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ホームレスと少年と私
もう10年くらいになるんかなー、ターミナル駅だが人通りの少ない裏道を歩いてたら、たまに見かける台車に堆く積んだ空き缶を引くホームレスとすれ違った。そこへ高校生位の少年が自転車で行きつ戻りつ様子を伺いながらある言葉を発した「ねえ、恥ずかしくないの?」
申し訳ないのですが、その少年の身なり等からそんな事言いそうな雰囲気もあったが、如何せんその言葉の苛烈さに面食らった。
その少年もひとりだったから徒党を組んでの事でもなし、直接的な暴力(言葉は酷いが)も無さそうだったので静観したが、少し間が合ってホームレスもなにかひとこと二言返したようだった。もしかしてその言葉の前に「どこへ持っていくの?」的な発話があったかもしれない。もうだいぶ経つので記憶も…
虚をつかれるというかこういう時のその濃縮された空間を私はある種その舞台の観客としてみていた、のかもしれない。寸劇だが。
言葉には色んなグラデーションがあって、もしかしてその少年もいくつかの言葉の中からそれをチョイス・・それはないかー
でも発話するまで逡巡してる感じもあったし
思い出すにその二人の絶妙な距離感、それぞれの目つき、孤独と恐怖、傲慢と猜疑、決して混じり合う事のない永遠の無理解・・
あれから どうしたんだろう
ホームレスと少年と空き缶 そして私
今もなお繰り返す諸行無常・・
【出刃包丁が、突如】
被害にあわれやすいホームレスの方には色んな援助の仕方なり(かと言って、のっぴきならない状況もあるが)あるのでしょうが、加害者予備軍に対する世間のネグレクトはここまで経済的に余裕がなくなると一層加速していくのかもしれない。私にはあの時、あの空間にそれが出現した。
かのように感じた。一個の強い意志。目に見える不愉快なものを排除したい。そんな、冷徹なそれが。