さらっとしたバイト退職
2021/01/31
これもいつものことだが、真由が少し先に目を覚まして、まだ微睡んでいる僕にキスしてちょっかいをかけてくる。
今日はいつもより少し、一緒にいたがっていた。そんな気がした。
かわいい。
10月から始めた不動産仲介のアルバイトが最後の日だ。
最終日だが、本気で仮病で休もうかと思った。「だが」というよりは、「だから」の方が正しいかもな、そう思った。
・・・
まずは物件の室内写真を撮りに行った。そして、いったん店舗に戻り、別の物件の看板の交換と写真撮影。
12:20から昼休憩。
コンビニで買ったパンを食べ終えた13時頃、写真の木下さんに、
疲れたな、って言われた。
うーん、いや、まだそんなに疲れてないっすね。
って正直に答えたら、木下さんはコーヒーを吹いて、白いマスクが死んだ。ごめんよマスク。
ちなみに、最近入ったもう一人のバイトの岡村くんは、この時間でも疲れたっていうらしい。まぁ、人それぞれだもんね。
昼休憩を終えてからは、また物件の写真撮影へ。
16時過ぎに店舗に戻り、登録作業。気が緩んでいたのか、室内の写真で撮り忘れている箇所があったけど、スルーした。
岡村くんが明日以降に撮影に行く物件をピックアップし、今日の仕事はほぼ終わり。
だらだらとパソコンを見ていた。
岡村くんはこの会社で来年から働く予定だ。入社予定の人は時給が1500円らしい。1.5倍ってすごいな。週5で入ったら24万円。木下さんと店長の大井さんよりも多いらしい。
2時間くらいかけて1~2件写真撮って(写真も汚い)、2時間くらいかけて車を使っての案内練習とかしてるだけやのに、月24万て…。
……パワハラしよかな、って木下さんが呟いた。
ダメですよ。そんなこと言っちゃ。爆笑したけど。
まぁ、冗談でもそんなこと言いたくなるくらいヤバイのだ、岡村くんは。
お世話になりました。お疲れ様です。
と挨拶して、さらっとラスト勤務が終わった。まぁ、このバイトは悪くなかったかも。2月からは採点バイトだ。
真由がいない部屋に帰った。
・・・
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