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術後96日目 化学療法3回目25日目 —調べることは、自分にとって当たり前

⚠ 注意事項 本記事では、筆者が個人的に調べた情報をもとに考えたことを記録しています。医学的な助言ではなく、実際の診断・治療に関する判断は医療機関の指示を優先してください。
 
疑問に思ったことは、すぐに調べる。
それが、自分にとって当たり前のことになっている。
研究に携わっていた頃の名残なのかもしれない。


◆ 生存率を追う—— Google Scholarと論文検索
ここ何日か、Google Scholarで婦人科系の重複がんの生存率について調べていた。
論文を眺めていると、日本人と思われる名前の先生が著者のものを発見。海外の大学で研究しているようだ。

こういう偶然の発見があると、つい深掘りしてしまう。

さらに興味が湧いて、YouTubeで子宮がんの手術動画を見た。
大網を取らない手術のため、私が受けたものよりは比較的簡単そうだった。
—— それでも、手術後の痛みを思い出すと、「もう勘弁してほしい」としか言えない。


◆ 癌の顔つきと生存率の現実
癌には「顔つき」がある。その理解を深めるために、さらに文献を読んだ。
もし再発したら、厳しい現実が待っているのは確か。

私は重複がん。しかし、グレードが低い場合、単発のがんと比べても生存率に大きな差はないという論文を見つけた。

気になる10年生存率は、おおよそ85%。
この数字をどう捉えるか。不安を煽るのではなく、冷静に受け止める。
そして、今後の人生をどう設計するかを考えるための材料にする。
「ポートフォリオの見直しの参考にする。」

生きることは、常に計画と調整の連続だ。
投資のポートフォリオと同じように、人生の選択肢も慎重に見直していく必要がある。


◆ 主治医の経歴と、私の関心
そして、今日はもうひとつ、主治医がfirst authorの論文を読んだ。
診察で話す機会はなさそうだけど、自分なりに研究内容を理解できたのは大きい。

—— 実は、私はこの主治医のことを、かなり調べている。
術後43日目の記事で、私は医師たちの経歴を見る習慣について書いた。


研究に関わってきたからこそ、彼らがどんな道を歩んできたのかを知ることに興味がある。
主治医の経歴を辿る中で、偶然、彼が研修医だった頃のメッセージを見つけた。
「患者さんと信頼関係を築ける医師をめざしてがんばります」
あの冷静で淡々とした診察のスタイルも、この言葉の延長線上にあるのかもしれない。

そして、もうひとつ気づいたことがある。
主治医が医学部を卒業した同じ年に私は社会人院生として修士の学位を取得している。

年齢は違えど、同じ時期にそれぞれの道で研鑽を積んでいたのだ。
「なんとなく、親近感が湧く。」
もちろん、それを本人に伝えることはない。
ただ、知識を掘り下げる中で、意外な共通点を見つけると、自分と関わる人間が少し違った見え方をする。


【後日談】主治医の知見と5%の差

診察時、私は主治医に尋ねた。
「今後の生活設計のために、先生の知見から10年生存率について教えていただけますか?」

主治医の答えは、「90%です」
私は、Google Scholarで調べた結果から「85%くらいかな」と考えていた。
それを伝えると、主治医は「そのくらいです」と即答。

専門家の見解と論文データがほぼ一致していることに、納得感があった。
—— 5%の差についても、統計の基礎を学んだ身としては、大きな意味を持つとは思わなかった。
おそらく主治医も、同じように判断していたのだろう。

深く突っ込んで聞けば、もう少し詳しい話が聞けたかもしれない。
けれど、診察の時間も限られている。
「信頼できる専門家の言葉を聞けたなら、それで十分だ」
そう思い、私はそれ以上の質問を控えた。


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