BL漫画「ギヴン」が腐女子にとって鬼畜すぎるという話(立夏は早く童貞を卒業してくれ)
ギヴン、死ぬほど面白い
BL漫画「ギヴン」を8巻まで読みました。以下、ネタバレというほど内容に触れてはいませんが、8巻まで読んだ前提で文章を書きましたので、未読の方はご注意ください。
私はアニメとアニメ映画を先に見てから漫画を読んだのですが、本当に面白い。そしてアニメはすごく原作に忠実に、丁寧に丁寧に作っていたのだなということがよく分かりました。原作って曲の歌詞ないんですね。アニメ見て「曲が最高だなー」って思っていたのですが、アニメではじめてついた歌詞と知り、そのクオリティの高さにびっくり。
そして漫画の「ギヴン」を読んでみて、ほかのBL漫画とちょっと違うな、と思ったことがあり、唐突に文章が書きたくなってNOTEを作りました。なぜなら、周囲にBLの話を聞いてくれる友達がいないから…(関係ないですが、「俺、友達いないから!」って笑う村田雨月が狂おしいほど好きです)。
他のBL漫画となにが違う?
「ギヴン」を読みながら、次第に「BL漫画というより、登場人物(男)全員が、なぜか男を好きになる不思議な世界線の音楽漫画なのでは?」と思うように。
もちろん音楽表現が本格的、というのもその理由の中に含まれます。本当に真っ当な青春音楽漫画で、いわゆる”芸術スポ根もの”として成り立っていると思います(例えば美術漫画の「ブルーピリオド」とか、言わずと知れた音楽漫画の「のだめカンタービレ」とかみたいな)。
ですが、メインで話したいのはその部分ではありません。セックスについてです(本当にすみません…)。
BL漫画って性描写がないものもありますが、あるものが多いじゃないですか。そしてそれがご褒美、みたいなところありますよね。攻めと受けが困難を乗り越えて、結ばれ、そして甘い夜を……みたいな。
その点、ギヴンは本気で腐女子にとって鬼畜だと思いました。しんどい。しんどすぎる。8巻まで読んだのに、メインカプの立夏と真冬が何もしてくれない!!!
私別に、性描写がないBLはつらいと言いたいわけではないんです。性描写のない、日常系の作品も好きです。ただし、ギヴンには性描写がある……思いっきりある。他カプはヤッてる。なんならほぼレイプみたいなシーンもある。なのにメインカプは何もしない……。
しかも。しかもです。受けは処女じゃないのに!!!
真冬の元カレ・由紀は回想シーンで「帰ったら風呂場でセックスしようぜ」って言ってたくらいだから、由紀と真冬は日常的にセックスしてたんだよね??
それなのになぜ、付き合ってから半年くらい経つ立夏とは何もないんですか……。立夏が童貞だからなの? それともやっぱり由紀が忘れられないからなの?
原作の供給が足りなすぎて「二次創作したいな……」と思うくらいです。商業BL漫画って公式=供給だから、二次創作したいなって思うことがないんですが、ギヴンはめちゃくちゃ男子カプが出てくるのに供給が希薄で、二次創作したくなる。そう言った意味で「BL漫画というより、登場人物(男)全員が、なぜか男を好きになる不思議な世界線の音楽漫画」と思った次第です。
「ギヴン」はどの巻も本当にめちゃくちゃ面白い。ずっとめちゃくちゃ面白いのに、私の中の腐った人格が「このライブが終わったらご褒美セックスありますか……?」と毎回期待してしまってつらい。まさか2巻で明確に両思いがわかって、3巻で付き合い出した二人が8巻まで何もしないと思わなかった。早く続きください。供給をください。はあ。。。
というか、性行為=関係性が深まる、というわけではないけど、立夏と真冬は甘いシーンが少なくて本当にしんどいです。そう、セックスが見たいというよりも、安心したい。
何がしんどいって、死んだ元カレの由紀が魅力的な人間だってことがアピールされすぎていて「立夏は由紀に叶わないのでは?」って考えてしまうのがしんどい。というか、真冬が立夏のことが好きなのは間違いないけど、現時点では由紀に叶ってないと私は思う。死ぬほどしんどい。
立夏はこれから絶対に、真冬にとって一生の相手になるだろうし、由紀以上の相手になるだろうと思う。ただ、現時点では安心できない。結ばれているのに、早く結ばれてほしいと願ってしまう。
そもそも、立夏は真冬が由紀とセックスしていたことを知らない。そして、真冬は由紀としかセックスをしたことがない。絶対に、立夏とはじめてセックスをするとき、真冬は由紀を思い出す。思い出さないのは無理だと思う。そして立夏は真冬の反応から、由紀との関係性を知る。──そんな未来を想像してしまってツラい。
でも、鬼畜なところも大好きです。このライブ(=8巻末で真冬が観に行こうとしている、柊・玄純・立夏のライブ)が終わったら立夏と真冬の仲ももう少し深まるのでしょうか。ギヴンのデビューや真冬と立夏の進路についても気になります。
悩みながら音楽をやる彼らは本当に魅力的です。永遠に推させてくれ。
村田雨月はどうなるの?
最後に、脱線するのですが。私の最推しは村田雨月です。好き。本当に好き。
私は「寂しそうな美人男性」が性癖なので、村田雨月は本当に好みのど真ん中なんです。難儀な人を好きになってしまった。主要な登場人物の中で、唯一カプの相手がいない。
「登場人物(男)全員が、なぜか男を好きになる」この漫画で、次々とカプが成立していく中で、唯一これから恋をする相手を用意してもらえない村田雨月。しんどすぎる。孤独だ……。
でも雨月は秋彦との恋を「きっともう、あれ以上はない」って言ってたじゃないですか。だからこの先もずっと孤独なのかな。それでもいいな。というか、あっさり秋彦以上の男を見つけてきたら、ちょっと傷つく。
それにやっぱり、天才って孤独が似合うから。あと、全部なくなっても、音楽だけは残ってるから。
できれば幸せになってほしいけど、それと同じくらいずっと幸せにならないでほしい。村田雨月は最高にいい男だな……。
ほのぼのバンドBLだと思ってたのに
「ギヴン」をアニメではじめて見る前は「ほのぼの日常バンド作品なんだろうな」と思っていました。実際、アニメの1〜3話あたりを見て「けいおん!」みたいな感じだな、って思ってたし。
それなのに。登場人物の心情が重くてデカくてしんどくて涙なしには見れない&読めない。メインカプの立夏と真冬は付き合ってはいるものの、まだまだ安心できない。こんなにメンタルを揺さぶられる作品だと思っていませんでした。心構えが足りなかったから、動揺してる。
でも、本当に素敵な作品です。喉から手が出るほど続きが読みたい。また連載中の推し作品ができて、人生が潤うと同時に辛くなってしまった。「囀る鳥は羽ばたかない」を読んで仕事に手がつかなくなってから、連載中のシリアス作品に手を出すのは危険、って気をつけていたのに(この話はまた別の機会に書きます)。また一つ、続きが読みたすぎてツラい推し作品ができてしまった。
完結するその日まで、登場人物みんなの幸せを祈りながら、見守っていきたいと思います。
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