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術後71日目 化学療法2回目21日目 前日入院の意味とは――予定と現実のズレ
午前中に仕事を終え、午後から入院。
翌日の化学療法に向け、前日から準備を整えるためだ。
これまでの流れでは、前日入院のうちに主治医がヒューバ針を刺していた。
今回も当然そうだと思っていた。
だから、入院してからずっと、その時を待っていた。
けれど、何の案内もないまま、時間だけが過ぎていく。
ナースコールを押すべきだろうか──でも、医療側のペースがあるのかもしれない。
そうこうしているうちに、夕食の時間がきた。
食事をしながら、ふと時計を見る。
(今日、本当に刺すのだろうか?)
不安が小さく膨らんでいく。
そこへようやく、主治医の回診。
「こちらは?」
ポートを指差しながら尋ねる。
「今回は、当日に看護師が刺しますね」
一瞬、言葉の意味が理解できなかった。
「……そうなんですね」
そう返したものの、内心は戸惑いでいっぱいだった。
入院は事前に決まっていた。それなのに、なぜ予約が取れなかったのか。
どうして事前に説明がなかったのか。
聞こうか迷ったが、今後の関係を考えて言葉を飲み込む。
けれど、心の中には小さな違和感が残った。
「私は、何のために前日入院したのだろう?」
ただ夕飯を食べるため?
仕事を半日で片付け、調整してまで入院したのに?
天井を見つめながら、ぼんやりと考える。
予定通りに進むことが、どれほど安心につながるか。
患者にとって「決められたスケジュール」がどれだけ大切なのか。
その答えは見つからないまま、夜が更けていった。
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