大学嫌い#2
大学進学は、敷かれたレールの上をただ進むだけのことだった。特殊な高校に通っていたこともあり、進学以外の道は選択肢に入れられず視野に入れないような進路指導をされた。これは文句を言いたいわけではない。
私の通った高校は推薦の枠がおそらく他の高校より多く、もちろん成績順に行きたい大学へ出願することが出来た。将来実現したい職業によって大学を選んだ。もちろん私も例に漏れず、推薦を勝ち取るために成績が良くなるように励んだ。そして推薦で関東圏内の大学へ進学した。
「大学って人生の夏休みだよ」
高校の先生は口々にそう言った。したい勉強や研究にひたすら没頭できるし、サークルや恋愛をして人間関係の経験値を貯める。今までの学生生活とは違う、自由で誰にも縛られないけれど、それでも自由でいるには全てのことに自分で責任を取らなければならなくなる。その責任から逃げることはできないけど、それも醍醐味だよ。なんて言われ、すっかり信じきった私である。
その後、私は既にTwitter(X)で知り合いを作り、一緒に入学式やオリエンテーションに参加した。即席でなった友達なのですぐに疎遠になった。趣味や考え、人生の全てが何となくかみ合わないのだ。大学の友人作りは焦って声をかけるべきではない。類は友を呼ぶ。自分に似通った人間が近くに寄って来るようになる。
入学後、実習にいくつか参加したこともあって友人が沢山出来た。この時私は既に双極性障害の兆しがあって、知り合いともいえる距離感の人間に自分の話をべらべらと話した。恐ろしいことだ。会話のキャッチボールをせず、一方的にボールを投げ続けてくるのだ。いわゆる躁状態というものが初夏の間続いた。無敵な気分で、履修登録はめちゃくちゃな科目を組んだし1限を週3回ほど取っていた。今考えると無謀で、一種の自傷行為ともいえるだろう。
それからである。私が「大学嫌い」になったのは。