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2024年の年度代表馬はソーピードアンナ(アメリカ)

 全米サラブレッド競馬協会(NTRA)・デイリーレーシングフォーム紙・全米競馬記者協会(NTWAB)は、1月23日夜の第54回エクリプス賞授賞式で牝馬ソーピードアンナが2024年の年度代表馬に選出されたことを発表した。ソーピードアンナは昨年ケンタッキーオークス(G1)などを制し、7戦6勝の成績を収めた。

 ソーピードアンナ(ケニー・マクピーク厩舎)は240票中193票の一位票を獲得した。3歳シーズンは、ファンタジーS(G2 オークローンパーク)、ケンタッキーオークス(チャーチルダウンズ)、エイコーンS(G1 サラトガ)、アメリカンオークス(G1 サラトガ)、コティリオンS(G1 パークスレーシング)、BCディスタフ(G1 デルマー)で勝利を挙げた。敗北を喫したのは、牡馬相手に戦ったトラヴァーズS(G1 サラトガ)だけである。そのレースでは2023年の最優秀2歳牡馬フィアースネスの頭差の2着となった。ソーピードアンナは年度代表馬の栄冠に加え、投票者全員一致で最優秀3歳牝馬にも選ばれた。

 またソーピードアンナ(ジュディ・ヒックス氏生産)は、レイチェルアレクサンドラ(2009年)以来の年度代表馬に選ばれた3歳牝馬となった。

 年度代表馬部門でソーピードアンナに次ぐ票を獲得したのは3歳のシエラレオーネ(10票)であり、フィアースネス(5票)がそれに続いた。シエラレオーネはブルーグラスS(G1)での勝利、ケンタッキーダービー(G1)での僅差の2着、シーズン最後の一戦であるBCクラシック(G1)での優勝により最優秀3歳牡馬に選ばれた。

 チャド・ブラウン調教師が手掛けるシエラレオーネはフラヴィアン・プラ騎手の手綱でBCクラシックを制した。ブラウン調教師は5度目の最優秀調教師に選ばれるという栄誉を浴したうえに、北米の最高賞金獲得トレーナー[3,080万ドル(約47億7,400万円)以上を獲得]と重賞最多勝トレーナー(47勝)にも輝いた。フランス出身のプラ騎手は重賞最多勝ジョッキー(56勝)とステークス最多勝ジョッキー(82勝)になり、3,700万ドル(約57億3,500万円)以上を獲得したことで獲得賞金ランキングでもトップに立った。

 また、ボブ・バファート調教師とブラッド・コックス調教師にとっても重要な夜となった。それぞれ2頭の管理馬がエクリプス賞を受賞したのだ。

 バファート調教師が手掛けたシチズンブルはBCジュベナイル(G1 デルマー)を制したことで最優秀2歳牡馬に選ばれ、同厩舎のナショナルトレジャーは最優秀ダート牡馬に選ばれた。ナショナルトレジャーは4歳シーズンに、ペガサスワールドカップ(G1 ガルフストリームパーク)とメトロポリタンH(G1 サラトガ)で優勝している。

 コックス調教師が管理したイディオマティック(ジャドモントファーム所有)はラトロワンヌS(G1 チャーチルダウンズ)、モリーピッチャーS(G2 モンマスパーク)、スプリンターS(G1 キーンランド)を制して、2年連続で最優秀ダート牝馬に選ばれた。また同厩舎のイマーシヴはスピナウェイS(G1 サラトガ)、アルシバイアディーズS(G1 キーンランド)、BCジュベナイルフィリーズ(G1)で勝利を挙げ最優秀2歳牝馬のタイトルを獲得した。

 イマーシヴのオーナーブリーダーであるゴドルフィンは8度目の最優秀馬主に輝き、4年連続で最優秀生産者に選ばれた(合計5回の受賞)。ゴドルフィンは2024年に2,023万4,455ドル(約31億3,634万円)を獲得し、北米の最高賞金獲得オーナーにもなった。2024年には合計でG1・10勝を達成した。また産駒獲得賞金が2,315万1,014(約35億8,841万円)にのぼったことで、北米の生産者ランキングのトップに立った。さらに2024年にチャーリー・アップルビー調教師に手掛けられ三大陸で勝利を収めたレベルズロマンス (愛国産 ゴドルフィン所有)が、最優秀芝牡馬に選ばれた。

 最優秀芝牝馬のタイトルは、BCフィリー&メアターフ(G1)を制したモイラ(カナダ産)にもたらされた。ケヴィン・アタード厩舎の所属である。

 さらにブリーダーズカップ開催で勝利を挙げた2頭がスプリント部門でエクリプス賞を受賞した。ソウルオブアンエンジェル(サフィー・ジョセフJr.厩舎)はBCフィリー&メアスプリント(G1)制し、最優秀短距離牝馬のタイトルを獲得した。また、ストレートノーチェイサー(ダン・ブラッカー厩舎)もBCスプリント(G1)を制し、最優秀短距離牡馬に選ばれた。

 10歳のスナップディシジョン(ジャック・フィッシャー厩舎)が最優秀障害馬に選ばれた。パーシーワーナーパーク競馬場(テネシー)でイロコイ障害競走(G1)と、ファーヒルズ競馬場のアメリカングランドナショナル(G1)で勝利を収めたことでG1・2勝を達成したのだ。

 最優秀見習騎手にはテキサス出身のエリック・アスムッセン氏が選ばれた。彼は127勝を挙げ、500万ドル(約7億7,500万円)以上の賞金を獲得した。エクリプス賞を受賞しているスティーヴ・アスムッセン調教師の息子であり、叔父のキャッシュ・アスムッセン氏は1979年にエクリプス賞の最優秀見習騎手に輝いている。

2022年エクリプス賞受賞馬/受賞者
年度代表馬:ソーピードアンナ
最優秀2歳牡馬:シチズンブル
最優秀2歳牝馬:イマーシヴ
最優秀3歳牡馬:シエラレオーネ
最優秀3歳牝馬:ソーピードアンナ
最優秀ダート牡馬:ナショナルトレジャー(4歳)
最優秀ダート牝馬:イディオマティック(5歳)
最優秀短距離牡馬:ストレートノーチェイサー(5歳)
最優秀短距離牝馬:ソウルオブアンエンジェル(5歳)
最優秀芝牡馬:レベルズロマンス(IRE)(6歳)
最優秀芝牝馬:モイラ(5歳)
最優秀障害馬:スナップディシジョン(10歳)
最優秀馬主:ゴドルフィン
最優秀生産者:ゴドルフィン
最優秀騎手:フラヴィアン・プラ氏
最優秀見習騎手:エリック・アスムッセン氏
最優秀調教師:チャド・ブラウン氏

(1ドル=約155円)

[NTRA 2025年1月23日「2024 Eclipse Award Winners Are Announced, Thorpedo Anna Voted 2024 Horse of the Year」]


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