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【ピアノ】ショパン・ノクターンNo.1の、ミニミニアナリーゼ。


おおげさなものではないですが

ショパンのノクターン1番を弾いていたら、自分の思う解釈が書きたくなったので、今回は、そこについて書いてみたいと思います。
まあ、アナリーゼっていうほどの大げさなものではないのですが・・・(笑)とりあえず、わたくしめの感じたことを、ほんの少し・・。

ちなみに、この曲を初めて聞いたのは高校3年のダンスの授業で。体育とは別枠で、ダンスの授業というのがあったのですね。
当時、「なんだ、この妖しげな曲は・・・」と思ったのが印象に残ってます。
これがショパンのノクターンと判明したのは随分あとになってからでした・・・。


楽譜は全音楽譜出版社・ショパンノクターン集より。

4分の6拍子、速度表示はLarghetto(ラルゲット)、Largo(ラルゴ)よりやや早く、とあります。
ではLargoはといえば、「ゆったりと遅く、広々とした氣持ちで」
とあり、まあ同じ仲間という感じですが、Largoより少し早めに、または動きを付けて、という感じでしょうか。

完全に副交感神経優位なのですが、緊張感がないわけではないよ。

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●1小節 espress(エスプレッシーヴォ、表情豊かに)


どんな表情で弾く?を自分なりに考えてみること。
・・なんとなく、漂った感じ? どこへ向かっていくか分からないというような。半音上がるときのニュアンス(ド→レ♭、ラ→シ♭)が、そういう雰囲気をかもし出してる。
上がって下がってまた上がる、この不安定さが逆に美しいところになる。
聴かせどころ。




●6~7小節

右手、二分音符(ラ♭)~のスラーから始まる「ラ♭ソ♭」の旋律と、内声としての「レ♭シ♭ドレ♭ソ♭」との区別を意識して、なんというか立体的な雰囲気を出すことを意識するといいかもしれない。スラーをよく保ち、よく聴いておくこと。


●19小節

左手クレッシェンド+smortz(=スモルツァンド、消えるように)
「だんだん大きく」のあとの「消えるように」・・指示が重なってるわけではないけど、この相反する表現をどう捉えるか?
個人的には、この消えるようなsmortzに「内に秘めた情熱」というものを感じる。何か秘めたエネルギーのようなものを感じる。「言葉にならない思い」とでもいうか。そういうのを表現したい。


●20小節のuna corda(ウナ コルダ)

中間部の始まりは、una cordaという表記がある。これは一番左のペダルを踏むという指示で、全体的なピアノの音量が小さくできる。
こういうきめ細かいペダル操作によって、より音量や音色の幅が繊細になるので、この中間部にふさわしい響き作りに、役に立つと思う。
中間部はppやpppもよく出てくるので。

ただ、カッコでくくられているので絶対的な指示ではない&ちょっと上級者向けの表記なので、無理に使う必要はないと思う。
動画では使いましたが、私もほとんど使ったことがありません💦

(una cordaで音量調節することは、結構な上級テクですし、あまり多用はされないけど、知っておいた方が、またできた方がお得ではあります。
使ったことのない人は、使ってみて音量や音色がどうなるのか、聴いてみてください。)



●26~27小節のf(フォルテ)とtre corde(トリ コルデ)

pp~pppが続いたあとの、急にでてくるフォルテ。確かに大きくはなるが、乱暴な音になってはいけない。あくまでも上品に、丸みのある、良く響かせたfで弾きたい。ここではtre corde(=トリコルデ)が出てくる。これはuna cordaと反対の意味。つまり左のペダルを離し、通常のペダル使いに戻す。

(でもいきなりuna cordaに戻すのは怖いなあと思った。)


●36小節 フォルテ+poco stretto(=ポコストレット、少し急き立てて)

ここのfは前述の26小節のfとはまた雰囲気が違うと思う。旋律も変わるので、同じfでも性格が変わるというか。もっとパーっと開けた感じ。ここは「普通にフォルテ」という感じで許されるかと思うが、それでも下品にはならずに(笑)、明るい感じ、開けた感じで弾いてよいかと。旋律も動くところだし。



●52小節からのff

出たー、フォルテッシモ!と思って、ただ音量だけを追うのは控えめにしたい。
音量を意識してガンガンffで弾いてたら、ただの乱暴な音になっていた・・・ということを練習時に感じたので。
打鍵を早くしすぎると、とっ散らかったようなffになりがち。
音量はこれまでで一番大きいが、音質はあくまでも丸みのある音で、でも勢いがなくなるのもダメなので、音色と打鍵のバランスの研究のしどころ。



●60,61小節の右手全休符

右手が音がないからと言って、音楽まで切れてしまわないように注意したい。決して休憩する場所ではない。

音楽の流れはずっと意識し続けていること。でもこういう休符があると、氣持ちの面でも切れてしまいがち・・・
そしてこの全休符、「一小節休む」という意味合いでも使われるとのこと。

初めて知ったような・・?
いや、大昔に聞いたことがあったような氣が、するような、しないような・・・(。´・ω・)?

どちらにしても、改めて、勉強になりました。
(筆者がどれだけ無知なのかを露呈する記事でもある・・・)



●71小節 主題にもどるところ

主題に戻る。最初の主題の出かたとは、少しニュアンスを変えたい。そのため、右手は一部アクセントが付き、左手は一部旗棒が付いている。この旗棒の付いている音は少しテヌート(=音をよく保つ)を意識して大事に弾きたい。音楽表現も、冒頭のespressから、dolciss(ドルチェッシモ、より甘く、柔らかく)に変わっている。何か、想いが入っている感じ。私のこの想いを分かってほしい、とでも言うような。切ない感じ。それがこのdolcissに含まれている感じがする。冒頭は何か漂う感じがあったけど、ここでは少ししっかり目に、主張気味に弾いて、「戻ってきたよ」感を出すといいかも。


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●全体的な流れについて
ABAの3部形式。中間部と主題部は、流れを変える。雰囲氣ががらっと変わるので。たとえるなら、舞台でパッと照明が変わって、場面が変わるような感じ。なので、その場面にふさわしい流れ、雰囲氣をつくる。
(速度と書くとなんとなく機械的な感じがして、伝えたいニュアンスとちょっと違ってくる。速度というよりは流れ、のほうが100倍言葉としてふさわしいと思う!

私的には、中間部はあくまでもサラッと弾いて、メリハリをつけたいなと思いました。少々粘ちっこくなってもいいので、主題は思いきり歌って弾きたいと思いました。

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今回こういう記事は初めて書きました。細かいことはたくさんあるんだろうけど、とりあえずは、こんなところで・・。
私個人の感性ですが、少しでも参考になれば、とてもうれしいです。

実は、記事だけ先に仕上げていて、動画はあとから付け足そうと思っていたので、この前撮ってきたものを載せることにしました。このことを踏まえて、演奏してみました。が・・・??

いざとなると間違えないように弾くことだけに精一杯になった感もあり・・言い出しっぺの自分はいったいどれだけできているのだ?!
と、突っ込まれそうですが・・・温かい耳で、お聴きいただければ幸いです。

 




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