書評『潜水鐘に乗って』掲載のお知らせ
「図書新聞」No.3629・ 2024年3月2日に、ルーシー・ウッド『潜水鐘に乗って』(木下淳子訳、東京創元社)の書評が掲載されました。
http://www.toshoshimbun.com/books_newspaper/index.php
「図書新聞」編集部の許可を得まして、書評を掲載します。
感想:
コーンウォールはケルト文化の影響を受けている地域ということで以前から興味がありました。そんな中、写真や映像を通して思いを馳せていた世界が本書に広がっていたので、まるで実際にこの地を訪れたような気持ちになっていました。
静かに現実と向き合う人たちの姿を見ていると愛おしくもなり、人間をそっと見守る精霊たちもそんな気持ちだったのだろうかと考えてしまいます。なお、「願いがかなう木」で登場するWishing Tree(ウィッシング・ツリー)は、ほかにもClootie Tree(布切れなどを縛り付けるため)、Wishing Well(木自体ではなく近くにある泉を指す)などと呼ばれているようです。
妖精譚のような伝承に初めて出会ったのは、学生の頃にアンドリュー・ラングの童話集を精読する授業でした。どこか妖しい魅力があり、こうした物語には大人を引きつける力もあるのだなと感じたことを覚えています。
この地方に限らずブリテン島には様々な伝承がありますが、それは現在に至るまで、小説・映画・ゲームなどにも形を変えてそっと潜んでいます。物語を生み出さずにはいられない何かがあるのかもしれません。
下記リンクより書評をお読みいただけます。
https://note.com/yasushi_kaneko/n/nc867dd18f8a5
◆書誌情報はこちら。
◆訳者あとがきが全文公開されています。
◆著者ルーシー・ウッドのインタビュー(英語、字幕なし)