【シンガポール 14日間ホテル軟禁日記】#04_シンガポール入国篇
2020年8月17日、シンガポールに5ヶ月ぶりに入国。
入国後14日間はシンガポール政府指定ホテルでの滞在が義務付けられている。その14日間+前後数日で、起きたこと、思ったこと、考えたことの記録。
※誤った情報が含まれる可能性、個人の思い込みや考えが多分に含まれていることはご容赦ください。
【Day 1】~搭乗、そしてシンガポール入国
■New Normalな空の旅
長い長いチェックイン手続きを終えていよいよ飛行機搭乗。
シンガポール航空は搭乗前にCARE KITと書かれたこんなセットを配布してくれました。
除菌シートがめちゃくちゃ良い匂い。
ただ、これが配布された以外で飛行機内の体験で特に変わったことはなく、飲み物も機内食も普通に提供されてました。
乗客数は、2列に1.5人くらい、でしょうか。エコノミーで1列7人がけの機体だったので、稼働率は10%切るくらいですかね。おそらくCAさんの数も普段より少なかったと思います。
■着陸後、チェックの嵐とパスポート問題への焦燥
飛行機の体験はそこまでコロナ前と変わりませんでしたが、8時間弱のフライトを終えて着陸してからは新しい体験の連続でした。
まず飛行機がゲートに到着すると、フェイスフィールドをつけたポロシャツの人たちがズカズカと飛行機に乗り込んできて、搭乗客の名前とパスポートを一人ずつチェックします(有効期限問題突っ込まれないかマジで焦った)。
これはおそらくシンガポールの入国管理局(ICA : Immigration and Checkpoints Authority)の管轄かな。
全員のチェックが終わると降りることが許可されて、空港へ。成田と同様、人がいないチャンギ国際空港。
イミグレまでの間に一箇所、サーモグラフィーで体温監視しているポイントがあり、そこでは髪の毛を上げておでこを出すよう、スタッフから指示されました。
そしてイミグレに到着すると、通常の入国手続きを行うカウンターの手前に1人用の机が並べられ、机にはそれぞれ1名のスタッフが配置されていました。通常であれば自動チェックインゲートで済むシンガポールの入国手続きですが、コロナで2段階のアナログチェックに変更されているようです。
< 入国審査① 問診票チェックと振り分け >
並べられた机の職員には以下を確認されます。ここも飛行機内のチェック同様、ICA(入国管理局)の管轄の模様。
僕はパスポートについて聞かれないか気が気じゃ無いが、ここではパスポートの有効期限をチェックする素振りもなく、セーフ。こんなことを聞きながら、手元の書類を埋めてってました。
・オンライン問診票は受けてきましたか?受けた結果のコピー、もしくはデジタルコピーを見せてください。
・入国許可に関するハードコピーを見せてください。
・咳、熱、鼻水などないですか?
・日本からですよね?搭乗便なんですか?
・はい、これ貼って。(丸い黄色のシールを渡され、胸につけるよう指示。その後の空港での扱われ方から推測するに、このシールの色で、自宅に帰れる人=シンガポール人なのか、ホテル滞在がマストの人なのかを区別している模様)
日本でオンライン問診票を済ませていたこともありスムーズでした(ネット上の記事では、この場でオンライン問診票に答えた人もいたようでした)。
ただ、入国許可のエビデンスとなるもの(僕の場合はメール)のハードコピーはマストっぽかったですね。
< 入国審査② アナログなイミグレ >
次は人によるイミグレ手続き。いつもなら自動チェックインゲートで、指紋認証だけで通れますが、今は指紋認証ゲートはクローズ状態で、すべて入管検査官がチェックしていました。
パスポートの有効期限に地雷を抱える僕は、優しくて融通の効きそうなお兄さんの列へ。さあどうなるか…。
まずためしに、ビザと飛行機の搭乗券だけ渡すもすぐに「パスポート、ぷりーず」と言われる。そりゃそうか。ここでも入国許可メールのハードコピーの提出は求められました。
カメラによる顔認証、指紋チェックと進んだところで、その時はきました。お兄さんが指折りを始めたのです。
西洋人スタイルの、グーから親指→人差し指と立てていくスタイルで数えている。全部の指を開ききって、親指を閉じたところで終わる。間違いなく、バレた。6ヶ月ないことがバレた。
何度か指折り数えた後で、お兄さんは立ち上がって隣のレーンの豪快そうな巨体のおっさん検査官に話しかけました。マレー語っぽかったので何を言ったのかわからなかったですが、仕草から「パスポート切れてんだけど、ビザはいけてんだよね。こういうとき、どーすんの?」的な感じ。
巨体「ビザは期限あるんでしょ?ならおっけー」
お兄さん「え、そーなん?!」
巨体「そやで。ビザがおっけーなら、おっけー。そゆこと。」
仕草から察するに、たぶんこんなやりとりが交わされたっぽい。ナイス巨体!豪快さは見た目だけじゃなかった!
そんなわけで、巨体のおっさんのおかげで無事入国完了。パスポートの有効期限という時限爆弾からついに開放されました。
■荷物ピックアップと懐かしのおせっかい
その後は、がらんとした荷物ピックアップレーンで荷物を回収。
空港職員の人たちが、すべての荷物をレーンから降ろしてくれていました。
荷物をピックすると一人の50代後半くらいのおっさん職員が、僕の胸に貼られた黄色いシールを見て、
「ここからホテルまで輸送されるけど、待ったりして時間かかるからトイレ行っときな」
と教えてくれます。
「お節介なくらい親切な人が多い国だったな、ここは…。」と、この時やたらと懐かしい気持ちになりました。
シンガポールの空港は、荷物レーンから到着ロビーに出る直前で荷物のX線チェック場があって、普段なら抜き打ち的にダンダムにセレクトされた人がチェックされるのですが、今は全員が検査を受ける仕組みになってました。
「コロナ対策で厳しく見られるのかな。日本から持ち込んだお土産とか大丈夫かな…」と一瞬不安になりはしましたが、X線の係の人たちのテンションは「客少ないんだから全員にやっとけ」って上から言われちゃったのかなー、という程度のもので、そこまで責任感ある雰囲気と緊張感は感じませんでした。笑
(別の人からは、超厳密にチェックしていて、タバコ持ち込みの課税をたんまりやられた、という話も聞いたことがあるので、担当者によるとは思いますが。)
■到着ゲートからミステリーバスツアー乗り場へ
到着ゲートに出ると、僕の胸の黄色いシールを見て「こちらへ進んでください」とスタッフから案内され、バス乗り場へと誘導されます。
就労ビザ保有者として入国を許可されている僕は、どうやらここから労働省に身柄を引き渡されたようで、案内のスタッフは全員「MOM」(Ministry of Manpower = 労働省)のバッジを付けていたような気がします。
バス乗り場には大型の観光バスが停車しており、バゲージを預けて乗車すると、既に10人程度が乗っていました。
ここまで、どのホテルに行くのかの情報は誰も伝えられてません。14日間を過ごすホテルが決まる運命のミステリーツアーが始まります。