日本中の節約傾向は
日本の節約傾向とEC市場に訪れる変化
物価高騰が続く日本では、節約志向が強まり、様々な業界に大きな影響を及ぼしています。
ニュースでも頻繁に取り上げられている通り、居酒屋業界の倒産率はコロナ禍を上回るペースで増加しています。
そして、その影響は飲食業界だけに留まりません。美容業界でも倒産件数が増加傾向にあり、美容室や理容室の一人当たりの単価が減少していると報じられています。
一昔前なら当たり前だったヘアエステやカラーリングへの出費が、今では見直されているのでしょうか。
それとも、多くの顧客が格安店やセルフケアにシフトしているのかもしれません。そんな背景の中、私が主に関わるEC市場でも顕著な変化が見られます。
特に驚くべきは「散髪バサミ」の販売数が急激に伸びている点です。
私はECを中心に活動し、クライアントワークとして商品選定のサポートもしています。
セルフケアの需要増加と散髪バサミの台頭
従来、散髪バサミを家庭で利用する人は少数派でした。しかし、リサーチを進める中で、近年その需要が急増していることがわかりました。おそらく、家族の髪を自宅でカットする人々が増えているのでしょう。特に子どもの髪を家庭で切る家庭が増えたことは、この傾向を物語っています。
Amazonだけでも月に1万個販売されています
EC市場における新たな課題
一方で、物価高の影響はEC市場にも波及しています。返品リクエストの増加がその典型例です。
以前なら考えられなかった使用後の返品要求や、不当な理由によるクレームが増えています。
例えば、「半年使用したが壊れたので返品したい」「3か月で壊れたのは品質の問題だ」というような要求がモール担当者の間でも増加しているそうです。
これらのケースに直面するEC事業者や責任者にとって、理不尽な要求への備えは今後ますます重要になるでしょう。返品対応のルールを明確にするだけでなく、従業員への教育や対応マニュアルの整備が求められます。また、心の準備をしておくことで、こうした問題へのストレスを軽減できるかもしれません。
節約志向の未来と備えるべきこと
物価高騰は日本全体に影を落とし、これまで経験したことのないレベルで消費行動を変えています。この変化は、EC市場では実際の店舗より数か月早く体感されることが多いです。
実店舗を構える飲食店のクレーム、小売販売店では数か月先の消費者ニーズを見据えておいた方がご自身のためになると思います
日本全体が節約志向に突入する中、不安もありますが、冷静に観察し、柔軟に対応していくことで、次のステップに繋がる可能性もあります。
時代の波に乗り遅れず、新たなチャンスを掴むためにも、決断は後回しにしない。ずるずると悪い方向へ、引っ張られてしまわないようにしっかりと強い気持ちで、これからの将来を歩んでいかなければならないと感じています