリを選ぶことです。
項目モードで使いやすいアプリとそうでないアプリがあるのです。
項目モードでアプリを操作すると、カーソルが当たる部分と当たらない部分があることに気づくと思います。
これはアプリを開発する際の設計に大きく左右されます。
中には、画面上に様々なコンテンツが表示されているにもかかわらず、どのコンテンツにもカーソルが当たらないアプリがあります。
見えづらさのある方が使うVoice Overや、タッチ操作が難しい方が使うスイッチコントロールといったアクセシビリティ機能の利用を、開発段階で想定していないのでしょう。
この点、ごじゅーおんは項目モードの利用を念頭に設計・開発しています。
必要なボタンに効率良く辿り着くための階層構造
五十音表の構造に適した縦長グループ
技術的なTipsはいろいろとあるのですが、その一部を別記事にまとめています。
興味のある方は覗いてみてください。
カスタムアクション
スイッチ操作はタッチ操作に比べ、どうしても時間がかかります。
画面の端にある「あ」という文字を入力するだけでも、4回のスイッチ操作が必要です。
熟練のスイッチユーザーの中にはそのようなハンデを感じさせないスイッチ捌きを見せてくださる方もいらっしゃいますが、やはり、操作の手数を少しでも減らすための工夫はアプリ側で考えたいところです。
操作の手数を減らすための工夫として、特定のボタンに対して便利なカスタムアクションという機能を加えています。
ちょっとした工夫ですが、これだけでスイッチ操作に必要な手数を大きく減らすことができるはずです。
音声フィードバックの調整
文字を入力した時の音声フィードバックは、ごじゅーおんの中でも人気の機能の一つです。
小さな機能ですが、聴覚優位のユーザーにとって音声フィードバックはとても大事なものだと考えてます。
スイッチコントロールでは、カーソルを動かした時にの"カチッ"という「サウンドエフェクト」や、カーソルが当たった部分の説明を読み上げる「読み上げ」のオンオフを切り替えることができます。
以下の画像は『設定』アプリにおける、スイッチコントロールの設定項目です。
スイッチコントロールの中に「サウンドエフェクト」や「読み上げ」という項目があります。
ここで読み上げを「オン」にしておくと、ごじゅーおんで各行にカーソルが当たった時に「あ、か、さ、た・・・」と読み上げてくれます。
このような使い方をしたい場合は、ごじゅーおんの設定にある「スイッチコントロールの読み上げを優先」という項目もオンにすることをお勧めします。
これは
スイッチコントロールの読み上げを使うと、アプリの読み上げ音量が小さくなる
という問題を回避するためのものです。
この問題はWeb上でもほとんど話題になっていないため、完全に本アプリ独自の仕様です。
正直なところまだ課題もあり、研究途上というところです。
より良い対応策が見つかったらアップデートしていくつもりです。
『ごじゅーおん』に関する情報はマガジン形式にまとめています。
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