ひなまつり
3月3日、今日は雛祭りだ。
我が家では約5年振りにひな人形を物置から外の世界へ連れ出した。
久しぶりに再会したお雛様は変わらず可憐で上品な笑みを浮かべており、「微笑んでるけど、これ絶対待ちくたびれて怒ってるじゃん」と内心ビビりながら飾った。
大人になった今、ひな人形をかわいいなあと愛でながら女の子の日を堪能するのはとても楽しい。
肝心のこどもの頃は、3月3日を取り立てて祝おうという雰囲気がうちの家では無かった。知らぬ間に人形が飾られ、知らぬ間に仕舞われていく。毎年その繰り返し。
今思い返せば、何も言わない母の子どもに対する愛情表現だったのかな、なんてこっぱずかしいことを考える。
また来年、ひな人形と対峙するとき、私はどんな風になっているのだろう。もっと魅力的な人間になれてたらいいな、なんてありきたりな向上心が芽生えた。
お内裏様、お雛様、今年はお疲れ様。来年も必ず飾るからその時まで物置で打ち上げでもして、後はゆっくり休んで。