ピアノ上達への道①「準備する」
今ならわかる、準備の定義と大切さ~私が過去のピアノ発表会で言われたこと
私が8年前、PTNA(ピティナピアノ指導者協会)主催の公開発表会に出た時のこと。
その時弾いた曲は、リストの演奏会用練習曲第2番(通称“軽やかさ“)という曲でした。
3人の講師からそれぞれ講評を頂いたのですが、その中でルイ・レーリンクという先生にいただいたアドバイスが、今すごく大事なものとして、印象に残っています。そしてその用紙をずっと取っておいてたんですね。それを見返したんですが、そこにはこう書かれていました。
「速い曲には速い指だけではなく、早い”頭”や”耳”も必要です」
「これからSoundをもっと速く聴いて速く考えて下さい」
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・・・・・・
・・・・
当時の私には、はっきり言って、ピンときませんでした。当時は本当に、よく分からなかったんです。
そんなこと言われても~???
早い頭や耳??どういうこと??って。理解に苦しみました。
(分からないまでも、取っておこうと思ったのは、見返した時に何かの気づきになるかもしれないと同時に思っていたからです)
でも、、今になって、ようやくわかってきた気がします。
私、頭が遅かったんですよね。
まさに、「速く聴く、早く考える」という、アタマの活動が・・・。
(似たようなニュアンスで、先生にもいつも言われていたことでしたが、それも当時の私にはわかるはずもなく)
いまなら、分かります。
アタマの準備が、十分にできていなかったのです。準備が遅かったのです。
ピアノの演奏は、準備をいかに早く行えるか?の連続といっても過言ではありません。
準備を早くする。けっして、指を早く動かすのではない。この二つは、似て非なるものだということに、最近スケール(音階)を練習していて、気づきなおしました。
もう一度言いますよ。
「準備が先なのです。
指を早く動かそうとするのではないのです。」
指が回るのは、結果なのです。
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指を早く動かそうとすると、どうなるか。
まず、体が抵抗します。慣れない早さ、動きだから。
で、手に余計な力が入ってしまいます。
では、何を早くするのか?
といえば、上記に書いたとおり、アタマなのです。アタマで準備の意識を早くするのです。
ただ「準備する」という意識をいつもよりしっかり、早めに持ってみる。
すると、おのずと、自然に指の動きも「付帯して」早くなってきます。
身体が自然と覚えてきて、手指の抵抗感がなくなってきます。
なぜなら、指は脳(アタマ)が動かしているからです。指が単独で動いているわけではないことは皆さん承知のうえですが、練習となるとついつい、「指を」早く動かそうとやっきになってしまいがちなんですよね。だから、指自体を早く動かそうとしても、無理が生じると。
せっかくの練習時間を有意義なものにするために、なるべく、「骨折り損」な練習にならないようにしたいものです。
一言で言うと、「準備は早く、打鍵は余裕をもって」
準備の段階ではアタマを少し早めに回転させてですね、
その後実際に弾くときは、気持ちに余裕を持って、丁寧に弾くこと。
で、実際の演奏というのは、この連続がすごいスピードで繰り広げられるというわけです。
なので、ピアニストは、アタマの準備が早い、とも言えるかと思います。
もちろん、それだけのしかるべき指の練習もしていることは言うまでもありませんが。
この意識が逆になるパターンが多いような気がします。
つまり、指を早く動かそうとして、準備がおろそかになっているというか。。
頭と指の共同作業ができてないというか。
なので「指だけ早く動かせればいい」というわけではなく。
ここだけだと、はっきり言って、行き詰まります。
だって、指を動かすのは、脳ですからね。
脳(の司令)→指、の順番。
逆にここを意識すると、テンポ感も安定してくるし、音の粒もそろってくるし、ミスタッチも防げるようになるし、、と上達感が身に付いてくるわけです。
準備は、基本中の基本で、と~っても重要なトコロ。
ピアノ練習の全ては、「準備の練習」と言ってもおかしくないくらい。
私も常に、ここは意識してます。
油断してると、昔の「アタマの遅さ」が出てしまう時があるので。
弾きながら、「次の音はこれ」と常に次の音、
次の音・・という意識を持ちながら弾く。
最初は頭で意識して準備したことを、指が覚えていくまで、
体で音楽を捉えられるようになるまで、といったら良いでしょうか。
「上達した」と実感できるのは、やっぱり、体で覚えたとき。
指が勝手に正しい位置を捉えてくれた時や、ほしい音が
まぐれではなく、しかるべきタッチで弾けたとき、
スピードのコントロールができたとき。。などではないでしょうか。
そのためにはまずはやっぱり頭でしっかり把握、確認しながら
練習する必要があるわけです。
「準備の連続」が、演奏です。
もう少し具体的にいうと、
「弾いたと同時に次の音に意識を向ける」この連続。
実際に指を持っていくことができなくても、意識は常にし続ける。
次の音への反応を早くする。
これが早く正確にできればできるほど打鍵のスピードも上がってきますし、それだけ「弾きこめた」という実感があるはずです。
たとえばドミソをそれぞれ「親指・中指・小指」で弾くときに
(親指)ドを弾く
↓
同時に次の音(ミの音)の準備を意識して中指をもっていく
↓
(中指)打鍵
↓
同時に次の音(ソの音)の準備
・・・・・・
・・・・・
これが、できているようでなかなかできていないもの。思っている以上に
「次の音への構え」を早くする必要があります。
先ほどの例でいうと、
「ドを弾いた、次はミだな、ミはどこだ」と探すのでは
遅すぎるのです。ドを弾いたと同時に、ミに指(意識)が行く。
常に同時進行。これは、なめらかに弾くレガート奏法の練習にもなります。
そして、ただ正しく指を置くだけでなく、その指の「安定度」にも
氣を使っていきましょう。
・指に余計な力がはいっていないか?
・余裕をもって打鍵できているか?
・特に和音の場合、無理矢理つかまえたというような、ぎこちない構えになっていないか?←ここは、弾けたと勘違いしやすいトコロなので要注意
などなど…
そして基本的な打鍵に余裕が出てきたら、他の要素も意識して練習していきましょう。
指使い、表情、強弱といった表現の要素ですね。
【まとめ】
・基本的な準備=音をつかまえる、
つかまえようとするアタマの回転を早くすること。常に一歩先の音について意識しながら弾いていること。
・表情や音色、難しい箇所を弾くためのテクニックも、つねに構えの意識が早く、体感覚は後からついてくる。
・最後に抽象的な表現ですが、弾く時の心構え、モードなどの「心の準備」も整っていると、尚良し。
ちょっと、しつこめの記事になってしまいましたが、それだけ私が伝えたいという氣持ちの表れですので…(;;^_^)
まあでも、講評の紙残しておいて、よかったなあ。
おかげでこの記事書けたから(笑)
いまさらですが、先生方、ありがとうございました(笑)
(経験は決してムダにならないということの証明か!!??)
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