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長野 善光寺で見つけた、木色の表情
Aki/イロノハ・ラボです。
先日、長野を訪れました。10時間ほどの短い長野駅周辺の滞在。
台風19号の猛威から1週間、この日もザーザー降ったりカラリと晴れたり。
目まぐるしく気まぐれな空模様に不安な気持ち。それでも
山々の低いところまでかかる霧雲の中に、すーっと差し込む何本もの光。
東京では見ることのない雄大な光景に力をもらいました。
雨空の参道から、木色のトンネルの中へ
1日も早い復興をお祈りしたくて、東京に戻る前に初めての善光寺参りへ。
雨の参道の色は、石畳のしっとり濡れた灰色、雨空の下のお土産やさんの灯りがほんわか温か。
その先には黒いシルエットの門構えが見えます。
近づくにつれ、どっしり大きな木造りの迫力、これが善光寺か、、、。
雨を帯びたせいでおそらく、いつもより濃い木色は、
晴れの下よりもその木肌のグラデーションに幅があり、節目も強く浮き出し、
深いにおいとしっとりひんやりした手触り。
本堂の中へ進むと、奥行深く暗く、わずかな灯りの中でしばらく目を凝らすと
少しづつ木造りの空間が見えてきました。
幾年もの間、人々の悩みや願いを受け入れ癒してきた木のぬくもり。
頭上も足元も壁も、こんなにみっちりと濃い木に包まれたことあるかな、しばし仄暗い空間を感じていました。
その場、その時を思い出す、色の記憶
デザインでは色を考え、表現するプロセスがとても好きですが、
理想の色や質感がなかなか出せないこともあります。
記憶のなかの色は、一人ひとり違うからこそ
色に添える言葉や質感・手触り・温度で印象を伝えたい。
私のなかの長野の色は、善光寺で見た木色。
長野駅舎は、そんな街の今昔の色を素敵に表現していました。