子どもたちに残すなら 理想の恋人の真理
悩みを抱える若者が、
絶対に知っておくべき理想の恋人の真理がある。
『お昼寝とぶどう』
理想の人だと思ったけれど、
それが違ったことはないだろうか。
あるところに、
おじいさんとおばあさんがいました。
お天道様が見える前に起きあがり、
おばあさんが朝ごはんの支度をする間、
おじいさんは、薪を割っています。
朝食のあと、
おじいさんは、山へ芝刈りに、
おばあさんは、川へ洗濯に行きました。
おじいさんは、途中に通る野原で、
ゴロンと一眠りしました。
白いふわふわの雲が飛んでいて、
気持ちのいい日です。
おばあさんは、川へ洗濯へ行く途中、
ぶどう畑に寄りました。
毎日、ここでこっそり
ぶどうを育てて、時期になると
ひとりで食べるのを楽しみにしています。
おじいさんにも、秘密です。
一方、
昼寝を終えたおじいさんは、
山の近くに住む甚兵衛さんの家へ
辿り着きました。
甚兵衛さんの家で少しの芝をもらい、
おばあさんにもらったお弁当と
甚兵衛さんのご飯を囲んで楽しく過ごしました。
その頃、おばあさんは川へ辿り着き、
洗濯を始めました。
2人分の衣類は少なく、
30分もしないうちにおばあさんは
洗濯を終えました。
おばあさんは、
少し先に天然温泉があるのを
紅子さんに教えて貰っていたので、
温泉に入ることにしました。
お昼を少しすぎた頃、
おじいさんは、甚兵衛さんに
いい芝刈りスポットを教えてもらい、
あっという間にたくさんの芝を刈れました。
甚兵衛さんに貰った芝を合わせて、
おじいさんは大満足です。
おばあさんの方はというと、
ちょうど温泉に入っていた
紅子さんや亀子さん鶴子さんと
楽しく温泉を楽しみました。
おばあさん達は、
近くの川にいくつかの桃が
ながれて行くのを見ました。
最近は、1日に一度は見かけます。
桃が大きすぎるので、
たまに川辺で食べるくらいで、
誰も持ち帰ろうとしません。
おばあさんは、
あまりに長話をしたので、
今日はおじいさんよりも遅く
家に着くかもしれないと思いました。
そうなれば、
今日は、洗濯物が少ないのに、
どこに行っていたのかを聞かれるに違いありません。
温泉のことも、ぶどう畑のことも
内緒にしておきたいおばあさんは、
ちょっととるのが難しいような
大きい桃を持って帰ろう。
と、考えます。
川へ戻ると、
たくさんの桃が流れていました。
今日は、洗濯物も少なかったので、
おばあさんは、
一番大きな桃を拾いました。
桃をタライにのせて、
おばあさんは、
また明日。と、仲間に挨拶をして、
歩き出しました。
案の定、
おじいさんは、おばあさんより
早く家へ着いて、夕食に使う薪を割っていました。
おばあさんは、大きな桃がとれましたよ!
と嬉しそうに言いました。
おじいさんは、
こんな大きな桃を持って帰ってきてくれて、
思いやりのあるおばあさんだな、と思い、
おばあさんは、
たくさんの芝を刈って帰ってきてくれて、
さらに薪を割っていてくれるなんて、
働き者のおじいさんだな、
と思って、仲良く暮らしましたとさ。
全てが理想のカップルは、いない。
あなたが完璧でないように、
完璧な相手もいないのだ。
どこか相手にいい格好をしたり、
できないことや、苦手なこともある。
そこで自分なりの特別な時間を
持つことで、
一番大切にすべき相手に
愛を持って接することができる。
1人で全てを抱え込まないこと。
あなたも相手も完全ではない。
そして、大切なのは、
お互いの時間を尊重することだ。