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書評『「弱いまま」で働く――やさしさから始める小さなリーダーシップ論』掲載のお知らせ

「図書新聞」No.3664・ 2024年11月23日に、エミリア・エリサベト・ラハティ『「弱いまま」で働く――やさしさから始める小さなリーダーシップ論 』(古賀祥子訳、KADOKAWA)の書評が掲載されました。

「図書新聞」編集部の許可を得て、投稿いたします。

書評は下記リンクよりお読みいただけます。

感想:
苦しみに耐え抜いてがんばることこそが善であるという考えがはびこる世界では、困難や苦痛の少ない道を選ぶことがまるで悪であるかのように扱われることも少なくありません。
もちろんそんなことはありませんが、人は自分自身にすらこうした枷をかけてしまうことも多々あります。

本書を読むことで、やさしさは決して甘えなどではなく、柔軟な思考を身につけるために必要な力であることを改めて理解できたように思います。その過程を示した著者のウルトラマラソンの体験談も印象的でした。

その日のタスクや自分が立てた目標を予定どおりに達成できなかったとき、「休んでしまった」「食事の時間を削ればよかった」「無理をしてでもやり遂げなければ」と、自分も他人も責めてしまいがちです。
代わりに「十分な休息が取れた」「おいしいごはんが食べられた」「一度立ち止まってみよう」と考え方を変えみることで、ネガティブに捉えていたものにも価値を見出し、視野も広がり、心も豊かになっていくのではないかと感じています。

心の豊かさや柔軟な思考はやがて寛容な社会づくりへと繋がっていくはずです。そのためのヒントが詰まった一冊でした。

書誌情報はこちら。