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過酷(入院準備)

おかげさまで、ひとまずはいつもどおりの日常に戻っています。
術前検査を受けるまでの前回はこちら。

最後の診察から入院までは10日ほど。
在宅勤務とはいえ平日はしっかり仕事があるので、土日を使って準備を進める。必要になりそうなことはなんとなく調べていたけれど、詳しい日時が決まってから動きはじめたので、かなり慌ただしい時間だった。

Excelを使いたい

ちょうどこの時期、職場の先輩からExcelを使ったタスク管理の仕方を教わっていたところだったので、準備に活用してみようと思っていた。ちょっと試してみたかった。スプレッドシートなら出先でも簡単に確認できるし。

職場復帰までの大まかな予定、ToDo、必要な荷物と書類をそれぞれのシートに書き出して……完了したらグレーアウトするようにして…この大層な機能も使ってみたりして…

楽しい。楽しんでいいのかはわからないが、鬱々と取り組むよりはいいに決まっている。これはもはや事務職の性なのかもしれない。

多忙な準備期間

病院に提出する書類を記入しつつ、会社に諸連絡をして、健康保険関連の申請をする。有休を利用するか、後日手当を申請するか。何をいつどこに申請するか。慌ただしいだけでなく、考えなければならないこともたくさんあった。

とにかく入院の荷物を少なくしたかったので、最低限のものだけで済ませた。基本的には渡された資料のとおり、そのほかに家族や友人、ネットの情報を参考にする。人それぞれ状況が違うので鵜呑みにはできなかったけれど、それでもありがたかったです。

病衣とタオルは有料の貸出を利用。ドライヤーは無料で貸出あり。
下着類、室内履き、歯みがき・洗顔、お風呂関連一式は持参。

衛生用品としてティッシュ、除菌シート、マスク、ナプキンをそれぞれ1箱分ずつ持参。ティッシュとナプキンは足りなくなってしまったので、家族に追加で持ってきてもらったのだった。

暇つぶし用に文庫本4冊。Kindleも持っていったけれど、なぜかオフラインでは読めず、Wi-Fi(フリー)をつないでスマホ経由で。
テレビは見なかったので、イヤホンはワイヤレスで十分だった。
充電器は乾電池式のものにしたけれど、病室のコンセントを使っても大丈夫だったのかもしれないな。

コインケース、小さいメモ帳と筆記用具も持参。こういう細々したものを入れるサコッシュはとても重宝した。
いちいちスマホを確認しないといけないのが地味につらかったので、時計は持っていったほうがよかったのかも。

歯の問題

ところで入院前からずっと気がかりなことがあった。乳歯の問題である。
私には生まれつき、10本ほど永久歯がない。先天性欠如(歯)などと呼ばれるようで、決して珍しいことではないのだそう。

珍しくないとは言っても日常生活に影響があるので、小さいころから歯科矯正の治療を受けていた。昔から本当に手もお金もかかる子供だった。

そのため40歳手前になっても私の口内にはまだ何本か乳歯が残っている。そのうちの1本の様子が明らかにおかしい。動いている。そして入院まであと数日という夜、眠れないほど痛みだしたのである。

乳歯は虫歯になりやすい。
歯根もほぼ残っていないので、重度の虫歯になっても痛みを感じず気づきにくいため注意が必要だと言われていた。それがこのタイミングで。

このままでは手術が受けられないのでは…準備してきたのに…会社にも都合をつけてもらったのに…と夜明けまで悩み、歯医者に駆け込んだ。

もうこの乳歯は手の施しようがないと歯科医は告げる。
抜くしかありませんね。
永久歯が生えてこないのだから、乳歯を抜いたらそこには空洞しか残らない。私は絶望する。なんとか痛みだけでも抑えられませんかという渾身の訴えは聞き届けられない。痛みは抑えられるけれど、この乳歯にそれだけのことをする価値はないとまた歯科医は断言する。

何より、これから全身麻酔をかける体にはぐらつく歯があってはならない。無慈悲な宣告に思われるけれど、それがこの乳歯の運命なのだ。そのまま急遽、抜歯した。大騒ぎしたわりにあっさり抜けた。夜になると麻酔が切れて空洞が痛んだ。