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DropTap Proのご紹介

DropTapは2022年に発売された iPad用コミュニケーションアプリです。
リリース後も定期的にアップデートを重ね、Ver.2ではスケジュールボード、Ver.3ではボード間のリンク機能と、着実にパワーアップしてきました。
2024年秋、そろそろVer.4を・・・というタイミングで、新たにDropTap Proをリリースしました。


DropTap Proに搭載される新機能

iPadOS18より、アクセシビリティ機能の一つとして「視線トラッキング」が加わりました。
iPadOS16頃よりiPadの視線対応は始まっていたこともあり、DropTap開発チームは「視線トラッキング」の登場よりも前から、視線で操作しやすいDropTapの開発に注力してきました。

今回ご紹介するDropTap Proは必ずしも視線操作に限定したアプリではありませんが、視線でも操作しやすいような工夫を随所に行っています。

コミュニケーションボードの機能強化〜余白調整〜

DropTapのシンボルは正方形が基本です。
DropTap Proでもその基本は変わりませんが、シンボルを囲む枠線を広げられるようになりました。

コミュニケーションボードの編集画面で「シンボルの縦横比」という設定が追加されています。

  • 1:1

  • スペースに合わせる

という2つの選択肢があります。
「スペースに合わせる」を選択すると、「シンボルの間隔」も調整できます。

スケジュールボードの機能強化〜カード表示〜

DropTapと異なり、DropTap Proは横置きの全画面表示が基本となります。
縦方向にスクロールして使用する従来のスケジュールボードは視線操作に適さないと考えられたため、新しくデザインし直したのが「カード表示」です。

テキスト入力ボードの機能強化〜オリジナル文字盤〜

Proではない通常の DropTapに搭載されているテキスト入力ボードは、OSのオンスクリーンキーボードを使用します。
予測変換やサードパーティ製のキーボードも使用できる等のメリットもありますが、視線で操作するにはやや小さい印象です。

DropTap Proでは、画面全体に文字を配置した新しい「オリジナル文字盤」を選べるようになりました。

「ひらがな」「カタカナ」「数・記号」「英語小文字・顔の絵文字」「英語大文字・絵文字」「定型文」と 6 種類の文字盤を切り替えることができます。

文字や文字盤の名称は設定画面で自由に変更できます。

CSVファイルのインポート、エクスポートにも対応しているため、支援者が新しくレイアウトして配布することも可能です。

CSVファイルの仕様については別の記事で解説しています。

漢字かな変換にも対応しています。
ユーザー辞書も編集できるため、自分なりに使いやすくカスタマイズしていくことができます。

ポインター操作=視線操作への対応

DropTap Proは視線操作に限定せず、マウスやトラックパッドといったポインター操作全般に対応しました。
コミュニケーションボードやスケジュールボードのシンボルがポインターに反応します。
(最初のボード選択画面や設定画面は対応していませんので、コミュニケーションボードやスケジュールボードを開いてご利用ください。)

ポインター操作では、決定操作として以下の3つの中から選択することができます。

  • タップ

  • 外部スイッチ

  • ポインターの滞留

「タップ」は基本のモードです。iPadOSのAssistive Touchや滞留コントロールを使用したい場合、他のアプリも併用したい場合は、このモードを選んでください。視線トラッキングの「項目にスナップ」もしっかりと動作します。

「外部スイッチ」はキーボードのようなHID(Human Interface Device)キーの信号で決定操作を行えるモードです。
ポインターで場所を決め、手元のスイッチで決定操作を行いたい、という場合に使用します。

「ポインターの滞留」はポインターがその場に一定時間留まることで決定操作を行うモードです。
スイッチなどを使用できず、ポインターだけで操作する必要がある場合に使用します。

視線トラッキングの「項目にスナップ」や「滞留コントロール」を使用したい場合は「タップ」を選んでください。
DropTap Proの「外部スイッチ」や「ポインターの滞留」を使用したい場合は、OSの「項目にスナップ」や「滞留コントロール」はオフにすることをお勧めします。

DropTap Proには、ポインターの動作を簡単に確認できるゲームを同梱しています。
ポインターの動作を設定したら、まずはゲームで操作感を試してみてください。
ここでの設定はコミュニケーションボードやスケジュールボードの操作にもそのまま反映されるため、操作のウォーミングアップとしてもご活用いただけると思います。

バージョン比較

DropTapシリーズのバージョンごとの違いを表にまとめました。


関連資料

『DropTap』『DropTap Pro』はNPO法人ドロップレット・プロジェクトと一緒に開発したiPadアプリです。

ドロップレット・プロジェクト アプリサポートのページでは、操作の様子を動画で解説しています。

YouTubeチャンネルはこちら

今回の記事に関連した動画は以下の2本です
スケジュールボードのカード表示、テキスト入力ボード、ポインター操作について

コミュニケーションボードの余白調整について


DropTapについてのnote記事はマガジン形式にまとめています。


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